左:無塗布の発泡ウレタン 右:処理液を塗布した発泡ウレタン
実験後の処理液を塗布した試験体(黒い部分はろうそくのスス)
[トピックス]
○従来の発泡ウレタン断熱材は、ビルや住宅などの壁内下地に使用され、壁内は消火が困難
○発泡ウレタン断熱材は、火災リスクが高く、数分で燃え広がり煙と有害なガスが発生する
○特許技術を活用し、新たに開発した処理液を塗布。発泡ウレタンの不燃化に成功
○不燃処理をした発泡ウレタンと未処理の発泡ウレタンの燃焼実験動画を公開
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/327916/LL_img_327916_1.jpg
左:無塗布の発泡ウレタン 右:処理液を塗布した発泡ウレタン
従来の発泡ウレタンの断熱材は、引火しやすいことに加え、数分で大量の煙と有害なガスにより炎が噴出し、避難が困難になります。また、延焼しやすく、消火しにくいことから膨大な被害や人命が失われる事故が起こっています。そこで当社は、木材で国土交通大臣の不燃認定を日本で初めて取得した特許技術やノウハウを活用し、発泡ウレタンの不燃化とコスト削減の大きな2つの開発に取り組みました。このたび、塗布することで不燃性能の確保とコストカットに成功、燃焼比較をした実験動画を公開します。
左の無塗布の発泡ウレタン(従来品)は、ろうそくの火が近づいた瞬間に、全体に火が燃え広がり、大きな炎をあげ、約50秒ほどで実験台に落下。その後、縦に大きな炎をあげて燃え続けながら、約2分30秒で完全燃焼しました。一方、右の処理液を塗布した試験体は、炎をあげて燃えることなく、煙や有害なガスも出ていません。ろうそくのススにより黒くなっている部分が広がるのみで、着火せず、実験終了の約2分30秒を経過しても、炎をあげて燃えることはありませんでした。また、表面を不燃化したことで、その風合いや見た目、断熱性能に変わりはありません。
[試験体サイズ]
横66mm×縦96mm×厚み43mm
[JIS A9521に準ずる燃焼性試験]
燃焼時間120秒以内で、かつ、燃焼長さ60mm以下
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/327916/LL_img_327916_2.jpg
実験後の処理液を塗布した試験体(黒い部分はろうそくのスス)
断熱材の市場は、高層建築や住宅のほか、自動車や航空宇宙、海洋船舶などの成長産業においても拡大しており、不燃化が重要です。中でも、板状の発泡ウレタンは、液性タイプと比較して、厚みを均一に指定でき、施工がしやすいメリットがあります。不燃化することで、煙や有害なガスを抑え燃え広がらないことに加え、CO2発生量も抑制するため、環境負荷の低減や脱炭素にも貢献する技術です。当社は、塗布による「発泡ウレタンの不燃処理」技術やノウハウを活用し、新しい安全で安心な生活空間の創造に貢献します。そして、本格的な事業化への大きな一歩としていく予定です。
[発泡ウレタンとは]
ウレタン樹脂にフロンガスや炭酸ガスなどを加え、発泡させた樹脂で、高い断熱性能がある。発泡ウレタンの断熱材は、板状のタイプと現場で液状を発泡させ施工するタイプがあり、その用途や需要も高まっている。
[発泡ウレタンによる火災]
2017年ロンドン高層住宅火災をはじめ、アジアや中東の高層ビルで上階へ延焼する大規模火災が増加。国内では、2019年大田区(東京)倉庫内や2018年多摩市(東京)の建設中ビルなどで火災事故が起きた。
[高気密・高断熱住宅と火災の問題]
ゼロエネルギー住宅が推奨され、高気密・高断熱住宅や外断熱工法住宅は増加傾向にある。ただし、壁内で下地に使用されている発泡ウレタン断熱材に着火すると、数分で火災になり煙と有害なガスが発生する。さらに、室内温度が逃げないため、室温が急速に上昇し、着火しやすい石油系素材により大規模火災につながることも考えらえる。
■会社概要
会社名 : 株式会社アサノ不燃
所在地 : 東京都江東区東陽5-28-6 TSビル5階
代表者 : 代表取締役 浅野 成昭
設立 : 2001年10月5日
事業内容: 不燃化技術(セルフネン技術)による新技術・新製品の研究開発、
製造、並びにコンサルティング、不燃化処理を施した様々な製品の販売
URL : http://www.funen.jp
[受賞・報道]
●内閣官房「国土強靱化 民間の取組事例集(令和4年4月)」掲載
●経済産業省「新日本様式100選」
●「日経BP賞」建設部門賞
●林野庁「木材利用技術開発賞」
●東京都江東区「江東ブランド」認定
●外務省「Japan Topic Video」 世界7ヶ国語での動画紹介
●NHK「新春特集」 TBS「夢の扉+」テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」 他