電磁リモートセンシングにより地下のデジタルツインを強化し水、環境、インフラのレジリエンスを向上
米国ペンシルベニア州エクストン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- インフラストラクチャエンジニアリングソフトウェア企業のBentley Systems, Incorporated(Nasdaq: BSY)は本日、同社傘下のSeequentがデンマークの地球物理学ソフトウェア開発会社のAarhus GeoSoftwareを買収したことを発表しました。この買収により、Seequentの地下水運用管理向けのソリューションおよび、探査、汚染物質、インフラのレジリエンスに関する持続可能性プロジェクト向けのソリューションが拡張されます。
デンマークのオーフス大学からスピンオフしたAarhus GeoSoftwareは、地上および空中の電磁探査(EM)、電気抵抗トモグラフィー(ERT)、リモートセンシング、およびその他のソースから得た地球物理データの処理、逆解析、可視化のためのソフトウェアパッケージ「AGS Workbench」、「SPIA」、「Res2DInv」、「Res3DInv」を開発しています。Aarhus GeoSoftware(AGS)のソフトウェアを使用すると、ユーザーは地下の比抵抗分布を示す2Dおよび3Dの画像を作成できます。AGSソフトウェアの出力は、地下物質の識別と区別に利用でき、さらにSequentのLeapfrogでモデリングして、さまざまな地下調査に役立てることができます。
AGSソフトウェアは、地上レベルまたは空中センサーにより収集された電界測定値を基に、水、鉱床、粘土など特定の資源の地下分布図を作成します。電気抵抗により、水、鉱床、粘土などの資源の分布を詳しく把握でき、水に塩などの他の化合物が含まれている場合は、その分布も推定できます。
AGSソフトウェアは、当初、デンマーク全土の地下水の地図を作成して、将来の世代のための清浄な飲料水を確保する目的で開発されました。現在では、建設リスクを軽減するために地下の断層および空洞の位置の特定や、鉱業分野での鉱体および廃棄岩と廃石プロセスの調査、環境への影響の理解に役立つ地下水および汚染物質の動きのモニタリング、ダムおよびトンネルの安定性のモデリング、資産のレジリエンスや建設計画への影響を測るための地すべりリスクの評価など、さまざまな分野で活用されています。Seequentは、AGSの地球物理ソリューションの開発において継続中のオーフス大学との連携を通じて、引き続き世界中の大学や研究機関と協力してまいります。
Seequentの最高経営責任者(CEO)であるGraham Grantは、次のように述べています。「この買収により、Seequentのワークフローに地球物理データ処理機能が導入されることになり、地下の調査およびモデリング性能が向上します。AGSソフトウェアとSeequentの高度な地質モデリングおよび解析ソフトウェアを組み合わせることで、地下水の理解と管理を支援し、ダムや運河などのインフラにおけるリスクを評価できる重要なツールが誕生します。これにより、世界中のSeequentおよびAGSのお客様に新たな活用方法を提供でき、永続的に利用されるデジタルツインの向上に貢献できることを、大変嬉しく思います。」
Aarhus GeoSoftwareの最高経営責任者(CEO)であるToke Højbjerg Søltoft氏は、次のように述べています。「Seequentは世界的な規模での事業を展開しており、今後は世界各地のさらに多くのプロジェクトで、AGSソフトウェアを活用していただけるものと思います。今後もさまざまなソリューションの開発を続け、Seequentのエコシステムとワークフローに組み込まれたAGSのツールをお客様にお役立ていただきたいと考えております。Seequentの一員として、お客様が地下構造に関する理解を深めることでより多くの情報に基づいた持続可能な意思決定を行えるように支援する、という共通のビジョンに、一丸となって取り組めることを嬉しく思います。」
詳細については、https://www.aarhusgeosoftware.dk/をご覧ください。
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キャプション: AGS Workbenchは、地球物理および地質データの処理、逆解析および視覚化を行う包括的なソフトウェアパッケージです。AGS WorkbenchパッケージはGISインターフェースを基盤とし、各種地球物理データの専用のデータ処理モジュールが含まれています。AGS Workbenchは、生データの処理から最終的な視覚化と逆解析モデルの解釈に至るまでのすべてのワークフローステップを統合します。
