2023年4月27日に行われた認証授与式にて
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2023年4月27日に行われた認証授与式にて
昨今、建設業界におけるデジタル化が急速に進んでいます。プロジェクトの開始から建設物の廃棄までのプロセスを、ビッグデータやIoT、クラウド、AI、BIM(ビルディング情報モデリング)などを駆使して、効率的に管理する手法が取り入れられ始めています。
BIMは、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報管理の仕組みです。3次元モデルを含む共通データ環境において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間とのコラボレーションを可能にし、効率的な情報共有ができます。
ISO 19650は、BIMを使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。
BIMレベル2(※2)と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本ISOの前身となるPAS 1192規格と密接に連携しています。本要件を満たしていることを証明することは、成熟したBIMの導入を示すことになります。
BSIジャパンでは、BSI Kitemark認証および検証サービスの提供によって、お客様のBIM成熟度を証明するサービスを展開しています。今回、東急建設によるBIM BSI Verification(検証)は、元請受託組織としての建築設計業務に関してBIMを自主的に適用したプロジェクトについての取り組みを確認し、ISO 19650-2への適合性を検証したものとなります。今後ISO 19650を普及・推進するためには、情報マネジメントサイクルの中で、発注組織・元請受託組織・受託組織のそれぞれの役目を理解し、果たすべき役割がますます重要になってきております。
ISO 19650に関する詳細はBSIジャパンのwebサイトをご覧ください。
https://www.bsigroup.com/ja-JP/Building-Information-Modelling-BIM-ISO19650/
- 注記 -
※1:ISO 19650は、BIMを含む、建築および土木工事に関する情報の統合およびデジタル化
ISO 19650-1:2018 は、BIMを使用した情報マネジメント:概念および原則
ISO 19650-2:2018 は、BIMを使用した情報マネジメント:資産のデリバリーフェーズ
ISO 19650-3:2020 は、BIMを使用した情報マネジメント:資産の運用フェーズ
ISO 19650-5:2020 は、BIMを使用した情報マネジメント:情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
※2:英国政府は2016年4月以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求しています。英国ではBIMの成熟度によって、レベル0からレベル3まで設定されています。
■東急建設株式会社のコメント
― BIM BSI Verification(検証)実施の目的
東急建設では、長期経営計画“To zero, from zero.”VISION2030において、BIM/CIMによるデジタルプラットフォームを構築し、デジタルシフトを加速する方針を掲げています。BIMにおいて重要な情報マネジメントを発注組織・元請組織・協力会社など関係者全体で確立できるISO 19650国際規格は、当社の長期経営計画を達成する上で必要不可欠であり、今後の社会的基盤の一角を担うものと考え、このたびISO 19650 BSI Verificationに取り組みました。
― 構築による成果、工夫、苦労した点
BIMを、資産のライフサイクル全体において利用でき、発注者の戦略的観点からはじまる情報と捉え、フェーズごとに情報の作成・利用・管理を適正に行い、より精度が高く重要度の高いシステムとして機能させるための準備が出来ました。
同時に、この情報管理マネジメントをいかに活用していけるかが、今後の課題であり成果につながると期待しています。
― 認証機関にBSIを選んでいただいた理由、また検証の感想
規格協会として歴史ある英国母体の審査機関であり、高い信頼性を有していることに加えて、審査を日本語で対応していただける点も選定理由の一つでした。審査においては、BSI様の審査ポリシーである「パートナーシップ・建設的審査・付加価値サービス・顧客満足」を体現でき信頼に値する検証であったと感じました。
― 構築・検証を実施して良かった点
準備と検証の過程において、情報の扱い方・流れ方の重要性をあらためて理解することが出来ました。
今後、BIMの社会的価値がますます注目される中、マネジメントシステムが適正に運用出来ているかを検証していくことで、当社のBIM活用は次のステップに進むことが出来るとものと確信しています。
引き続き、BIMの礎としてISO 19650を活用して取り組んでまいります。
■BSIジャパン 代表取締役社長 漆原 将樹のコメント
「建設会社の枠を超え、社会課題の解決への挑戦を続けられる東急建設様。VISION2030でも示されているように、東急建設様は最新のデジタル技術を駆使し、社会全体の新たな価値づくりに貢献されています。この度のBIM/CIMによるデジタルプラットフォームにおける意欲的なチャレンジに認証機関として携わらさせていただき、まことに光栄でございます。」
■東急建設株式会社について
東急建設は1946年の創業以来、一貫して社会課題の解決に取り組んでまいりました。
2021年3月に策定した企業ビジョン「VISION2030」では、気候変動やSDGsなどの社会課題解決に向け、建設事業をさらに深化させるとともに、新たな事業領域での価値創出に向けた探索を実行することとしております。
これからも、すべてのステークホルダーの皆様に対し、企業理念である「安心で快適な環境づくり」と、「3つの提供価値(脱炭素、廃棄物ゼロ、防災・減災)」を通じた心を揺さぶるサービスを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。
URL: https://www.tokyu-cnst.co.jp/
■BSI(英国規格協会)とBSIグループジャパン株式会社について
BSI(British Standards Institution:英国規格協会)は、1901年の設立以来、世界初の国家規格協会として、また、ISOの設立メンバーとして活動する規格策定のプロフェッショナルです。現在、193カ国で84,000組織以上のお客様の活動に貢献しています。BSIグループジャパンは、1999年に設立されたBSIの日本法人です。マネジメントシステム、情報セキュリティサービス、医療機器の認証サービス、製品試験・製品認証サービスおよびトレーニングコースの提供をメインとし、規格開発のサポートを含め規格に関する幅広いサービスを提供しています。
URL: https://www.bsigroup.com/ja-JP/