- 同種異系脂肪組織由来幹細胞の懸濁液Darvadstrocelを当社における国内初の再生医療等製品として申請
- 承認されれば既存治療薬や生物学的製剤による治療で効果不十分なクローン病に伴う肛門周囲複雑瘻孔を有する患者さんへ、細胞治療という新たな治療オプションを提供
当社は、このたび--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- Darvadstrocel(開発コード:Cx601)について、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔治療製品として、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。
今回の申請は、国内で実施されたDarvadstrocel-3002試験および、欧州およびイスラエルで実施されたADMIRE-CD試験の結果に基づくものです。Darvadstrocel-3002試験は日本人の非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者さん22名を対象にDarvadstrocelの有効性と安全性を検討した臨床第3相、多施設共同、非盲検非対照試験です。ADMIRE-CD 試験は、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者さん212名を対象にDarvadstrocelの有効性と安全性を検討した臨床第3相、無作為化二重盲検比較試験です。Darvadstrocel-3002試験の結果は、学会で今後公表される予定です。
当社の日本開発センター所長である廣田直美は、「クローン病に伴う肛門周囲複雑瘻孔は、患者さんにとって多大な負担となり、Quality of Life (QOL)を著しく低下させる深刻な合併症です。本品の開発にあたってご協力いただいた患者さん、医療関係者の方々に深く感謝いたしますとともに、クローン病に伴う肛門周囲複雑瘻孔を有する日本の成人患者さんにこの新たな細胞治療という治療オプションをお届けするための第一歩を踏み出せたことを誇りに思います」と述べています。
なおDarvadstrocelは、予定される効能、効果又は性能をクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔として、2019年3月13日付けで厚生労働省より希少疾病用再生医療等製品に指定されています。欧州では、2018年5月に非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔の治療製品として承認を取得しています。
<クローン病に伴う肛門周囲複雑瘻孔について>
クローン病は消化管の慢性炎症性疾患で、国内での疫学的な推定患者数は7万人といわれています1。クローン病の患者さんは肛門周囲複雑瘻孔を発症することが多く、これにより強い痛みや膿瘍感染症、便失禁等を引き起こすことがあります。利用可能な薬物療法や外科的手処置の進歩にもかかわらず、現在もなお治療困難な疾患であり、患者さんのQOLに深刻な影響を及ぼしています。
<Darvadstrocelについて>
Darvadstrocelは健康成人の脂肪組織から抽出した、同種異系の増殖させた脂肪組織由来幹細胞(eASC)の懸濁液で、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔の治療製品です。2009年に欧州委員会(EC)で、2017年にFDAより希少疾病用薬の指定を受けています。また、2018年5月に非活動期/軽度活動期の成人のクローン病患者において、既存治療薬または生物学的製剤による治療を少なくとも1回以上実施したにもかかわらず効果不十分な肛門周囲複雑瘻孔への治療製品としてECより承認を取得しました。なお、Darvadstrocelの投与前には瘻孔の処置が必要です。Darvadstrocelは2019年に米国でFDAより、クローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔治療製品として再生医療先端治療(RMAT)指定制度の指定を受けました。
<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患・血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
<武田薬品の消化器系疾患領域における取り組みについて>
消化器系疾患や肝疾患は、日々の生活に支障をきたすだけでなく、患者さんの生活の質にも大きな影響を与えます。そのため効果的な治療選択肢をお届けすることに加え、患者さんのニーズを理解することが、患者さんの生活の質を改善する上で不可欠だと考えています。武田薬品は30年近くにわたり、炎症性腸疾患、酸関連疾患、短腸症候群、消化管運動障害について、消化器系疾患の患者さんのニーズに貢献してきました。また、セリアック病、好酸球性食道炎、α1アンチトリプシン関連肝疾患、クローン病、急性膵炎など、これまでとは異なる疾患領域におけるアンメット・メディカル・ニーズを解消すべく、さらなる取り組みを進めています。研究者や患者団体をはじめとするパートナーとともに、武田薬品は消化器系疾患領域における科学的研究と臨床医学の発展に貢献してまいります。
<注意事項>
本ニュースリリースに記載されている医薬品情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。
1 | Murakami, Yoshitaka et al. “Estimated prevalence of ulcerative colitis and Crohn's disease in Japan in 2014: an analysis of a nationwide survey.” Journal of gastroenterology vol. 54,12 (2019): 1070-1077. |
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会社名 武田薬品工業株式会社
代表者 代表取締役/社長 CEO クリストフ・ウェバー
(コード番号 4502 東証第1部)
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