スターカラオケ渋谷店外観
スターカラオケ渋谷店のテープカットに参加した主なメンバー:スターカラオケ創業者・翁培民氏、印力集団董事長・丁力業氏、全聯不動産聯合会会長・王永平氏、贏商股イ分総裁・周艶斌氏、龍柏基金董事長・蒋躍敏氏、本誌編集長・蒋豊、日本中華總商会常務理事/ACEHIGH創業者兼CEO・佐々木健一氏
スターカラオケ渋谷店のテープカットに参加した主なメンバー:スターカラオケ創業者・翁培民氏、印力集団董事長・丁力業氏、全聯不動産聯合会会長・王永平氏、贏商股イ分総裁・周艶斌氏、龍柏基金董事長・蒋躍敏氏、本誌編集長・蒋豊、日本中華總商会常務理事/ACEHIGH創業者兼CEO・佐々木健一氏
スターカラオケ渋谷店 カラオケボックス
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/442971/LL_img_442971_1.jpg
スターカラオケ渋谷店外観
■星の光が照らす新たな時代の始まり
東京の夏の夜、渋谷のネオンが流れる星のようにスクランブル交差点を照らしていた。2025年6月29日、中国の大手カラオケチェーン「スターカラオケ」の金色の看板が渋谷中央街西口に点灯した瞬間、「アジアのトレンドの聖地」であるこの街は、1972年に日本初のカラオケ店が誕生して以来の大きな衝撃に包まれた。「エンタメ界の黒船」と称されるイノベーターで、スターカラオケ創業者の翁培民は、巨大なLEDスクリーンの前で、ガラスカーテンウォールに流れる「楽しさに時差はない」というキャッチコピーを見つめていた。彼の姿と東京タワーの光とが重なり、時空を超えて二つの世界が交わったようだった。
3年前、スターカラオケの調査チームが初めて東京の夜の街に足を踏み入れた時、そこには、まるで昭和の時代で時間が止まったかのようなカラオケ店の姿があった。古びて色あせた機器、ひじ掛けのすり減ったソファ、そして狭い個室で父親世代の娯楽を繰り返す若者たち。それは「失われた20年」を象徴するような光景だった。
そして今、スターカラオケの日本初の旗艦店・渋谷店の店内は、光と音の演出が空間を多次元の世界に変えていた。ディスコレーザーが飛び交ったかと思えば、次の瞬間、禅の茶室のような静寂な世界が広がる。モジュール式の壁はトランスフォーマーのように自在に動き、カラオケを超えた「エンタメ空間」を作り出していた。
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スターカラオケ渋谷店のテープカットに参加した主なメンバー:スターカラオケ創業者・翁培民氏、印力集団董事長・丁力業氏、全聯不動産聯合会会長・王永平氏、贏商股イ分総裁・周艶斌氏、龍柏基金董事長・蒋躍敏氏、本誌編集長・蒋豊、日本中華總商会常務理事/ACEHIGH創業者兼CEO・佐々木健一氏
■エンタメの進化
「私たちは日本でカラオケ店をやりたいわけではありません」。翁培民は、机を軽く叩きながら言った。「東洋の音楽で、世界中に友達を作りたいのです」。
プレオープンのデータは精密な遺伝子地図のようであった。感情認識システムは237もの表情を読み取り、AIによるプレイリストは92%の精度であった。日本の技術者たちを最も驚かせたのは、空間切り替えシステムだった。ディスコモードのレーザーグリッドがシームレスにシネマモードの星空に変わった瞬間、中国の「没入型体験」の概念を理解したのである。
さらに衝撃的だったのが、スターカラオケが仕掛けた「文化的スパイス」だ。毎月の中日テーマウィークでは、初音ミクの電子音と『孤勇者』のロックがひとつのサウンド・システムで共振し、漢服体験エリアでは、若者が漢服を着て『紅蓮華』を熱唱する。中国のマーダーミステリーゲームでは、日本の武士道と中国の武侠が交わる。それは文化の押しつけではなく、それぞれの文化を守りながら共に新しい芽を育む試みである。
