ハムレットの女たち_チラシ表
ハムレットの女たち_チラシ裏
ハムレットの女たち_出演者
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/408255/LL_img_408255_1.jpg
ハムレットの女たち_チラシ表
《公演概要》
木村悠介 新作公演『ハムレットの女たち』
2024年10月4日(金)~6日(日) SCOOL(三鷹) 3日間4回公演
原作:ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』 作・演出:木村悠介
出演:オフィーリア/今井えにか ガートルード/柚木佑美 ハムレット/立浪歩佳
リサーチ・パートナー:ソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッド(Soti RPD)
制作:金井美希
主催:&Co.
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]
【日時】2024年10月4日(金)19:00 *
5日(土)13:00 ☆1/18:00 ☆2
6日(日)14:00 ☆3
* = 終演後、オープニング・レセプション[場内にてご歓談いただけます。簡単なドリンクやスナックをご用意します。持ち込みも歓迎いたします。ぜひご参加ください。]
☆ = 終演後、木村悠介とのゲストトーク
ゲスト:☆1 = ソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッド
☆2 = 山田せつこ(ダンサー/コレオグラファー)
☆3 = 今井えにか、柚木佑美、立浪歩佳
※受付開始・開場は開演の30分前
【会場】SCOOL(東京・三鷹)
東京都三鷹市下連雀 3-33-6 三京ユニオンビル 5F
[三鷹駅南口・中央通り直進3分、右手にある茶色いビル5階]
【料金】前売 一般 2,800円 学生&U30 2,300円
※当日500円増
※学生&U30は受付にて要証明書提示
※未就学児を含む中学生以下と要支援・介護者の付添人は無料・要事前連絡
【予約開始】2024年9月1日(日)12:00
【予約フォーム】 https://reserve.tolpa.jp/reserve/1834987
We provide the simple automatic English translation in every show by iOS/Android app UDTalk. Please install it on your device beforehand and note that the translation is not perfect and has delay.
iOS/Androidアプリ「UDトーク」を利用した簡易自動日本語/英訳字幕を全公演で提供いたします。お手持ちのデバイスに事前にインストールをお願いします。ただし字幕が完全でないこと、時差が生じることを予めご了承ください。
■『ハムレットの女たち』
ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』を原作に、木村自身の新訳、他の様々なテキストの引用と改作からなる新作として、現代のフェミニズムの視点を大胆に取り入れた『ハムレットの女たち』を上演します。木村はこれまでもサミュエル・ベケット『わたしじゃない』を自らの新訳で上演しており、その翻訳は装飾性を排したソリッドな言語感覚を持ち、木村のミニマリスティックでストイックな演出と相まって、優れた成果を上げています。様々なテキストの再構築や既存戯曲などによる作品制作を行ってきた木村が、今回、初めて自身の手で戯曲を執筆します。本作は、木村が2016年にベルリンから帰国し、ベケットからスタートした〈言葉〉への探求のひとつの集大成となるでしょう。
原作『ハムレット』からハムレットと、多くの登場人物の中でたった2人の女性であるオフィーリアとガートルードの3人のみを抜き出し、現代のフェミニズム視点から全く新しい〈ハムレット〉を浮かび上がらせます。出演には、今回が初舞台となる今井えにか(オフィーリア)、舞台と映像の両方で活躍する柚木佑美(ガートルード)、ストレートプレイを中心に活動する立浪歩佳(ハムレット)を、オープンコールを経て選出し、様々な個性をひとつの舞台に凝縮させます。
