cGMP施設により、武田薬品の細胞療法におけるリーダーとしての能力を高め、世界的臨床試験のための革新的な細胞医薬品を供給する能力を増強
がん領域における細胞療法の共同プログラム5件で2021会計年度末までに臨床開発段階に入る見込み
大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(武田薬品)は本日、細胞医薬品の製造能力を拡大するため、マサチューセッツ州ボストンの研究開発拠点内に2万4000平方フィートの研究開発用の細胞医薬品製造施設を新設したと発表しました。施設はエンドツーエンドの研究開発能力を提供し、当初はがん領域に重点を置き、その他の治療領域へと拡大する可能性を探りながら、当社による次世代細胞医薬品の開発活動を加速することになります。
武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリス・アーレント博士は、次のように述べています。「当社は世界で最高位の科学者やイノベーターと連携して大きく差別化したがん免疫療法パイプラインを構築し、治癒潜在力のある新しい創薬手法や作用機序の開発・発見において飛躍しています。3件のがん細胞療法プログラムが臨床段階にあり、さらに2件が2021会計年度中に臨床段階に入る予定で、当社は患者さんのために切迫感と目的をもって仕事をしています。この新施設は、当社が製造能力を速やかに拡大することに貢献するものであり、大きく差別化した複数の細胞療法プログラムを同時に前進させることができます。」
がん領域の細胞療法は免疫療法の一種で、遺伝子操作された免疫細胞を使用してがん細胞を発見し死滅させるものです。細胞医薬品は生きた細胞を操作するため、清浄度、一貫性、汚染防止を保つため高度に制御された環境で製造する必要があります。がん領域の細胞療法プラットフォームにはそれぞれ、調製、製造、輸送、そして最終的に患者に投与する方法につき、プロセス独自の要件があります。次世代細胞治療薬は、武田薬品が免疫系のリダイレクトに重点を置いた活動の一環として、がん領域で研究を進めている複数の治験プラットフォームの1つです。武田薬品の多様ながん免疫療法プログラムのパイプラインは先天性免疫を利用したもので、革新的な細胞療法、免疫関与プラットフォーム、先天性免疫の調節、新たな基盤となる免疫チェックポイントプラットフォーム、腫瘍溶解性ウイルスを通じたものが含まれます。
細胞療法の研究開発を速やかに前進させる専用施設
このたび開設された研究開発用の細胞医薬品製造施設は、創薬からピボタル第2 b相臨床試験までの臨床評価のための細胞医薬品を製造します。現行医薬品適正製造基準(cGMP)に準拠した本施設は、細胞医薬品の製造に関し米国、EU、日本の規制当局が定めた要件をすべて満たし、武田薬品が世界各国で実施する臨床試験を支援できるように設計されています。新施設は、武田薬品の細胞医薬品が持つ可能性と生産能力を増強し、がん領域における複数の次世代細胞療法のプラットフォームおよびプログラムを前進させる上で役立つものとなります。こうした活動は、ノーベル賞受賞者である京都大学の山中伸弥博士(M.D.、Ph.D.)(人工多能性幹細胞)、ガンマ・デルタ・セラピューティクスのエイドリアン・ヘイデイ博士(Ph.D.)(ガンマ・デルタT細胞)、ノイルイミューン・バイオテックの玉田耕治博士(M.D.、Ph.D.)(武装化CAR-T)、メモリアルスローンケタリングがんセンターのミシェル・サデラン博士(M.D.、Ph.D.)(次世代CAR)、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのケーティー・レズバニ博士(M.D.、Ph.D.)(CAR-NK)を含む世界クラスの方々と連携して行なっています。
武田薬品とMDアンダーソンは、ベストインクラスの他家細胞療法製品候補(TAK-007)を開発中です。本剤は、第1/2相試験の段階にあるCD19標的キメラ抗原受容体導入ナチュラルキラー(CAR-NK)細胞医薬品で、既製品としての使用の可能性につき、再発/難治性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者および慢性リンパ性白血病(CLL)患者での試験が行われています。また最近、武田薬品の細胞療法プログラムの第1相試験をさらに2つ開始しました。これらは再発/難治性B細胞がんの治療薬としてメモリアルスローンケタリングがんセンター(MSK)と共同開発中の次世代CAR Tシグナル伝達ドメインである19(T2)28z1xx CAR T細胞(TAK-940)と、治療歴があるGPC3発現固形がんの治療薬としてノイルイミューン・バイオテックと共同開発中のサイトカインとケモカインで武装化されたCAR-T(TAK-102)です。MSKと武田薬品のライセンス契約に基づき、サデラン博士とMSKは本リリースの内容に関する知的財産権および関連する権利を保有しています。
武田薬品細胞療法トランスレーショナルエンジンの力を活用
次世代細胞療法の開発と提供では、研究開発と商業生産との間の積極的で密接な連携が非常に重要です。武田薬品の細胞療法トランスレーショナルエンジン(CTTE)により、臨床における橋渡し科学、製品設計、開発、製造が、研究開発および商業化の各段階を通じて結び付きます。CTTEによってバイオエンジニアリング、CMC(化学・製造・品質管理)、データ管理、分析、臨床、橋渡し科学の能力を一カ所に集中し、細胞療法の開発で直面する製造上の課題の多くを克服します。
武田薬品の細胞療法部門でファーマシューティカルサイエンス&トランスレーショナルエンジン担当ヘッドを務めるStefan Wildt博士は、次のように述べています。「当社細胞療法チームの緊密な関係や体制のおかげで、CAR NK、武装化CAR-T、ガンマ・デルタT細胞など、次世代細胞療法の多様なポートフォリオで当社が得た知識を速やかに応用することができます。製造および臨床開発で得られた洞察情報は、当社の世界規模の研究、製造、品質の各チーム間で速やかに共有できます。この能力は変革をもたらし得る治療薬をできる限り早く患者さんに届けるための当社の取り組みにとって非常に重要です。」
武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.comをご覧ください。
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