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スターカラオケ渋谷店のテープカットに参加した主なメンバー:スターカラオケ創業者・翁培民氏、印力集団董事長・丁力業氏、全聯不動産聯合会会長・王永平氏、贏商股イ分総裁・周艶斌氏、龍柏基金董事長・蒋躍敏氏、本誌編集長・蒋豊、日本中華總商会常務理事/ACEHIGH創業者兼CEO・佐々木健一氏
■Z世代のニーズを満たす
プレオープンでは65%のリピート率を実現した。その背景には、緻密かつ正確なモデル設計があった。市場のメインターゲットはミレニアム世代の若者である。情報があふれるインターネット時代を生きる彼らは、生来、人との関わりを求めている。エンターテインメントエコシステムを構築し、人びとにやすらぎを与え、社交の場を開放することが求められている。
「昭和のカラオケは若者が孤独から逃避する場でしたが、令和の時代は、社交から逃避する場になっています」。翁培民は窓越しに、コンビニの外でひとり食事をする若者に目をやりながらつぶやいた。「私たちはここを、孤独を打ち破るための実験室にしたいのです」。
都市間カラオケ対戦では、渋谷の若者と上海の青年がオンラインでつながる。中日双方のヒット曲をそろえた膨大なライブラリーが、どんなリクエストにも応える。スマートインタラクティブシステムがキーワードを捉え、アイスブレイクを提供する。緻密な社会学実験のようなエンターテインメントが、都市の孤独を癒す。
飲食にも工夫が光る。鶏のから揚げには桂花酒釀が添えられ、日本酒にはクコの実が浮かぶ。――「和魂漢才」のハーモニーは、日本文化の歩みそのものだ。翁培民は在日15年以上の華人を店長に抜擢した。「彼らは文化の架け橋であり、現地のサービスを細部まで知っています」と話す。
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スターカラオケ渋谷店 カラオケボックス
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スターカラオケ渋谷店 カラオケボックス
■イノベーションを支える東洋の知恵
「海外進出には、充分な準備が必要です」。「エンタメ界の黒船」と称される翁培民は、東洋の賢人の知恵に触れた。「破壊とは伝統を捨て去ることではなく、新しい形でよみがえらせることなのです」。彼はスマートフォンを例に、エンタメの進化について論じた。「モトローラはフィーチャーフォンへの執着によって滅びました。スターカラオケは、エンタメ界のiOSを目指しています。つまり、閉じた世界と開かれた世界の支点になるのです」。
その試みは随所に見られる。ブロックチェーン技術を活用した著作権管理によって、日本の演歌の楽曲も多く収められている。個室の壁には航空宇宙用の防音素材を採用。タッチスクリーンにはボタンの感触を残し、AR(拡張現実)でバーチャルアイドルと共演する。従来のカラオケ店のドリンクサービスも提供する。
■スターカラオケが描く新しい地図
「若者こそ、快楽を生み出す主体なのです」。マイク2本、モニター1つでスタートしたスターカラオケは、設立から14年をかけて、カラオケ、マーダーミステリー、ディスコ、カフェ、会議室を融合させた社交空間を創出し、中国130都市に900店舗を展開。会員数3,000万人を擁する若者のトップブランドとなった。
「人は常に快楽を求めています。真のグローバリゼーションとは、文化を押しつけることではなく、バラと桜が共に咲き薫る土壌を作ることです」。翁培民は、渋谷の交差点の人混みを見下ろしながら、300の海外店舗が星図のように煌めくグローバル戦略を展望した。タイ、オーストラリア、ベトナム、シンガポール……肌の色が異なる人びとが同じ旋律に心を重ねる――「中国式集い」のDNAである。
■取材後記
インタビューを終えると、遠くにそびえ立つ東京タワーと華やかな渋谷の夜景が重なり、未来を描いた映画のワンシーンのようであった。スターカラオケのネオンが東京の夜空に輝く。それは単なるビジネスではなく、エンターテインメントによる文明の再構築だ。真の文化輸出とは、異なる文明を共生させ、輝かせることである。
そこにあるのは、同じ歌に高鳴る鼓動と、同じ幸せに咲く笑顔だけである。