生殖補助医療法案の要望
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宮崎院長
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/325111/LL_img_325111_1.jpg
生殖補助医療法案の要望
【概要】
2020年12月、「提供配偶子で生まれた子どもは、配偶子提供者の子どもではなく、治療をした戸籍上の夫婦の子どもである」という親子関係を法的に保障する特例法が成立。またその中で、「2年をめどに検討すべき」とされていた「生まれた子どもの出自を知る権利」に関する法案が今秋の臨時国会に提出される可能性がでてきています。しかし、同法案の基盤なる骨子案には、子どもの権利が今以上に守れなくなる可能性があるなど、医療的整合性、合理性、安全性を欠くリスクが内包されていると同院は判断し、今回の要望を行いました。
【内容】
現在法案化が検討されている骨子案の問題点は、生まれる子どもが自分の出自に向き合える環境を今まで以上に作りにくくなること
■課題1
骨子案では、ドナーが精子を提供する時点では、匿名か、非匿名(※)かを決めなくてよいことを前提としています。これは、夫婦が治療をする時点で、ドナーが匿名なのか非匿名なのかが、未確定になることを意味します。
※非匿名とは子どもが18歳以上になりドナーの個人特定情報開示を望む時、ドナーの同意をもって同情報が開示されること。匿名とは、子どもが望んでもドナーの同意が得られず開示されないこと。
- なぜ問題なのか
これまでも夫婦はドナーを選ぶことはできませんでしたが、ドナーが匿名なのか非匿名なのかについては知る事ができました。夫婦はこれを理解し、匿名であればそれを前提として子どものアイデンティティが構築できるように夫婦は子どもと向き合ってきました。しかし、匿名なのか非匿名なのかが未確定となることで、アイデンティティを構築する基盤がなくなります。ますます親子関係が複雑化し、自信をもって子どもに向かい合えない夫婦は子どもへの告知ができなくなる夫婦が増えることが予想されるためです。
■課題2
骨子案では、子どもが18歳以上になりドナーの個人特定情報の開示を希望した場合、ドナーが開示の有無を判断できる、としています。これでは、ドナーのその時の感情次第で、出自を知れる子どもと知れない子どもがでてしまいます。
- なぜ問題なのか
ドナーが匿名か非匿名なのかすらわからなくなると、夫婦は子育ての中で、子どもからドナーについて聞かれた時に「18歳になったらわかるといいね」という期待させることを話すようになることが想像されます。そして、子どもはその日を待ちわびますが、同時に自分の努力とは別のところ、つまりドナーのその時の感情次第で出自を知ることができなくなります。この現実を18歳の子どもが受容させるのは非常に困難であり、子どものアイデンティティクライシスに繋がる可能性が非常に高くなることが考えられます。
今回提出された提案書では、これらリスクの説明と、その改善方法が記載されています。
https://youtu.be/fuyCQPjcVzo
【会社概要】
商号 : 医療法人社団暁慶会 はらメディカルクリニック
代表者 : 院長 宮崎 薫
所在地 : 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10 巌ビル2F
設立 : 1993年6月
事業内容: 不妊治療専門クリニック
URL : https://www.haramedical.or.jp/