IaaSおよびSaaSの需要が引き続き過去最高に達するも、マネージドサービスの成長は堅調だった第2四半期後に鈍化
シドニー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 世界有数の技術調査・助言会社であるインフォメーション・サービシズ・グループ(ISG)(Nasdaq: III)の最新の業界状況報告書によると、第3四半期のアジア太平洋地域のIT市場とビジネスサービス市場は、従来のマネージドサービスの成長が堅調だった第2四半期から鈍化したものの、クラウドコンピューティングの記録的な需要が引き続きこれらの市場を牽引しました。
年間契約額(ACV)が500万米ドル以上の商業外部委託契約を測定するアジア太平洋ISGインデックスによると、第3四半期はクラウドベースのサービス型分野におけるACVが過去最高の31億米ドルに達し、世界的流行病の影響で需要が低迷していた前年同期に比べて62%増加しましたが、過去最高だった第2四半期からはわずか5%の増加にとどまりました。アジア太平洋地域における第3四半期のIT・ビジネスサービス支出に占めるクラウドサービスの割合は84%を超え、どの地域よりも圧倒的に高い割合となりました。
サービス型の分野では、サービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS)が過去最高の27億米ドルを記録し、前年同期比で60%増加しましたが、前四半期比では3%の増加にとどまりました。一方、サービスとしてのソフトウエア(SaaS)は過去最高の4億700万米ドルとなり、前年同期比で69%と急増し、第2四半期比では18%増でした。
従来型のマネージドサービスも2020年第3四半期の低調を脱して、ACVが53%増の5億7500万米ドルとなりましたが、今年の第2四半期に比べると40%減少しました。ITアウトソーシング(ITO)は29%増の4億500万米ドルでしたが、第2四半期比では51%減でした。ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)は1億7000万米ドルで、前年同期比178%と急増し、第2四半期比では18%増となり、エンジニアリング・研究開発や業界固有のサービスに強みがあります。
この地域では第3四半期に、前年同期比26%増となる53件のマネージドサービス契約が締結されました。中国を除くほとんどの主要市場において、第3四半期のマネージドサービスのACVは前年同期比で2桁の増加となりました。
クラウドサービスと従来サービスの両方を合わせた市場規模は、第3四半期に36億米ドルとなり、前年同期比で60%増加しましたが、記録的な第2四半期からは6%減少しました。
ISGアジア太平洋のパートナーで地域リーダーのスコット・バーチュは、次のように述べています。「アジア太平洋地域では過去2四半期において、ISGが2014年にクラウドコンピューティングの測定を開始して以来、前年同期比で最も高い四半期成長率を記録しました。その多くは、デジタル変革をサポートするクラウドサービスの需要が急増していることに起因しています。従来型のマネージドサービスは、世界的流行病後の前四半期に高記録を出しましたが、2四半期連続でそのレベルの成長を維持することはできませんでした。」
年初来の業績
2021年の最初の9カ月間に、市場全体で45%増の104億米ドルという記録的なACVが生み出されました。サービス型の分野では過去最高の85億米ドルで50%増となり、IaaSが過去最高の74億米ドルで52%増、SaaSも過去最高記録の11億米ドルで37%増でした。
マネージドサービスは、26%増の19億米ドルとなりました。ITOは、インフラストラクチャーとアプリケーション開発・保守(ADM)の両方の成長に伴い、15%増の15億米ドルに達しました。BPOは87%上昇し、過去最高の4億2100万米ドルを記録しました。
注目すべき取引
IaaS分野では、AWSがインド第3位の民間銀行であるアクシス銀行との間で、アクシスのオンプレミスデータセンターのインフラの大部分を移行する契約を、また同じくインドのRBL銀行との間で、AIバンキングソリューションの契約を獲得しました。SaaS分野では、オラクルがインドの通信事業者であるバーティ・エアテルや台湾のコンピューターメーカーであるエイサーとの契約を獲得しました。サービスナウが日本の飲料・食品企業であるアサヒと契約し、アサヒはサービスカタログの提供にナウ・プラットフォーム(Now Platform)を採用しました。
ITO分野では、アクセンチュアが日本の中部電力グループとの間で、業務改革のための契約を締結し、日本の機器メーカーであるクボタとも、レガシーシステムのマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)クラウドへの移行を加速するための契約を結びました。また、インフォシスがオーストラリアの配電会社オースグリッドと、マイクロソフト・アジュールを活用したクラウド最新化のための複数年契約を締結しました。
世界的な予測
ISGは、2021年にクラウド型サービス(IaaSおよびSaaS)市場が世界全体で25%成長すると予測しており、前四半期に予測していた21%から上方修正しています。またマネージド・サービスの成長率予測も、前回予測の9%から10.1%に引き上げました。
ISGインデックスについて
ISGインデックス(ISG Index™)は、世界的な技術・ビジネスサービス業界に関する市場インテリジェンスの権威ある情報源として認められています。76四半期連続で、金融アナリスト、企業バイヤー、ソフトウエア/サービスプロバイダー、法律事務所、大学、メディアのために最新の業界データと動向を詳しく伝えてきました。2016年にISGインデックスは対象を拡大して、急成長中のサービス型市場をカバーし、クラウドベースサービスがデジタルビジネスの変革に及ぼしている大きな影響を評価するようにしました。またISGは、当社が四半期に公表するISGインデックスで、自動化およびその他のデジタル技術の分析結果を継続的に提供しています。
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ISGについて
ISG(インフォメーション・サービシズ・グループ)(Nasdaq: III)は、世界有数の技術調査・顧問企業です。世界の上位100社のうち75社以上を含む700社以上のクライアントに信頼されているビジネスパートナーであるISGは、企業、公共部門の組織、サービスプロバイダーと技術プロバイダーが業務の卓越性とより迅速な成長を達成できるよう支援することに傾倒しています。当社はデジタル変革サービスを専門としており、これらのサービスには自動化/クラウド/データ分析、調達の助言、ガバナンスとリスクのマネージド・サービス、ネットワーク通信事業者向けサービス、戦略と運用のデザイン、変更管理、市場インテリジェンスと技術の調査・分析が含まれます。2006年に設立され、コネティカット州スタンフォードを拠点とするISGは、1300人超のデジタル対応専門職を雇用しています。これらは20カ国以上で業務を行っており、革新的な考え方、市場への影響力、業界と技術に関する深い専門知識、業界で最も包括的な市場データに基づく世界クラスの調査・分析能力で知られる世界的チームです。詳細については、www.isg-one.comをご覧ください。
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