2020年12月公演「今はやることじゃない」舞台写真(撮影:鏡田伸幸)
2022年10月公演「ひとはなれていく」舞台写真(撮影:鏡田伸幸)
箱庭円舞曲 第二十九楽章『彼女も丸くなった』が2023年4月12日(水)~18日(火)に新宿シアタートップス(東京都新宿区新宿3丁目20-8 TOPS HOUSE 4F)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて3月18日(土)10:00より発売開始です。
カンフェティにて3月18日(土)10:00よりチケット発売開始
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現代日本人の会話・発語・リズム・空気を抽出し、何気ないコミュニケーションにひそむ可笑しみや哀しみを、俯瞰した視点で丹念に作品化している箱庭円舞曲が、新宿シアタートップスで上演する最新作。
豪華客演陣を迎え、丸くなってしまった人々の人生を、極力丸く活写する(油断すると尖ってしまう作風なので)。息苦しいこの時代を生きるために、何かを諦め、何かを飲み込み、何かに怯えて丸くなっているすべての人にお送りする、現代の招日神話会話劇。
【イントロダクション】
人はいつしか、丸くなる。
昔、素敵にとんがっていた彼女と久しぶりに会ったら、とても丸くなっていた。地元のつまらない先輩ーー仕事も話もつまらないうえにチビでデブでハゲーーと結婚し、子をもうけていた。私が憧れたあの彼女は、どこに行ってしまったんだ。見る影もない。目も当てられない。何をやってんだよ。
ただ、幸せそうではある、嫉妬するくらいには。どうしてだろう。
自分もそうなりたいと、どこかで思ってしまっているからだろうか。
人は、歳を重ねるうちに、細かいことを気にしなくなっていく。脳にどんどん入ってくる情報を処理しきれなくなるゆえか、判断力が低下するからか。それとも、細かいことを気にしたところで人生がいい方向に運ぶことなどない、と気付いた悟りの一種だろうか。老い先短い人生に、波風立てまいとするようになったということだろうか。
どういうことなのだろう。どうして、丸くなってしまったのだろう?
と、私は、私の、膨らんだ腹をさすりながら考える。
明るい未来を信じられない時代に、新しい扉を開く女性と開くことを諦めた女性を極力丸く描く、現代の招日神話会話劇。
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2020年12月公演「今はやることじゃない」舞台写真(撮影:鏡田伸幸)
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2022年10月公演「ひとはなれていく」舞台写真(撮影:鏡田伸幸)
公演概要
箱庭円舞曲 第二十九楽章『彼女も丸くなった』
公演期間:2023年4月12日(水)~18日(火)
会場:新宿シアタートップス(東京都新宿区新宿3丁目20-8 TOPS HOUSE 4F)
【脚本・演出】古川貴義
■出演者
白勢未生
鈴木ハルニ
依乃王里
嶋村亜華里
(以上、箱庭円舞曲)
比佐一平
藤田直美(扉座)
平井珠生
猪俣三四郎(ナイロン100℃)
鳥居功太郎
土本燈子
松本紀保
■スタッフ
舞台美術:稲田美智子
照明:瀬戸あずさ(balance,inc.DESIGN)
音響: 田中亮大(Paddy Field)
音響操作: 角田里枝(Paddy Field)
舞台監督:藤本貴行(株式会社RESON)
衣裳:中西瑞美(ひなぎく)
記録写真:鏡田伸幸
演出助手:花奏和音
制作:松本悠(青春事情)
企画製作:箱庭円舞曲
協力:キムライヅミ ELBS Entertainment 株式会社シアターナインス 株式会社JFCT kitokito クリオネ 東宝芸能 レプロエンタテインメント
■公演スケジュール
4月12日(水)19:30
4月13日(木)14:00
4月13日(木)19:30
4月14日(金)19:30
4月15日(土)13:00
4月15日(土)17:30
4月16日(日)13:00
4月17日(月)19:30
4月18日(火)14:00
※受付開始・開場・当日券の販売は開演時間の40分前です。
※感染症対策の取り組みは、劇団公式サイトをご確認ください。
■チケット料金
前売 ¥4,500
当日 ¥5,500
★初日割引 前売¥3,500 当日¥4,500
(全席指定・税込)
箱庭円舞曲 について
2000年9月、日本大学芸術学部演劇学科劇作コース在学中の古川貴義が主宰となって、同期や高校時代の後輩を中心に旗揚げ。同年12月旗揚げ公演を行う。以来、古川の作・演出の元に、年1、2回のペースで次々と作品を上演。
「シュールなリアリズム」を作風として掲げ、観劇後の日常にふとよぎるような作品を発表し続けている。
覗き見感覚で眺める舞台上の出来事は、ほんの少しズレた日常のように映るだろう。 しかし実は、あなたが笑って観ているそのズレ=シュールさが、自身にも当てはまる =リアルなものだと気付いたとき、怒りとも悲しみともつかない、行き場の無い、言葉に ならないやるせない感覚に引きずり込まれている。そのある種の絶望的な感覚は、確実に、 記憶の奥底に沈殿する。そして劇場というシュールな空間から離れて普段の生活に戻った とき、なにげない瞬間に、鮮明に立ち返ってくる。
そんなシュールでリアルな作品の中毒患者が、公演を重ねるごとに増殖中。
『シュール』・・・表現や発想が非日常的・超現実的であるさま
『リアリズム』・・・現実主義、写実主義
この相容れない筈の二つの要素を、作品世界の中に巧みに盛り込もうと画策。
人間は、常にこのシュールなリアリズムの中に生活している。自分以外の人間と触れる機会、すなわち社会において、人間はそれをリアルなものとして受け止める。それを自然なものとして扱い、他人と接している。
しかし当人の脳内では、口から出る言葉とは裏腹な感情、接している他人とは全く無関係な事象、あるいは特に何も考えていないというような思考展開が、往々にして起きている。故に、社会に於いて「一個人」と換算される僕らは、個別に見れば、他人と完全に理解し合うことなどはなから不可能な生き物であると言える。にもかかわらず僕らは、社会性の名の下に友人を作ったり、恋愛をしたり、集団に所属したりして生きている。そもそもが相容れなくて当然のはずなのに、誰かと接すること無くしては生活が成り立たないという矛盾を抱えているのだ。
この矛盾を抽出し、表現へと消化させる為に、敢えて矛盾した言葉「シュールなリアリズム」を用いている。
舞台設定、登場人物、台詞回しなど、外枠の部分はしっかりしたリアリズムとして構築し、個々のキャラクターの内面、相互コミュニケーションの偏り等をシュールなものとして提出する。あくまでリアルに、あくまでシュールに。それは時として笑いを生み出したり、常識をえぐり、内面に突き刺ささるようなシーンとなって現れる。
【劇団員】古川貴義、白勢未生、鈴木ハルニ、林和義(休団中)、依乃王里、嶋村亜華里