本公演は、男たちによって定型化されてきた『ハムレット』の女性登場人物たちを現代的な視点で読み替え、再配置し、木村自身のバイ・セクシャルとしての視線も含み込んだ上で、静謐と熱情が同時に行き交う『ハムレットの女たち』を打ち立てます。
■ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』とフェミニズム
シェイクスピア(1564-1616)の演劇は当時、全て男性が演じ、女性役も若い男性や少年が演じました。これはギリシア悲劇にまで遡る西洋演劇の伝統であり、当時の社会通念を反映したシェイクスピア劇の大前提です。女優の不在はシェイクスピアの劇作に当然影響を与えており、イングランドでの女優の誕生は1660年に始まるチャールズ2世のもとでの王政復古以降のことです。つまりシェイクスピアの生前に彼の劇中の女性を女性が演じたことは、少なくとも公然にはありません。そこに現れる「女たち」は、男が書いた言葉を、男が声に出し、男が思う女を、男の身体が演じたということになります。
もちろん観客席に女性はいましたが、はたして舞台上の男たちに記号化された「女たち」を、観客席の生身の「女たち」はどんな視線で観たでしょう。
これまでシェイクスピア作品へのフェミニズム的視点からの様々な研究や上演、翻案の試みを参照しつつ、本作は先鋭的に「女たち」を主題化し、〈ハムレット〉の新たな地平を切り拓きます。
■『ハムレットの女たち』にむけて ー木村悠介
母子家庭に育ち、父親という存在がピンと来ず、そもそも「家族」というものへの意識が希薄で、セクシャル・アイデンティティを問われたときに怠惰な理由で「バイです」と返答するわたし。わたしかあなたか、男か女か、生か死か、そんな二分法なんてハナから問題にならない。そうだ、シェイクスピア作品の中でも一番気に入らない『ハムレット』をジャックしてやろう。友人の「シェイクスピアとかやってみたら」という冗談のような提案があまりに意外すぎ、本気で考えてみた結果、こんな大それた計画を立ててしまった。
これまで何かしらのシンパシーを感じるテキストでないと取り組みたいと思わなかったが、今回はその全く逆だ。それが可能になるほど、〈ハムレット〉は私たちと無縁とは言い切れない西洋の巨塔なのだ。自分のシェイクスピアへの反感を逆手に取り、シェイクスピアを使って、シェイクスピアをひっくり返す。それは現代を生きる私、そしてあらゆる「女たち」を生きる者の日々にとって、価値あるものになるはずだ。
今、些細な点ではあるがこの文章を書きながら、それぞれ抽象性を表すために〈ハムレット〉と「女たち」という2種類の記号を使っている。〈ハムレット〉とは、シェイクスピアの『ハムレット』とその源流や派生物、そしてそこから想起される、ある人々が現に共有しているものの総体を示している。一方で「女たち」もまた、この語を構築したり、そこから想起されるものの総体ではあるが、その両者の決定的な違いは、「女たち」という言葉が呼称であることだ。そう他者から呼ばれることもあれば、敢えてこの語で自らを呼び表すこともあるだろう。「女たち」という呼称はこれまでも、そして残念ながらこれからも、その意図に応じて様々に用いられ、その佇まいを変える。
だからこそ、それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、この語はあらゆる人々が自らの中に見出すことができるかもしれない可能性を持っている。
『ハムレットの女たち』という作品名は、そのような複合的な絡み合いを前提にした新たな跳躍を目指している。あまりに大それた思惑過ぎて本当にそんなことできるのかと自分に問い掛けたくもなる。けれど、一度やると決めたらやってみないと気が済まないのがわたしの性分だから仕方ない。誰かの心に響くものになるか、無様なものになるか、それは問題ではあるが、どうでもいい。とにかく全力で地面を蹴るのだ。
■出演 -Cast
オフィーリア/今井えにか Ophelia/Enika Imai
