第3回関西物流展・第1回物流機器開発展
巨一動力日本支社の福永恵文副社長(左)、フォロフライの小間裕康社長(左から二人目)
フォロフライとの共同ブース
記念写真(1)
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/318284/LL_img_318284_1.jpg
第3回関西物流展・第1回物流機器開発展
■中国のスピードが世界を変える
丸紅や三井物産、三菱商事など多数の日本企業を始め、中国ブランドも参加していた。オレンジの三文字「JEE」は、安徽省合肥市に本社を置くJEEテクノロジー(巨一科技有限公司、以下「JEE」)のロゴマークである。
JEEは2005年に設立され、わずか十数年で国家イノベーション型モデル企業、国家知的所有権優勢企業、国家専精特新(専門化・精密化・特徴化・斬新化)「小巨人」企業となり、AI機器と新エネルギーを用いた自動車の電気駆動システムソリューションにおいて、業界をリードする企業へと成長した。また、2021年には上海証券取引所の科学技術イノベーションボードに上場。これは中国における資本市場制度の新たな幕開けであり、JEEはそのスタートの号砲が響くと同時に勢いよく走り出したのである。
今回、JEEを代表して関西物流展に参加したのは、グループ傘下の巨一動力系統有限公司の日本支社である(以下「巨一動力」)。同社と日本のファブレスEVメーカー、フォロフライとの共同ブースは、見学、質問する来場者に終始取り囲まれていた。
物流展の2日目である6月23日、フォロフライは新型の「EV F1 TRUCK」を正式に発表した。これは最大積載量1トンの小型屋根なし電動トラックで、日本の物流に必要な「ラストワンマイル」(目的地までの最終区間)を埋めるものとなる。
巨一動力日本支社の福永恵文副社長は、「中国の合肥と上海で研究開発センターが設立された後、当社は研究開発の体制を日本へも拡大しました。三大研究開発センターの職責を明確に分け、長所を補完しあって、共に巨一動力の自主的なイノベーションを支えていくつもりです」と話した。また、京都大学国際科学イノベーション棟で誕生した新しいEV企業のフォロフライは、巨一動力の研究開発力に白羽の矢を立て、水平分業式で提携に合意、研究開発から量産までの期間を短縮し、コスト削減を可能にした。
この時期の取材ということで、クロスボーダー企業の業務展開について、新型コロナ感染や円安に関する話題は避けられない。この点について、巨一動力の副社長であり、日本支社の社長でもある范佳倫氏は次のように語った。「巨一動力は数年来、東風ホンダと広汽ホンダが抱えるEVの唯一の中国サプライヤーとして重責を担っており、2021年に日本支社と日本のホンダ本社とのあいだで提携したHマークプロジェクトはまさに現在進行中であるが、われわれが為替の変動といった問題の影響を受けることはないだろう」。
■「ラストワンマイル」問題をエコ機能で解決
2021年11月、巨一動力とフォロフライは、「EV F1 VAN」に使用するバッテリー交換設備の共同開発を発表した。「EV F1 VAN」はフォロフライが販売する積載量1トンクラスの電動商用バンで、2人乗り、EVとしては低価格の380万円である。
日本語版『ニューズウィーク』は、ガソリン車1台の値段でフォロフライのEVバンが買え、「ラストワンマイル」という難題を解決したと、「EV F1 VAN」のイノベーション理念と実用的価値を評価している。今回発表された小型トラックの「EV F1 TRUCK」も、同様に軽快、省エネ、安心という長所を備えており、巨一動力が電気駆動システム全体の生産製造を請け負う。
道路が狭く、少子高齢化問題が深刻化する日本では、「ラストワンマイル」という運送の難題を解決することが、安心できる社会生活の実現や、人々の幸福感を高めることにつながる。それと同時に、EVの電気駆動システムを搭載したトラックは、日本社会のSDGs達成という要求をも満たすことができる。現在の努力は未来に恩恵をもたらすものなのだ。
日本の五大商社の一つで164年の歴史を持つ丸紅株式会社は、バッテリー交換式ビジネスに着目している。フォロフライとの協業を通じ、設備の製造に関する巨一動力の技術力に目をつけ、巨一動力日本支社とフォロフライを通じてバッテリー交換設備開発プロジェクトを検討している。同時に、丸紅株式会社は「EV VAN」シリーズの成長ポテンシャルを高く評価し、フォロフライと提携して同シリーズの販売、普及を後押ししたい考えだ。巨一動力が有する中国の技術は日本への航海に乗り出した。それは丸紅株式会社という護送船団を得たことで、よりいっそう安定的かつ長期にわたる成長が保証された大海原へ漕ぎ出したといえる。
JEEの申啓郷副総裁の話によると、巨一動力の日本支社は設立されて間がないものの、着実に目標をクリアし前進しているという。また、東南アジア市場ではベトナムのEVトップ企業VinFast社と提携を進めており、EDSスマート装備生産ラインの組み立て、製品の開発、および技術ライセンスの供与という三大サービスを提供して、やはり急速な成長を遂げているとのことだ。
今年は日中国交正常化50年の節目の年に当たる。50年前は日本の技術が中国を曳航した。そして50年後のいま、巨一動力が日本の物流業を力強く引っ張っている。