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世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index)2020



東京は3位を維持するも、経済競争力に課題

「環境」と「交通・アクセス」は順位が上昇

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵)が2008年より調査・発表している、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」の2020年版の結果がまとまりました。GPCIは、世界の主要48都市を対象に、都市の力を総合的に評価した世界初・日本発のランキングです。調査結果から明らかになった、世界の主要都市の強みと弱みをご報告いたします。




勢いが陰らない首位ロンドン、追従する2位ニューヨークに、スコアで引き離される3位の東京、

下落傾向にある4位パリ、上昇傾向に転じた5位シンガポール

総合ランキングは、昨年と変わらず1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、4位パリ、5位シンガポールとなった。首位ロンドンはEU離脱国民投票後に一時伸び悩んだが、再び勢いを取り戻している。2位のニューヨークはロンドンに追従しており、一方、3位東京は、ロンドンとニューヨークにさらに引き離される結果となった。4位パリは昨年に復調したものの、再び下落傾向にあり、5位シンガポールに追い上げられている。


【ロンドン】9年連続で総合力1位を維持し、さらに2位との差を広げた。特に、「文化・交流」は卓越した強みであり、全16指標中13指標でトップ5入りをしている。EU離脱による経済への影響やパンデミックによる観光業への打撃に対する政治的対応が今後の成長の鍵を握る。


【ニューヨーク】「経済」「研究・開発」は安定した強さを見せ、「経済」は4年連続で1位、「研究・開発」は12年連続で1位である。一方、「居住」が弱みであり、特に「働き方の柔軟性」の低落により、昨年の31位から33位に順位を落とした。社会的な分断が問題視される中、今後は新大統領の政権運営によって都市の居住環境がどのように変わるかが注目される。


【東京総合スコアは1位2位にさらに引き離される結果となった。 「経済」は4位を維持するも5位シンガポールに追い上げられており、スコア差はわずか1.2ポイント。特に「優秀な人材確保の容易性」でスコアを落としている。 「環境」は「都市空間の清潔さ」で、 「交通・アクセス」は「国際貨物流通規模」でのスコア上昇を理由に順位を上げている。パンデミックにより失われた人の交流や動きをどこまで戻すことができるのかが鍵となる。


【パリ】法人税率の引き下げ等を理由に「経済」は昨年の21位から17位まで上昇した。一方、「居住」「交通・アクセス」では首位から陥落し、総合スコアも下降傾向にある。


【シンガポール】「文化・交流」以外の全分野で順位を上げ、「経済」は昨年の6位から5位に上昇した。香港の政情不安を受けて、アジアの金融ハブとして、どこまで存在感を高められるかが課題だ。


“世界一の都市”を目指す東京の課題


東京の分野別ランキングの結果 ― 昨年からの変化

「環境」
では新規指標である「1人あたりCO2排出量の少なさ」と、「都市空間の清潔さ」での高スコアにより、昨年の23位から18位へ順位を上げた。「交通・アクセス」では、出典を変更した「国際貨物流通規模」でスコアを伸ばし、また、「国内・国際線旅客数」も高スコアを維持し続け、順位を1つ上げた。「居住」はスコア差が僅差であり、かつ東京は「働き方の柔軟性」でスコアを下げて順位を1つ落とした。「経済」「研究・開発」「文化・交流」の順位は昨年と同様であった。


ロンドン・ニューヨークに対する東京のスコアの変遷

オリンピック・パラリンピック開催決定から東京はどのように変化してきたのか?GPCI-2012、GPCI-2016と今年の結果を比較してみると、東京は過去8年間で「文化・交流」「交通・アクセス」でスコアを伸ばし続けてきたことがわかる。一方、かつては1位だった「経済」がGPCI-2020ではトップ3都市の中で最下位となっている。総合スコア1位のロンドンは、「文化・交流」で突出した強みを維持しつつも、「経済」「研究・開発」「居住」の3分野でもスコアを伸ばしている。ニューヨークは「経済」「交通・アクセス」でややスコアを伸ばしたが、弱みである「居住」「環境」に大きな変化はない。


ポストコロナ時代の都市の競争力


人々の生活変容とGPCIの新たな視点

GPCIでは、新型コロナウイルス感染症による人々の生活変容について、ロンドン、ニューヨーク、東京、パリ、シンガポールの居住者約1,000名にアンケート調査を行い、その結果をもとに今後の都市の競争力と、GPCIに必要な新たな視点について検討した。(アンケート実施期間:2020年10月~11月)


















Q1:


 


各都市の居住者のライフスタイルにどの程度影響を与えたか?



