- CHMPの肯定的見解は、欧州連合(EU)における青年期患者(12~17歳)に対するAdtralza®(トラロキヌマブ)の使用拡大を推奨
- 推奨は第3相ECZTRA 6試験のデータに基づく
デンマーク・バレラップ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 皮膚科医療の世界的リーダー企業であるレオ ファーマは本日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、欧州連合(EU)におけるAdtralza®(トラロキヌマブ)の承認を拡大し、全身治療の候補となる12~17歳の中等度から重度のアトピー性皮膚炎(AD)青年期患者を含めることを推奨する肯定的見解を採択したと発表しました。青年期患者への推奨用量は、初回投与が600 mg、その後300 mgを隔週投与とし、成人患者と同じ投与量となります。
高親和性ヒトモノクローナル抗体であるAdtralza1は、EU、英国、カナダ、アラブ首長国連邦、スイスにおいて、中等度から重度の成人AD患者の治療薬として承認されています2。また米国では、Adbry™の商標で成人患者向けに承認されています。現在、青年期患者の使用については、どの市場でも承認されていません。
レオ ファーマのクリストフ・ブルドン最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「当社はAdtralzaについて、青年期患者集団への適応拡大のための規制当局からの承認取得を目指していますが、 本日のCHMPの見解により、Adtralzaの安全性プロファイルと有効性に対する当社の確信は一層深まりました。EUでは、中等度から重度のアトピー性皮膚炎青年期患者にとって治療選択肢は限られています。当社は、臨床活動を通じ、これら患者のために新たなバイオ医薬品の選択肢の市場投入を支持できるよう、十分なデータを確保することに努めてきました。」
CHMPの見解は、全身治療の候補である中等度から重度の青年期AD患者を対象に、Adtralza(150 mgまたは300 mg)単剤投与の有効性と安全性をプラセボと比較検討した第3相ECZTRA 6試験から得られたデータに基づいています。主要評価項目は、治験担当医による全般的評価尺度で皮膚症状の消失またはほとんど消失を示すスコア(IGA 0/1)、および湿疹面積・重症度指数で75%以上のスコア改善(EASI-75)としました3,4。
副次的評価項目は、アトピー性皮膚炎の範囲と重症度(SCORAD)、青年期患者における1日で最悪のかゆみの数値評価尺度(NRS)スコアの週平均における4点以上の改善、小児皮膚疾患QOL評価尺度(CDLQI)スコアにより評価しました3,4。
CHMPの肯定的見解を欧州委員会(EC)が検討し、最終決定が下された場合、市販承認がEU加盟国すべてとアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインで有効となります。また、米国食品医薬品局(FDA)への追加申請も進行中です。
ECZTRA 6試験について
ECZTRA 6(ECZema TRAlokinumab試験のNo. 6)は、期間52週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較多国間試験で、計301人の患者(12~17歳)を対象とし、289人(Adtralza群195人、プラセボ群94人)を最大の解析対象集団に含め、全身治療の候補である中等度から重度のアトピー性皮膚炎を有する青年期患者におけるAdtralza(150 mgまたは300 mg)単剤療法の有効性と安全性をプラセボと比較検討する試験です3,4。
ウオッシュアウト期間の後、最初の16週間に関しては患者を皮下投与のAdtralza(150 mgまたは300 mgの隔週投与)またはプラセボにランダム割り付けしました。 Adtralzaの投与開始は、Adtralzaの150 mg隔週投与群および300 mg隔週投与群に対してそれぞれ、0日目に300 mgおよび600 mgの負荷用量で行いました3。
16週目に、Adtralzaが奏効し、レスキュー治療なしにIGAスコア0/1またはEASIのベースラインからの変化率75%以上のいずれかまたは両方を達成した患者を、さらに36週間にわたるAdtralzaの隔週投与または4週毎投与に改めてランダム割り付けしました。16週目に主要評価項目を達成しなかった患者、2週目から16週目までにレスキュー治療を受けた患者、その他特定の基準を満たした患者は、Adtralzaの300 mg隔週投与と、オプションとして軽度から中等度の強さの局所コルチコステロイドを併用する非盲検治療に移行しました3。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみと湿疹性病変を特徴とする慢性の炎症性皮膚疾患です5。アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能障害と免疫調節異常の結果として起こり、慢性炎症を引き起こします6。IL-13などの2型サイトカインは、アトピー性皮膚炎の病態生理において、重要な役割を担っています7。
Adtralza®(トラロキヌマブ)について
Adtralza®(トラロキヌマブ)は、アトピー性皮膚炎の徴候および症状の背景にある免疫/炎症プロセスにおいて重要な役割を果たすサイトカインのインターロイキン(IL)-13に結合し、これを阻害するために開発1した高親和性ヒトモノクローナル抗体です2,7。AdtralzaはIL-13に特異的に結合することで、IL-13受容体のα1/α2サブユニット(IL-13Rα1およびIL-13Rα2)との相互作用を阻害します1,7。
レオ ファーマについて
レオ ファーマは、皮膚疾患を持つ人々やその家族、そして社会のために標準治療を進歩させることに専心する世界的企業です。1908年に設立され、レオ財団が株式の過半数を保有するレオ ファーマは、皮膚科学の進歩のための研究開発に数十年を費やし、今日では疾患のあらゆる重症度に対応する幅広い治療法を提供しています。レオ ファーマはデンマークに本社を置き、5800人から成る世界的チームを擁しており、世界中で何百万人という患者さんにサービスを提供しています。2021年の売上高は99億5700万デンマーククローネでした。
References
- Popovic B, et al.Structural characterisation reveals mechanism of IL-13-neutralising monoclonal antibody tralokinumab as inhibition of binding to IL-13Rα1 and IL-13Rα2. J Mol Biol. 2017;429:208–19.
- Adtralza® (tralokinumab) EU Product Information. LEO Pharma;June 2021. (EU製品情報)
- Paller A. Efficacy and safety of tralokinumab in adolescents with moderate-to-severe atopic dermatitis: results of the phase 3 ECZTRA 6 trial. Fall Clinical. Oct. 21-24, 2021. Poster Presentation.
- ClinicalTrialsRegister.eu. Tralokinumab Monotherapy for Adolescent Subjects With Moderate to Severe Atopic Dermatitis - ECZTRA 6 (ECZema TRAlokinumab Trial no. 6). Identifier: 2017-005143-33. (中等度から重度のアトピー性皮膚炎を有する青年期被験者に対するトラロキヌマブ単剤療法)
- Weidinger S, et al. Atopic dermatitis. Lancet. 2016;387:1109-1122.
- Boguniewicz M, et al. Atopic dermatitis: a disease of altered skin barrier and immune dysregulation. Immunol Rev 2011;242(1):233-46.
- Bieber T. Interleukin-13: targeting an underestimated cytokine in atopic dermatitis. Allergy. 2020;75:54-62.
MAT-58697 September 2022
原文はbusinesswire.comでご覧ください:https://www.businesswire.com/news/home/20220916005458/en/
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