「日本数学検定協会賞」オンライン表彰式の様子
「MATHコン2022」ロゴ
「日本数学検定協会賞」受賞者の山本修真さんの発表の様子
「日本数学検定協会賞」受賞者の山本修真さん
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/340032/LL_img_340032_1.png
「日本数学検定協会賞」オンライン表彰式の様子
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塩野直道記念「算数・数学の自由研究」作品コンクール公式ホームページ
https://www.rimse.or.jp/research/
受賞したのは、「Ramanujan Machineによる未解決予想の証明と昨年度のRimse理事長賞受賞作品における未解決問題の解決」という研究作品を応募した東京都在住の高校2年生です。
■「なぜ?」「本当?」「どうなる?」からはじまる算数・数学の自由研究
今年2022年で第10回の開催となる塩野直道記念「算数・数学の自由研究」作品コンクールは、全国の小学生・中学生・高校生を対象に、日常生活や社会で感じたさまざまな疑問を算数・数学の力を活用して解決する、あるいは、算数・数学の学びを発展させて新たな数理的課題を探究するなかで気づいたことやわかったこと、自らの解決の方法などをレポートにまとめ、作品として応募するコンクールです。テーマは自由で、毎年さまざまなテーマの自由研究作品が集まります。なお、今年2022年の応募作品数は、合計16,500件でした(2021年は17,429件)。
■AIが予想した数式の証明に挑んだ高校2年生が受賞
本コンクールに2016年から協賛している当協会は、すべての応募作品のなかから、とくに算数・数学の研究として優れたレポート1作品に優秀賞として「日本数学検定協会賞」を授与しています。今年2022年の「日本数学検定協会賞」は、AI(人工知能)を使った「ラマヌジャン・マシン※」が予想した数式の証明に挑んだ、東京都在住の山本修真(やまもと しゅうま/応募当時16歳、高校2年生)さんが受賞しました。
山本さんは、「ラマヌジャン・マシン」が予想した式のほとんどが証明されていないことから、それらを証明することを今回の研究の目的に掲げ、実際にいくつかの予想を証明することに成功しました。さらに、証明した定理の1つが2021年のMATHコン受賞作品である多面体分割問題と深い関わりがあることを発見し、その定理を応用することにより、受賞作品で未解決となっていた問題を解決しました。
※ラマヌジャン・マシン
イスラエル工科大学の研究チームが開発したマシン。インドの天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの思考形態をAIがシミュレートし、円周率πやネイピア数eなどに関する新しい式を連分数の形で予想する。
また、山本さんは今回の研究をとおして、まったく関係がないように思えた2つの問題が同じ問題に帰着することを知ったときに心から感動したそうです。その関係性に着目した視点で、さまざまなアプローチに取り組んでいきたいと、今後の展望を述べて研究をしめくくっています。
算数・数学の実用的な技能を測る数検を実施している当協会は、AIが予想した結果の証明に取り組むという現代的な研究スタイルと、過去のMATHコン受賞作品などの情報にも敏感に反応し活用している点を評価して、このたびの「日本数学検定協会賞」の授賞を決定しました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/340032/LL_img_340032_3.png
「日本数学検定協会賞」受賞者の山本修真さんの発表の様子
なお、山本さんの受賞コメントと応募作品への審査委員の講評は以下のとおりです。
<山本修真(やまもと しゅうま)さんの受賞コメント>
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/340032/LL_img_340032_4.jpg
「日本数学検定協会賞」受賞者の山本修真さん
このたびは、「日本数学検定協会賞」というたいへん名誉な賞にご選出いただき、ありがとうございました。「MATHコン」運営のみなさま、研究の助言をいただいた「数理空間トポス」チューターの方々、都立西高校の先生方に心から感謝申し上げます。本研究で扱った予想は、高校で習う「三項間漸化式」に「変数係数」という“スパイス”を加えた、シンプルですが奥の深い問題です。ぜひ本作品を読み、「ラマヌジャン・マシン」の未解決予想に取り組む「同志」が1人でも生まれてくれればと思います。研究に取り組むうえで大切にしたことは、「巨人の肩の上に立つ」ことです。先人たちの積み重ねてきたものを知る重要性を、研究をとおして痛感しました。
今は巨人の足首にしがみつくだけで精一杯ですが、これからも学ぶことを忘れずに研究に励んでいきたいと思います。
<審査委員の講評>
