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3Hメディソリューションとジーンクエスト、遺伝情報および臨床情報を備えた特定疾患患者パネルのデータベース構築の実証に成功



3Hメディソリューション株式会社 株式会社ジーンクエスト


図1 収集したIBD患者とその患者の持つ遺伝子リスクスコアの関係


図2 Q.食事の趣向について教えてください


図3 Q.炎症性腸疾患の治験や臨床試験が開始された場合、参加したいと思いますか(n=100)

3Hメディソリューション株式会社(東京都豊島区、代表取締役:滝澤 宏隆)および、株式会社ジーンクエスト(東京都港区、代表取締役:岩田 修)は、共同で実証研究を行い、短期間のうちに特定疾患患者より遺伝情報および臨床情報を収集し、それらの情報を統合したデータベースおよび患者パネルの構築に成功しました。今後、両社では幅広い疾患に対して本取り組みを応用し、治験や臨床試験における効率的な試験参加者の募集および薬剤開発に貢献してまいります。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/356873/LL_img_356873_1.png
3Hメディソリューション株式会社 株式会社ジーンクエスト

◆実証研究の概要
期間 :2022年12月~2023年3月
対象疾患 :炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
患者規模 :100名(潰瘍性大腸炎80名、クローン病20名)
収集データ:遺伝情報および臨床情報、治療・服薬履歴、生活習慣情報
研究責任者:野川 駿(ジーンクエスト)、牧 大輔(3Hライフサイエンス研究所)


◆実証研究の詳細
本実証研究では、近年日本でも患者数が増加傾向にあるものの、完治が困難で長期にわたっての治療が必要なため新薬開発が望まれている炎症性腸疾患(IBD)の患者さんを対象としました。IBDの発症には、食事などの環境要因と遺伝要因のどちらも関係しているとされていますが、発症原因は特定されておりません。
本実証研究では3~4カ月という短期間において計100名の患者さんを対象とした遺伝情報や臨床情報のデータベース構築に成功しております。これまでの大規模な遺伝的な研究※にて報告されておりますIBDの発症リスクに関連している多数の遺伝子を統合したスコア(多遺伝子リスクスコア、注1)を計算し、収集したIBD患者さんのスコアを確認したところ、想定通りIBDの患者さんは多遺伝子リスクスコアが大きい傾向となっており、4分の1以上の患者さんが上位10%の高リスクスコア集団に属しておりました(図1)。また、遺伝情報以外にも疾患症状や様々な薬の服薬状況、IBD発症に関わる生活習慣などの情報も取得しております(図2)。
さらに、治験や臨床試験への参加意欲や本研究結果に対する興味が高い患者さんが95%とほとんどのため、再度コミュニケーションを行うことで新たな情報を取得することも可能となっております(図3)。

※Liu JZ, van Sommeren S, Huang H, et al. Association analyses identify 38 susceptibility loci for inflammatory bowel disease and highlight shared genetic risk across populations. Nat Genet. 2015;47(9):979-986. doi:10.1038/ng.3359

本成果は、遺伝情報を合わせもつIBDの患者パネルを活用することで、従来カバーすることが難しかった治験・臨床試験におけるIBD患者さんの試験参加者を募集する事が可能になるだけでなく、患者さんが感じる主観的な薬剤の満足度や生活習慣と遺伝子変異の相関を調べることで、IBDの発症メカニズムの解明や新薬の開発に貢献できると考えられます。
また、本取り組みを応用することで、治験・臨床試験において遺伝情報が有用とされる他疾患(アルツハイマー型認知症/パーキンソン病/NASH(非アルコール性脂肪性肝疾患)等)においても、効率的な試験参加者の募集に貢献することができると考えております。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/356873/LL_img_356873_2.jpg
図1 収集したIBD患者とその患者の持つ遺伝子リスクスコアの関係

●実証研究によるアンケート概要(一部抜粋)

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/356873/LL_img_356873_3.png
図2 Q.食事の趣向について教えてください

脂っこい食べ物の摂取状況が、発症前に比べると、発症時に2割、発症後には3割減っていることが分かる。遺伝子情報と発症前後の食事の趣向の相関を調べることで、発症メカニズムや薬剤の満足度への影響などを深堀する事が可能となる。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/356873/LL_img_356873_4.jpg
図3 Q.炎症性腸疾患の治験や臨床試験が開始された場合、参加したいと思いますか(n=100)

治験や臨床試験に「参加したい」「どちらかといえば参加したい」との回答は、95%となっている。遺伝情報が有用とされる疾患においては、希望者にとって参加可能性の高い治験・臨床試験の情報提供が期待できる。


■企業情報
社名 : 3Hメディソリューション株式会社
所在地 : 東京都豊島区南池袋一丁目13番23号 JRE南池袋ビル
設立 : 2009年3月6日
資本金 : 2,000万円
代表者 : 代表取締役 滝澤 宏隆
事業内容: 被験者リクルートメント関連事業/CRO関連事業/
マーケティング関連事業
URL : https://3h-ms.co.jp/

社名 : 株式会社ジーンクエスト
所在地 : 東京都港区芝五丁目29番11号 G-BASE田町
設立 : 2013年6月20日
資本金 : 110,000千円(資本準備金含む)
代表者 : 代表取締役 岩田 修
事業内容: 個人向け遺伝子解析事業
URL : https://genequest.jp/


■用語解説
注1 多遺伝子リスクスコア:
多遺伝子リスクスコアとは、ポリジェニックスコア(polygenic score)やポリジェニックリスクスコア(polygenic risk score)とも呼ばれ、発症リスクに複数の遺伝子が関わる疾患や体質において、数十~数万の遺伝子の違いに様々な重みづけを行い総合したスコアのことを言います。アルコールに対する強さなど数個程度の遺伝子が関わる疾患や体質ではなく、生活習慣病など多くの遺伝子が関与する疾患や体質においては多遺伝子リスクスコアを使用した方がより精度よく評価できることが近年の研究により示されて、各疾患に対しての多遺伝子リスクスコアの予測モデルが開発されてきています。
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