~ 多値NAND型フラッシュメモリの微細化を実現した干渉抑制技術を開発 ~
東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝は、第63回(平成28年度)大河内記念賞を受賞しました。今回の受賞は、NAND型フラッシュメモリにおいて、プロセスの微細化に伴い増大するメモリセル間の干渉を抑制する技術の開発が評価されたものです。贈賞式は3月24日に行われる予定です。
大河内賞は、財団法人大河内記念会が生産工学や生産技術分野の研究において、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した業績を表彰する権威ある賞です。「大河内記念賞」は、大河内賞の中でも最も上位に位置づけられています。
今回受賞したのは、NAND型フラッシュメモリのメモリセル間の干渉を抑制する技術です。NAND型フラッシュメモリは、微細化と1つのメモリセルに複数ビットを記憶する多値化によって、価格を抑えながら容量を大きくすることができます。微細化によって、メモリセルの間隔が狭まると、メモリセルが干渉し合う隣接効果注1が増大します。本技術は、MLC(2bit/Cell)品において1つのセルに2ビットのデータを記憶する際、まず1ビットのデータを書き込み、つぎに隣接するセルにデータを書き込み、さらに改めて残りの1ビットのデータを書き込むことで、隣接効果を低減させ、データ保持の信頼性を向上させます。また、書き込み単位毎に用意したフラグセル注2により、従来製品との互換性を維持することができます。TLC(3bit/Cell)品でも、1つのセルに3ビットを書き込む3ステップ書き込み方式に進化させ、高速に精度良くメモリセル内の電子の数を制御し、隣接効果の影響をほぼ完全に抑えることに成功しました。
本技術により、チップ面積が縮小することで、材料の消費を抑制して環境負荷を低減します。また、生産性が向上し、安価で大容量のNAND型フラッシュメモリの量産が可能となりました。この結果、NAND型フラッシュメモリの応用製品の市場が広がり、快適な情報化社会の発展に大きく貢献しています。
当社は今後とも、フラッシュメモリに関する技術開発を続け、産業の発展に貢献していきます。
| 隣接効果:隣接するメモリセルの書き込みにより、メモリセル内の見かけ上の電子の数(閾値)が変動して、誤データとなる現象のこと | |
| フラグセル:MLC(2bit/Cell)品において、残りのビットのデータが書き込み済みか否かを識別するためのデータを記録したメモリセル |
|
多値NAND型フラッシュメモリ微細化を実現した干渉抑制技術 |
| ||
ストレージ&デバイスソリューション社 メモリ事業部 | 主幹 柴田 昇 | |
ストレージ&デバイスソリューション社 メモリ事業部 | 主務 藤生 政樹 | |
ストレージ&デバイスソリューション社 半導体研究開発センター | 主幹 助川 博 |
Contacts
本資料に関するお問い合わせ先:
株式会社東芝 ストレージ&デバイスソリューション社 企画部 広報・IR担当
田中 耕一/山路
航太
Tel: 03-3457-3576
E-mail: semicon-NR-mailbox@ml.toshiba.co.jp