何気なく映画を観るようになり、その中で自分の感情に寄り添ってくれる作品や演技に出会い、2023年から自らも俳優を志し活動を開始。2024年に自主制作webドラマ夏作品『ここから』で映像作品に初出演(近日公開予定)。今回が初の舞台出演となる。
俳優として、言葉にできない感情が伝えられる演技を目指している。
趣味はツーリングで、中型バイク「FTR223」に乗る元トリマー。
https://lit.link/e090b4c2-5561-441d-a7a9-48fa7277ea58
ガートルード/柚木佑美 -Gertrude/Hiromi Yuki
学生劇団・アマチュア演劇で活動し、大学卒業を前に21歳でNHKドラマにデビュー。その後はドラマ・舞台両方で活躍。代表作にドラマ:TV「NHK広島発特別ドラマ・帽子」、映画「パッチギ2 Love&Peace」、舞台:リーディング公演「アフタープレイ」など。
また自身プロデュースの活動も行い、任意団体「アクターズワークス」でマイズナーシステムの演技トレーナーとしても活動。他にNHK朝ドラの新人トレーニング、新国立劇場演技研究所常任講師など。
https://yukihiromi.blogspot.com/
ハムレット/立浪歩佳 -Hamlet/Ayuka Tatsunami
11歳の時に友人に誘われて市民ミュージカルに出演したことから、舞台に立つ面白さを知りミュージカル俳優を志す。高校卒業後、渡辺ミュージカル芸術学院にて歌やダンス、芝居を学ぶ毎日を過ごすなかで芝居への興味が強くなり、現在はストレートプレイの舞台を中心に活動中。出演作:BOOT vol.9「In the womb 2023~赤ちゃんといたい~」、流山児★ 事務所2023秋公演「瓦礫のオペラ★戦場のピクニック」など。
https://x.com/tatsunami_ayuka
https://www.instagram.com/tatsunami_ayuka/
*本作出演者は、出演者募集のオープンコールに応じた全126名の中から選出されました。
【日印対話】国際共同リサーチ『〈ハムレットの女たち〉のためのダイアローグ』
本公演を偶然知り、強い関心を持ったインドの俳優・演出家のソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッドからのメッセージを受け、ソチをリサーチ・パートナーに迎えた西洋の巨塔〈ハムレット〉に立ち向かう国際共同リサーチ『〈ハムレットの女たち〉のためのダイアローグ』を実施しています。オンラインでの対話を経てソチが来日し、本作の上演を共に迎えます。演劇に留まらず西洋文化に多少なりとも影響を受けていれば誰もが知る〈ハムレット〉へのリサーチに、英国の植民地であったインドからソチを迎えることは、決定的なインパクトをもたらします。
またこのリサーチ・プロジェクトの資金確保のため、急遽クラウド・ファンディングを実施いたします。詳細はこちらからご覧ください。皆様おひとりおひとりのお力添えを心よりお願い申し上げます。
https://camp-fire.jp/projects/779660
ソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッド - Soti Ramapati Dwivid / Soti RPD
俳優、演出家、教育者、演劇のためのアクティング/ムーブメント・ボイス/スピーチトレーナー。インドにて舞台芸術修士と文学修士を、インターカルチュラル・シアター・インスティテュート(シンガポール)でプロフェッショナル ディプロマを取得。インドのM.L.R Theatre Foundationの芸術監督、シンガポールのTheatre Incorporateの共同設立者/ディレクター。
以下の国際的に著名な指導者・演出家から指導を受ける。アールネ・ネメ(Aarne Neme)、T・サシタラン(T. Sasitharan)、フィリップ・ザリリ(Phillip Zarilli)、B・アナンタクリシュナン(Prof. B.Ananthakrishnan)、ラムゴパール・バジャージ(Prof. Ramgopal Bajaj)、モハン・マハリシ(Mohan Maharishi)、S・ラマヌジャム(Prof. S.Ramanujam)、アビラーシュ・ピライ(Abhilash Pillai)、マーク・ワインブラット(Marc Weinblatt)、リーラ・アラニズ(Leela Alaniz)、ギジェルモ・アンジェレッリ(Guillermo Angelelli)、アドリアーノ・バセヨ(Adriano Basejo)、ロビン・ペイン(Robin Payne)、バート・ヴァン・ダイク(Bert Van Dijk)、ヌシャド・モハメド・クンジュ(Noushad Mohamed Kunju)、サティヤブラタ・ルート(Satyabrata Rout)など。
