写真1:ナノ粒子ミスト噴霧機器
写真2:水処理カートリッジ
写真3:ナノ粒子可視化試験の様子
写真4:ナノ粒子による結露抑制の様子
これにより、居室におけるクラスター発生リスクの低減が期待されます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/408023/LL_img_408023_1.jpg
写真1:ナノ粒子ミスト噴霧機器
1. 開発の背景
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、接触感染対策として薬液散布やパーティションの設置、エアロゾル・空気感染対策として換気量の確保などが行われてきました。特に、消毒剤の空間噴霧は、最も効果的な感染症対策技術として注目されています。しかし、塩素を主成分とした消毒剤を空間に噴霧する場合、目や皮膚、呼吸器への曝露による健康への影響や、内装材への接触による錆発生やめっき材の劣化などのリスクが課題となっていました。
2. 空気質管理技術の特長
(1) ナノ粒子ミスト噴霧機器(注1)
本技術を構成するナノ粒子ミスト噴霧機器(商品名:純水ウルトラマイクロミスト加湿器 angstrom)には、以下の特長があります。
●水道水を注ぐだけで、純水を作り出すカートリッジを搭載
従来の塩素系消毒剤を使用した場合よりも純水を使用する方が人体や内装材への影響が少ないことに着目しました。製品内部には独自の水処理カートリッジが搭載されており、水道水を注ぐだけで純水が自動的に生成されます。純水の購入や別の装置で純水を作る必要はありません。また、水処理カートリッジの効果により、塩素が除去され、カルキの発生も防ぎます(写真2)。
●ブラウン運動により素早く広範囲に拡散
ナノ粒子はブラウン運動を起こすため、素早く広範囲に拡散します。約4分間で約430立法メートルの空間にミストを広げることが可能です(写真3)。
●ナノ粒子によるミスト噴霧により結露を抑制
これまでの検証により、内装材への結露が抑制されることが確認されています(写真4)。
(2) 独自のチャンバー試験装置開発に基づく空気質管理
有人環境でも安心して利用できる感染症対策技術を開発するために、JEMA(一般社団法人日本電機工業会)の基準に準拠し、浮遊ウイルス量の変化を評価することが可能な独自のチャンバー試験装置(写真5, 気積:13m3)を開発し、噴霧材料の選定やナノ粒子ミスト噴霧機器の配置、噴霧量の設定を可能にしました。過剰な噴霧を行うことなく、ナノ粒子ミストを居室全体に均等に拡散させ、クラスター発生リスクを効果的に低減します。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/408023/LL_img_408023_2.jpg
写真2:水処理カートリッジ
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/408023/LL_img_408023_3.jpg
写真3:ナノ粒子可視化試験の様子
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/408023/LL_img_408023_4.jpg
写真4:ナノ粒子による結露抑制の様子
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写真5:チャンバー試験装置
3. 効果の検証
前述のチャンバー試験装置において、水道水と純水を使用したナノ粒子を10分間噴霧した結果、純水を使用した場合のみ、試験開始から60分後に浮遊ウイルス(注2)を99%以上除去できることが確認されました(図1)(注3)。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/408023/LL_img_408023_6.png
図1:ナノ粒子噴霧による浮遊ウイルス除去性能
4. 今後の展開
今後は、建築物向け設備機器へのミスト噴霧機器の導入に向けた技術開発を進めていきます。
(注1)世界初※、純水でウイルスを減少させる加湿器「angstrom(オングストローム)A-1800S」を7月10日発売、希望小売価格:72,000円、販売元:プルガティオ株式会社
(※:プルガティオ株式会社調べ(2024年6月現在)) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000054963.html
(注2)大腸菌ファージ(Escherichia coli phage Phi-X174)を使用
(注3)空気清浄機の浮遊ウイルスに対する除去性能評価試験方法(JEM1467(日本電機工業会規格)「対数減少値が2.0以上(99%以上減少)のとき、空気清浄機の浮遊ウイルスに対する除去効果があるものと判断する」)