Q2:


 


新型コロナウイルス流行後の働く場所の希望。



Q3:


 


ワークスタイルやライフスタイルの変化に伴い、今後居住地を移動する可能性があるか?居住地を変える場合、どの地域に移動するか?



Q1では、約7割が「ライフスタイルに一定の影響を受けた」と回答した。Q2では、全都市で自宅・オフィス勤務がそれぞれ4割程度を占め、オフィス張り付き型の勤務形態から、多様な場所・時間でのテレワークの定着が加速していると考えられる。Q3では、全都市で約20%(東京)~40%(ニューヨーク)が居住地を移動する可能性を示し、その移動先は、東京では“郊外部”がトップで、ニューヨークやシンガポールでは、“都心部”がトップであった。


これらの結果から、ポストコロナ時代には働き方や住まう場所の自由度が増すことで、世界中の人がより魅力的な都市に移り住みながら、オンラインを通じて、世界中の企業または個人がビジネス取引や多様な活動をする機会がますます増える可能性が見えてくる。このことを踏まえると、GPCIにおいてポストコロナ時代の都市の競争力を考えるうえで、次のような新しい視点があると考えられる。


【多様な働き方への対応力】

「ワークプレイス充実度」において、コワーキングスペースは数だけではなく、居住地への近接性(利用度合いと満足度)や既存のオフィスとのネットワークなどから、その立地性がより重要になる。


【デジタル化によるビジネス環境の変化】

ペーパレス化、E-payment、仮想通貨の普及がビジネス環境の評価に与える変化を考慮し、デジタル化の視点がより一層重要になる。


【新たな社会的リスクを考慮した安全・安心】

現状の GPCI では、「居住」の安全・安心の指標グループにおいて、「殺人件数の少なさ」と「自然災害の経済的リスクの少なさ」の2つリスクを取り入れているが、「感染症への対応力」「テロ災害への対策度」などの新たな社会的リスクへの対応力・強靭性・回復力(都市のレジリエント力)を評価対象とすることが出来るか。


【「ICT 環境の充実度」の重みづけ】

現状は「居住」の生活利便性を計るための1指標に過ぎないが、ICT 活用の種類は多岐にわたり、その重要性は高まっており、より幅広い分野に組み込めるか。例えば、「研究・開発」おけるオンライン授業の普及度や、「交通・アクセス」におけるMaaS の活用度合いなどがあげられる。


【SNS 活用による情報発信力】

SNS や動画配信サービスなどで、どれだけ都市の魅力を発信できるかが、「文化・交流」における発信力を図る上で重要な要素となる。


「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)とは


国際的な都市間競争において、人や企業を惹きつける“磁力”は、その都市が有する総合的な力によって生み出されるという考えに基づき世界の主要48都市を評価し、順位付けした世界初で日本発のランキングです。森記念財団都市戦略研究所は、2008年に初めてGPCIを発表して以来、都市を取り巻く状況の変化に対応するため、毎年新たな調査をもとに、   ランキングを更新してきました。現在では、代表的な都市評価指標のひとつとして、さまざまな場所で政策・ビジネス戦略の参考資料として用いられています。この調査結果により、世界の諸都市が持つ魅力や課題を再認識いただき、都市政策や企業戦略の立案に役立てていただきたいと考えております。


Contacts


本件に関するお問合せ
一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所

担当:神保、浜田

TEL: 03-5771-9545

FAX: 03-3578-7051

Email: iusall@mori-m-foundation.or.jp
WEB: http://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/

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