身体のパフォーマンスに影響をもたらす仙腸関節の歪み
非特異的腰痛の研究結果についての院内ブログ
https://sakurachiro.hamazo.tv/e8855463.html
■院長より一言
専門性が高い仙腸関節性の腰痛原因に関する研究発表ではありますが、その有益性は(1)世界中の多くの人は日常生活で左右の骨盤が真逆に歪んでいる(2)スポーツは左回りの競技でしかない理由について(3)リハビリテーション医療従事者がスキルアップし医療マニュアルが改訂につながる多彩な内容です。
■背景
腰痛の原因が特定されない「ぎっくり腰」は医療では扱いにくい“嫌われもの”で研究途上にあるのに対し、カイロプラクティック界では20世紀初頭から「仙腸関節の変位」を施術し治療成果を上げています。しかし「変位」が生じる原因追及は積み上げられていません。演者は医学の研究手法を身に着けていたことで開院以来、患者様への責務として変位発生の基本情報を20年来発表してきました。
■研究結果について 1)
*健常者と有訴者からなる左利き足者33名、右利き足者276名の腸骨の歪み方を調べた結果(表1)、
(1)右腸骨の外方変位は健常者にも存在し、左利き足者は80%、右利き足者は69%あった(図1)。
(2)仙腸関節は離開と密着を繰り返す関節であるが、大脳は左右分業し左右足機能が違う考え方 2)を重ねると、右足は左脳由来の運動機能を優先するため関節は離開頻度が高く、靭帯は弛緩し関節が曖昧になり、右腸骨は外方変位と後下方変位を生じる。変位の方向は臨床結果と一致している(図2)。
(3)一方、左足は右脳由来の姿勢機能を優先する軸足であり、立位姿勢を保つため関節が噛み合う頻度が高いので関節は密着し、腸骨が前上方変位と内方変位を起こし易い。変位方向は臨床結果と一致し、すべてのスポーツが左回りでしかないことは疫学的に整合している(図2)。
(4)以上、利き足の違いに関係がなく、健常者では右仙腸関節に高頻度の外方変位をもたらせ、有訴者においては左右の仙腸関節に同方向の変位をもたらしていたことで、二足歩行は左軸足と右運動足の生理機構が存在し、不可避な仙腸関節変位をもたらしている仮説を行った 3)。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/326971/LL_img_326971_1.jpg
身体のパフォーマンスに影響をもたらす仙腸関節の歪み
文献
1) 吉野和廣, 吉野和織. 左並びに右利き足被験者における右仙腸関節の外方変位像.
日本カイロプラクティック徒手医学会誌 2010;11:60-67. (2010年度最優秀論文賞)
2) 前原勝矢著. 右利き・左利きの科学. 講談社, 1989
3) 吉野和廣著. からだのねじれを正せば交感神経が整う. たま出版,2017
■施術院 概要
屋号 : 桜カイロプラクティック
代表者 : 院長 吉野和廣(医学博士)
所在地 : 〒430-0919 静岡県浜松市中区野口町367 ヴィーブル野口
設立 : 1996年5月
事業内容: 骨盤・脊柱の施術院を経営
URL : https://c-sakura.jp/
【本件に関する一般の方からのお問い合わせ先】
桜カイロプラクティック
TEL:0538-42-6166