多彩な役柄、教育法、ボディムーブメント、ヴォイスワークに優れ、多様な伝統芸能、リアリズム演技、精神身体表現、異文化間の舞台芸術に精通している。
https://sotirpd.com/
木村悠介 KIMURA Yusuke
演出家、パフォーマー、「&Co.」代表、「gallop」共同代表。
舞台芸術を中心に領域横断的に活動。扱う主題、メディア、表現形式の歴史や構造に着目し、<自他境界の撹乱>を通底するテーマに作品を発表。舞台芸術と映像芸術を京都造形芸術大学で学び、太田省吾、山田せつ子、高嶺格、伊藤高志の影響を強く受ける。その後、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)でメディア・アート、プログラミングを学び、2012年に渡独。ベルリン芸術大学 (UdK Berlin) 所属 Hochschulubergreifende Zentrum Tanz Berlin(HZT Berlin) 修士課程 Solo/Dance/Authorship (MA SODA)に日本人で初めて入学し、身体を表現のベースに据えたソロ・アーティストとしての教育を受ける。2016年に帰国し、日本での活動を再開。2021年からは長期プロジェクト「罵倒の作法」を展開。
またパフォーマンス・グループ「gallop」では他3名との特定のリーダーを持たない共同演出による作品制作を行う。自身の活動と平行して、Choy Ka Faiや荒木優光など他作家のクリエイションへの参加や現代美術を中心にインストーラーとしての活動も行う。
「罵倒の作法」03 司辻有香 新作公演『うぶごえ』(2023/東京)
個の奥底の叫びをえぐり取る司辻有香の新作を上演。
「罵倒の作法」02『日日よ、愛うすきそこひの闇よ』(2022/東京、京都)
ディアスポラの詩人・金時鐘の詩をテキストにした演劇作品。
サミュエル・ベケット『わたしじゃない』(2016、2019/京都、東京/写真:脇田友)
「箱なしカメラ・オブスキュラ」という独自の映像投影技術を用いた新演出。
『body-Sampling-body』(2011、2014/岐阜、デュッセルドルフ)
舞台上の身体と分裂・増殖する映像の中の身体が現実と虚構の境界を侵食し合うメディア・ダンス作品。
&Co.
舞台芸術を中心に領域横断的に活動してきた木村悠介が特定の個人名に集約されない多様な才能が行き交う場として2022年に設立。演劇、ダンス、現代美術、メディア・アートなど、様々な芸術領域を横断しつつ、芸術や社会、テクノロジーなどの歴史的文脈を見据え、現代社会やそこに生きる個人の内的な思考や感情、感覚を深く掘り下げ、鋭利な批評性や大胆なオルタナティヴの提示を先鋭的な芸術表現で成し遂げ、既存の価値観や倫理観や社会への問題提起や撹乱を行う。また作品制作・発表だけではなく、芸術と社会に関わる諸問題への具体的な課題解決のための取り組みなども実施予定。
木村が2021年に始動し&Co.が企画・制作を引き継いだ長期プロジェクト「罵倒の作法」では、ヘイトスピーチやヘイトクライム、ネット上に飛び交う罵詈雑言、世界的な思想や価値観の分断状況から生まれる攻撃的な言動などに対抗するパフォーマンス作品の上演を目指し、様々なリサーチやクリエイションを行っている。これまでに「罵倒の作法」00: サド『悪徳の栄え』を読む、01: スタートアップ・リサーチ「罵倒の作法 - 求められる怒りと憎しみの表現形式を巡って」、02: 〈ディアスポラの詩人〉金時鐘『日日よ、愛うすきそこひの闇よ』、03: 司辻有香 新作上演 『うぶごえ』を実施している。
&Co.
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