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キャプション: 空中電磁方法(AEM)によるリモートセンシングを使用して、航空機から大量のデータを収集します。ヘリコプターまたは小型飛行機の下に取り付けたセンサーループから、電磁信号を地中に送信します。地下の特性に基づいて二次の電磁場電場が作成され、航空機から測定されます。その後、これらのデータを処理して、地下の電気的特性を推定します。AGS Workbenchソフトウェアは、AEMやその他の地球物理学的手法によって収集されたデータの処理、逆解析および視覚化に利用されます。
空中電磁法(AEM)によるリモートセンシングは、電磁誘導現象を利用して航空機から大量のデータを収集します。これは地質図を高速かつ低コストで作成できる方法です。広い領域(10~1000km2)の地質図を数日間で作成でき、新たな掘削や地面のアクセスは不要です。3Dモデリングおよび視覚化ソフトウェアを使用して、地下の地図を迅速に作成できます。
AEMでは、地上約100フィート(30メートル)で、ヘリコプターまたは小型飛行機によりセンサーループを牽引します。センサーループが生成した電磁信号が地中に送信されることで、地下特性に基づいて二次の電磁場電場が作成され、航空機から測定されます。その後、これらのデータを処理して、地下の電気的特性を推定します。抵抗率や伝導率を基に、返ってきた信号から、地球科学的に地下の性質を把握できます。
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キャプション: AGS Workbenchソフトウェアで処理し逆解析したセンシングデータを、SeequentのLeapfrog Worksを使って統合し、資源の全体的な分布を詳細に表す3Dモデルを作成できます。上記の画像は、米国ネブラスカ州の主帯水層(およびオガララ帯水層の一部)の水理地質図です。空中電磁法(AEM)によるリモートセンシングを使用して、4,000平方マイルの調査エリアからデータを取得しました。色分けされた各体積は抵抗率に基づく8カテゴリを表しています。黄色~赤は高い抵抗値(砂と砂利)、青~緑は低い抵抗値(粘土とシルト)、茶色は岩盤を表します。
Seequentについて
Bentleyの子会社Seequentは、地球化学の理解と設計ソリューションの立案に役立つ強力な地球化学解析、モデリング、コラボレーション技術を開発する、世界的リーダー企業です。Seequentのソリューションは、ユーザーが複雑なデータを分析し、リスクを管理して、最終的に地球、環境、エネルギー面での課題に関するより適切な意思決定を行うことを可能にします。
Seequentのソフトウェアは、道路および鉄道トンネルの建設、地下水の検出と管理、地熱探査、海底インフラのマッピング、資源評価、使用済み核燃料の地下貯蔵など、世界中の大規模プロジェクトに利用されています。
Seequentの拠点はクライストチャーチの本社と、クライストチャーチおよびカナダにある研究開発センターを中心として全世界に広がっており、アジア太平洋、アフリカ、南米、北米、ヨーロッパに及ぶオフィスのネットワークを通じて、100か国以上で最先端の地下ソリューションを提供しています。詳細については、www.seequent.comをご覧いただくか、LinkedInまたはTwitterでSeequentをフォローしてください。
ベントレー・システムズについて
Bentley Systems(ナスダック:BSY)は、インフラストラクチャエンジニアリングソフトウェア会社です。私たちは、世界経済と環境の両方を維持して、世界のインフラを前進させる革新的なソフトウェアを提供しています。当社の業界をリードするソフトウェアソリューションは、道路や橋、鉄道およびトランジット、上下水道、公共事業および公益事業、建物およびキャンパス、産業施設の設計、建設、運用、あらゆる規模の専門家および組織によって使用されています。当社の製品には、モデリングとシミュレーションのためのMicroStationベースのアプリケーション、プロジェクトデリバリ用のProjectWise 、資産およびネットワークパフォーマンスのための AssetWise 、インフラストラクチャのデジタルツイン向けの iTwin プラットフォームです。Bentley Systemsは4,000人以上の社員を雇用し、172カ国で8億ドル以上の年間収益を生み出しています。www.bentley.com/ja
© 2021 Bentley Systems, Incorporated.Bentley、Bentleyのロゴ、AGS Workbench、AssetWise、iTwin、Leapfrog、MicroStation、ProjectWise、Res2DInv、Res3DInv、Seequent、SPIAは、Bentley Systems, Incorporated、またはその直接または間接の完全所有子会社のいずれかの登録商標、未登録商標、または商標です。その他すべてのブランドおよび製品名は、それぞれの所有者の商標です。
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