高性能高圧ダイカスト用アルミニウム合金開発に向けた三者間共同開発契約締結
マサチューセッツ州ボストン-東京--(BUSINESS WIRE)--NanoALは、三菱商事 RtM ジャパン株式会社 (以下、RtMJ) および日軽エムシーアルミ株式会社(以下、NMA) との三者間共同開発契約を締結し、同社との業務提携を拡大する。今回のパートナーシップ契約は、NanoALとRtMJが2021年2月に締結した積層造形材料技術(Addalloy ®粉末)に関するライセンス契約に続くもので、自動車や家電製品を含む複数の成長市場に対応するための高性能高圧ダイカスト用アルミニウム合金の開発と商業化に焦点を当てている。
高圧ダイカストは、溶湯を高い圧力下で金型に鋳造してネットシェイプの部品を成形するプロセスであり、テスラが「ギガプレス」と呼ばれる鋳造機を用いて、大型の自動車用アルミ部品を製造する方法として採用したことから、最近大きな注目を集めている。高圧ダイカストは高速・低コストでの鋳造が可能な製法で、寸法精度に優れ、表面が滑らかであるため、機械加工も最小限で済み、自動車OEMにとっては魅力的である。加えて、複雑形状の実現は、熱マネジメント用ヒートシンクなどの他アプリケーションにとっても魅力的なものとなる。
本提携において、NanoALは、独自の迅速な合金開発フレームワークを活用して、高圧ダイカストでの鋳造プロセスに適合した高い強度と熱伝導性を達成する新しいアルミニウム合金組成を開発する。NMAは、アルミニウム二次合金の生産能力と専門性を活用して開発合金の量産体制構築を推進し、RtMJは、広範な顧客ネットワークを活用し、開発合金の商品化に貢献していく。
NanoALのCEOであるNhon Vo博士は、「NanoALの独自の合金開発技術によって、NMAとNMAの顧客は、次世代の高圧ダイカストアルミニウム製品の材料選択・設計・製造プロセスにおける新たな課題を克服することが可能になる。」と述べている。
NMAの堀川宏執行役員は、「ユーザーが求める高性能と低環境負荷を達成するためには、素材の特性を向上させることが必要である。NanoALの特長的な技術が特性向上に有効であると信じている。」と述べている。
RtMJの池西黄太執行役員は、「アルミニウム合金は、次世代社会の電化や循環型社会を実現するために不可欠な素材であり、モビリティ産業の軽量化にも貢献している。NanoALとNMAとの高性能鋳造合金の開発連携がユーザーに新たな価値を提供することを期待する。」と述べている。
NanoAL, LLC社
科学的に設計されたナノ構造に基づく高性能アルミニウム合金の設計、開発、および商業化を専門とする材料研究および技術企業。3Dプリンタ用に開発されたアルミ粉末のAddalloy ® や、自動車、食品・飲料用途の軽量化のために設計された高強度アルミニウム合金圧延材を含む革新的な製品を開発し、優れた性能と経済性を提供する。Unity Aluminum Inc.の100%子会社。
三菱商事 RtMジャパン株式会社
石炭、鉄鉱石、アルミ、銅、貴金属のほか、ニッケル、クロム、レアメタルなど、幅広い金属資源・素材を取り扱う金属資源商社。三菱商事株式会社の100%子会社。
日軽エムシーアルミ株式会社
ダイカストおよび重力鋳造業界に、高品質・高機能合金を供給するアルミニウム二次合金製造会社。日本、米国、メキシコ、中国、インド、タイで工場拠点を運営。日本軽金属株式会社と三菱商事RtMジャパン株式会社による共同出資会社。
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マシュー・シマーズ
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