マウス患部写真
ロイコ菌のEPS(粉末)
グラフ1:乾癬症状スコア
グラフ2:IL-17の産生量
また、本研究結果を、2016年3月27日(日)~30日(水)で実施された「日本農芸化学会2016年度大会」にて発表しました。
■乾癬の症状を緩和させるロイコ菌の菌体外多糖
近年、乳酸菌には整腸作用や免疫力を高める作用など様々な健康効果が報告されており、多くの関心が寄せられています。また、乳酸菌が産生する物質についても注目が集まっています。
日東薬品が保有するロイコ菌は、エンドウマメから単離した乳酸菌で、独特のネバネバ物質「EPS」を多く作り出す特徴があります。日東薬品は、石川県立大学生物資源工学研究所 山本 憲二教授、広島大学との共同研究を通し、ロイコ菌のEPSに免疫力を高める効果があり、EPSを患部に塗ることで、免疫機能の異常によって炎症が引き起こされる皮ふ疾患「乾癬(かんせん)」の症状が緩和されることを既に明らかにしています( https://www.atpress.ne.jp/news/59557 )。この度、ロイコ菌のEPSを経口摂取した場合でも同様の効果があることを確認しました。ロイコ菌のEPSが体の内側・外側の両方から乾癬にアプローチし、症状の改善に役立つ可能性があると考えられます。
■実験結果
マウスにロイコ菌のEPSを経口摂取させた結果、以下の効果があることを確認しました。
(1)マウス皮ふの乾癬症状スコア[※1]の悪化を緩和
グラフ1:マウス皮ふの乾癬症状スコア
https://www.atpress.ne.jp/releases/96182/img_96182_3.jpg
(2)マウス脾細胞での炎症性サイトカイン(IL-17)[※2]の抑制
グラフ2:マウス脾細胞でのIL-17の産生量
https://www.atpress.ne.jp/releases/96182/img_96182_4.jpg
以上の結果から、ロイコ菌のEPSに、乾癬の症状を緩和させる効果があることが示唆されます。
日東薬品は引き続き、ロイコ菌のEPSが持つ効果の研究に取り組むとともに、EPSの健康機能を活かした機能性食品などの実用化を目指します。
■乾癬とは
慢性の皮ふ疾患のひとつ。乾癬にかかると、皮ふが赤く腫れ、盛り上がり、その表面に銀白色のかさぶたが厚く付着して、それがフケのようにぼろぼろとはがれ落ちるという症状が見られます。免疫機能が異常状態となることにより、自分自身の身体に炎症を引き起こしてしまう「自己免疫疾患」であることが近年の研究で明らかになりました。日本国内の患者数は10万人(1,000人に1人)程度と推定されます。
■注釈
[※1]乾癬症状スコア
乾癬に感染させたマウスの症状を観察し、悪化の度合いを数値で示したもの。皮ふの紅斑、肥厚度、症状範囲から数値化しています。症状が悪化すると、スコアが高くなります。
[※2]炎症性サイトカイン(IL-17)
炎症を促進する方向に誘導する分子(サイトカイン)のこと。
■会社概要
名称 : 日東薬品工業株式会社
所在地 : 京都府向日市上植野町南開35-3
代表者 : 代表取締役社長 北尾 哲郎
事業内容: 医薬品の研究開発、製造販売、機能性食品の研究開発
URL : http://www.nitto-pharma.co.jp/