GfK/NIQ Japanは、 2024年上半期(1-6月)のセル映像ソフト市場動向について7月25日に発表した。
(※セル映像ソフト市場:DVD、Blu-ray、4K Ultra HD Blu-rayなど全て含む)
【概要】
・2024年上半期セル映像ソフト市場は数量前年比24%減、金額前年比20%減と、数量・金額共に大きく減少
・チャネル別構成比ではECの拡大傾向が続く
・市場全体に占めるBlu-rayソフトの金額構成比は71%に達した
【セル映像ソフト全体】
2024年上半期のセル映像ソフト市場は数量前年比24%減の775万枚、金額前年比20%減の482億円となった。市場全体の税抜平均実売価格は、6,220円と前年同期から5%上昇した。販売チャネル別金額構成比は、EC72%、メディアストア17%、家電量販店3%、総合量販店0.03%となった。ECの構成比は前年同期から1%ポイント拡大となっており、ECの拡大傾向が続いている。
ジャンル別の金額構成比では、前年大きく構成比を拡大させた音楽ジャンルが前年から6%ポイント縮小の41%となったが、最大ジャンルを維持している(図)。その一方で、劇場で大ヒットとなった映画『THE FIRST SLAM DUNK』が2月にリリースされたこともあり、邦アニメは前年から2%ポイント拡大し26%となった。同じく劇場で大ヒットとなり、アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』が5月にリリースされた邦画ジャンルが、構成比7%と前年から2%ポイント拡大となった。
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【Blu-rayソフト】
2024年上半期のBlu-rayソフト(4K Ultra HD Blu-rayを含む)は、数量で前年比22%減の467万枚、金額で同17%減の337億円となった。税抜平均実売価格は7,219円と前年同期から6%上昇した。セル映像ソフト全体に占めるBlu-rayソフトの金額構成比は前年から2%ポイント拡大し71%となっており、フォーマットのBlu-rayシフトは堅調に進んでいるといえる。
Blu-rayソフトの比率は洋画、邦アニメ等のジャンルで順調に拡大しており、洋画、邦アニメジャンルの金額構成比は80%を超えている。なお、4K Ultra HD Blu-rayソフトは2024年6月末時点で累計1,000タイトルを超えており、2024年上半期のセル映像ソフト全体に占める4K Ultra HD Blu-rayの金額構成比は3.4%となった。
【2024年セル映像ソフト展望】
2024年上半期は非常に厳しい結果となったが、下半期も減少トレンドが継続されることが予想される。セル映像ソフトのフォーマットは(4K Ultra HD Blu-ray含む)Blu-rayへのシフトがさらに進み、平均単価は引き続き上昇するとみられる。
映像業界が全体としてデジタルにシフトしていく中で、作品を見るだけが目的のユーザーはパッケージ購入から配信視聴へと移行していることが推測されるが、パッケージとして手元に所有したくなるような作品であったり、魅力的な特典などの工夫により、一定のパッケージ購買層は引き続き残ると思われる。今後セル映像ソフト市場は、よりコアなファン層向けの市場となっていくことが予想される。