東京--(BUSINESS WIRE)--在香港の投資会社リム・アドバイザーズ・リミテッド(「リム・アドバイザーズ」)は、我々が助言又は管理している、株式会社ニチイ学館(「ニチイ学館」)の株主であるファンドを代理しています。7月31日、株式会社 BCJ-44(以下「公開買付者」)によるニチイ学館の全株式に対する公開買付価格が 1 株当たり 1,670 円に引き上げられたことが発表されました。買付条件を改善したとはいえ、本公開買付けにおける買付価格は、1株当たり約2,400円の公正価値を大幅に下回る水準にある――とリム・アドバイザーズは考えています。このため、リム・アドバイザーズは保有するニチイ学館株式をTOBに応募しません。
リム・アドバイザーズは、エフィッシモ・キャピタル・マネジメント(「エフィッシモ」)が公開買付けに応じる見返りに特別な取引条件を与えられていることに驚いています。公開買付者は、エフィッシモとの間で、非上場化後のニチイ学館への再投資を目的とした契約を別途締結することにより、一部の投資家に対して、他の投資家とは異なる取引条件を提供することになります。公開買付者が他の少数株主に対しても同様の投資機会を提供していない理由は不明です。しかし、明らかなのは、非上場化後のニチイ学館への再投資を選択することで、エフィッシモは、ニチイ学館の長期的な価値が修正公開買付価格を大幅に上回っているというリム・アドバイザーズの評価に同意しているように見えることです。経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「ガイドライン」)では、M&A 取引を実行しなければ実現できない価値のうち、適切相当なる価値部分を一般株主(少数株主及び非支配株主)と共有すべきであることを明示していますが、今回の取引では、特定の大口投資家のみがその価値を共有することができています。リム・アドバイザーズは、ニチイ学館の取締役会(以下「取締役会」)が少数株主間の不平等な扱いを支持していることに懸念を覚えます。
このため、ガイドラインで推奨されている公開買付けにおけるマジョリティ・オブ・マイノリティ(少数株主の過半数)が設定されていないことは、一層の懸念材料として浮き彫りになっています。今回の修正により、少数株主の(過半数から大幅に低い)たった 23%ほどが応募することが公開買付者の最低ラインとなったことを意味しています。
取締役会のコーポレート・ガバナンス、取締役会が私たちのような少数株主と公で関わる意思がないこと、取締役会が積極的なマーケット・チェックやその他の方法でより高い買付価格を確保できなかったことに、リム・アドバイザーズは非常に失望しています。また、取締役はこれまでリム・アドバイザーズが取締役会への書簡で指摘した点や上記の状況を考慮することなく、株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨することを継続して決定したことをリム・アドバイザーズは遺憾に思います。ニチイ学館の株主の皆様をはじめ、アベノミクスを推進し、世界的な金融センターとしての日本の再生に取り組んでいる政府関係者の関心事になったのにもかかわらず、2020年7月22日付けのリム・アドバイザーズによる取締役会への書簡に関する回答をニチイ学館は一切公開していません。他の株主に特異な取引条件を与えるなどの今回の展開を考えると、リム・アドバイザーズの問題提起はさらに的を射たものになります。
また、リム・アドバイザーズはCOVID-19がニチイ学館の財務業績に与える影響は短期的なものである可能性が高く、ニチイ学館の長期的な価値を低下させることはないと考えています。ニチイ学館は主要な市場において高いシェアを有しておりますし、日本の人口動態の変化が継続していることを背景に、長期にわたって堅調な見通しができるとリム・アドバイザーズは考えています。
リム・アドバイザーズは、修正された公開買付に応募しない予定であり、修正された公開買付は却下されるべきであると考えています。他の株主の皆様におかれましては、ご自身の考えを取締役会に示して頂ければ幸いである――とリム・アドバイザーズは考えております。
リム・アドバイザーズ(https://www.limadvisors.com/)は1995年設立。20年以上も前から日本に投資しております。リリースも英語版を公表しておりますが、日本語版は英語版を一字一句翻訳したものではございません。引用される場合は、英語版が優先しますので、当社ウエブサイトを必ずご参照ください。
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