「ラマヌジャン・マシン」とよばれるAIによる予想(未解決問題)を数学的に証明した結果、昨年度のRimse理事長賞受賞作品における未解決問題を解決したという作品です。証明の計算は複雑ですが、「ラマヌジャン・マシン」や受賞作品の問題など数学の情報にも敏感で、今後の活躍にも期待できます。
当協会は、MATHコンのような理数教育の充実に向けた普及推進イベントなどに積極的に関わることで、今後も広く国民のみなさまに算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させてまいります。
◆開催概要
名称 :塩野直道記念 第10回「算数・数学の自由研究」
作品コンクール(2022年度)
主催 :一般財団法人 理数教育研究所
協賛 :株式会社 内田洋行/株式会社 学研ホールディングス/
公益財団法人 日本数学検定協会
応募資格:小学生、中学生、高校生
※海外の日本人学校も含む。
※グループで応募する場合は、同じ学校の同学年の応募に限る
(1グループ4名まで)。
審査 :1.小学校の部…低学年の部(1~3年)、高学年の部(4~6年)に分けて審査。
2.中学校の部
3.高等学校の部(高等専門学校3年次までを含む)
公式ホームページ : https://www.rimse.or.jp/research/
公式YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/channel/UCp7ws7VeMwfovakdf2Fm_Cw
※くわしくは、公式ホームページをご覧ください。
【「数検」について】
実用数学技能検定「数検」(後援=文部科学省。対象:1~11級)は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測り、論理構成力をみる記述式の検定で、公益財団法人日本数学検定協会が実施している全国レベルの実力・絶対評価システムです。おもに、数学領域である1級から5級までを「数学検定」と呼び、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までを「算数検定」と呼びます。第1回を実施した1992年には5,500人だった年間志願者数は、2006年以降は30万人を超え、また、数検を実施する学校や教育機関も18,000団体を超え、公費での活用も広がっています。以来、累計志願者数は700万人を突破しており、いまや数学・算数に関する検定のスタンダードとして進学・就職に必須の検定となっています。
日本国内はもちろん、フィリピンやカンボジア、インドネシア、タイなどでも実施され(累計志願者数は40,000人以上)、海外でも高い評価を得ています。※志願者数・実施校数はのべ数です。
【ビジネス数学検定について】(当協会の行うその他のおもな公益事業)
「ビジネス数学検定」は、ビジネスの現場で必要となる実用的な数学力・数学技能を測定する検定です。実務に即した数学力を5つの力(把握力・分析力・選択力・予測力・表現力)に分類し、ビジネスのシチュエーションを想定した問題で、これらの力の習熟度を測定します。インターネット上で受検できるWBT(Web Based Testing)方式を採用。2006年に第1回を実施し、現在では企業の採用試験や新人研修、管理職登用試験などに活用する事例も増加しています。
【データサイエンス数学ストラテジストについて】(当協会の行うその他のおもな公益事業)
「データサイエンス数学ストラテジスト」は、データサイエンスの基盤となる数学スキルとコンサルティング力を兼ね備えた専門家として認定する資格制度で、2021年9月に新設しました。資格試験は、中級と上級の2つの階級があり、5肢択一のIBT(Internet Based Testing)形式で行います。データサイエンスの基盤となる基礎的な数学(確率統計・線形代数・微分積分)と実践的な数学(機械学習系・アルゴリズム系・ビジネス系数学)の理解度・習熟度を測定します。
【法人概要】
法人名 : 公益財団法人 日本数学検定協会
所在地 : 〒110-0005 東京都台東区上野5-1-1 文昌堂ビル6階
理事長 : 高田忍
会長 : 甘利 俊一
(帝京大学 先端総合研究機構 特任教授、
理化学研究所 栄誉研究員、東京大学名誉教授)
設立 : 1999年7月15日
事業内容: (1)数学に関する技能検定の実施、技能度の顕彰及びその証明書の発行
(2)ビジネスにおける数学の検定及び研修等の実施
(3)数学に関する出版物の刊行及び情報の提供
(4)数学の普及啓発に関する事業
(5)数学や学習数学に関する学術研究
(6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業
URL : https://www.su-gaku.net/
※「数検」「数検/数学検定」「数検/Suken」は当協会に専用使用権が認められています。
※「ビジネス数学検定」は当協会の登録商標です。