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高効率デジタル電源IC「MD6750シリーズ」が2022年度省エネ大賞[製品・ビジネスモデル部門]の経済産業大臣賞を受賞



MD6750シリーズ


省エネ効果

サンケン電気株式会社(本社:埼玉県新座市、社長:高橋 広、以下「当社」)は、当社が民生用途に開発し、本年10月にリリースしたデジタル電源IC「MD6750シリーズ」がこのほど、一般財団法人省エネルギーセンター主催(経済産業省後援)の「2022年度 省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)」において経済産業大臣賞(節電分野)を受賞しましたので、お知らせいたします。

MD6750シリーズ(以下「本製品」)は、OLEDテレビ等のAV機器など大電力を必要とする電源用に開発したもので、デジタル制御電源用のマイコンチップとPFC回路や電流共振回路のドライバなどを内蔵した高耐圧アナログチップを1パッケージ化した製品です。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/339556/LL_img_339556_1.jpg
MD6750シリーズ

コンセントから供給される交流電力を、セットで使用される直流電力に変換する電源回路は省エネ性能に大きく影響します。近年の高効率化要求に対応するため、電源回路をソフトで制御することで様々な動作条件で高い効率を実現し、さらに従来のアナログ電源ICで必要だった周辺部品の削減を可能とする本製品を開発しました。

テレビを例にとりますと、テレビ視聴時と待機時の低負荷まで必要とされる電力は異なるため、各条件において効率を高めることが省エネの実現には重要です。デジタル制御電源では各条件における最適な制御ができることから、従来のアナログ電源ICと比較しますと、以下の図のように、負荷10%時で+2.2%、同30%時で+3.5%、100%時で+2.6%と効率が改善されます。また、効率の向上によって熱損失が低下することから、放熱機構の簡略化にもつながり、デジタル制御による部品の削減との相乗効果により電源基板の小型化を可能としました。

これらの特徴により大画面でありながら省エネかつ薄型なテレビが実現できることから、4Kなどの高精細テレビのお客様から好評を頂いております。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/339556/LL_img_339556_2.png
省エネ効果

本製品の主な効率改善手法としては、以下のようにブリッジレスPFC回路の採用とPFCデジタル制御の導入によって実現しました。

・ブリッジレスPFC回路:
通常の電源において、交流を直流に変換するためにブリッジダイオードが使われていますが、この部分で発生する損失の根本的な低減は困難です。本製品ではブリッジダイオードの機能をPFCに取り込むブリッジレスPFCを採用することで損失を低減しています。
・PFCデジタル制御:
力率の改善を行うPFC回路においては、パワーMOSFETのスイッチングタイミングが効率に大きく影響するため、入出力条件の監視によりスイッチング動作を最適にデジタル制御する新技術を導入しました。

これらの効率改善で、当社の出荷台数/年をベースに本製品を適用した場合の省エネ効果試算は65,000kWとなります。

このような省エネ効果が期待されることから、本製品に対して主催者側からは「本製品は1kW以下の中小電源に使用するパワーマネージメントICである。現在情報流通量の増大によるIT機器の消費電力の増加が問題となっていることから、同社では、現在中小電源で多く使用されているアナログ制御電源の効率化を図るため、消費電力の少ないデジタルパワーマネージメントICの開発に取り組み、部品点数の30%削減、電源サイズの20%削減や全負荷における2%以上の変換効率向上に成功した。世界的電子化製品の拡大の下、電源回路は必ず必要とされるものであり、この効率向上は大きな効果が期待できる。」と評価され、この度の受賞となりました。

本賞の受賞内容の詳細は以下のとおりです。

表彰種別:製品・ビジネスモデル部門
経済産業大臣賞(節電分野)
テーマ名:高効率デジタルパワーマネージメントIC
「MD6750シリーズ」
概要 :本製品は1kW以下の中小電源に使用するパワーマネージメントICである。現在情報流通量の増大によるIT機器の消費電力の増加が問題となっていることから、同社では、現在中小電源で多く使用されているアナログ制御電源の効率化を図るため、消費電力の少ないデジタルパワーマネージメントICの開発に取り組み、部品点数の30%削減、電源サイズの20%削減や全負荷における2%以上の変換効率向上に成功した。
世界的電子化製品の拡大の下、電源回路は必ず必要とされるものであり、この効率向上は大きな効果が期待できる。省エネ効果としては同社の出荷台数500万台/年だけでも65,000kWになる。
本パワーマネージメントICは、家電以外でも産業機器分野等様々な分野で使用されているが、世界的なTV市場だけでも1.7億台となり、今後本製品の広がりも期待できる。


なお、本賞の表彰式は、23年2月1日(水)午前10:00~11:40に東京ビッグサイト会議棟(1階)レセプションホールAで行われます。

<サンケン電気について>
サンケン電気は、「電気」という幅広い領域の中で、半導体をコアビジネスに、パワーエレクトロニクスとその周辺領域を含めた最適なソリューションを提供することを使命としているグローバルサプライヤーです。電装化・電動化の進む自動車をはじめ、世界的な電力需要の増加に伴いインバータ化が進む白物家電や、産業機器などの分野に向けて、常に技術力の革新に努め、確かな品質の製品提供を通じ、グローバルな環境・社会課題の解決と産業・経済・文化の発展に寄与していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。 https://www.sanken-ele.co.jp/
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