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KPMGジャパン、自動車業界調査と消費者調査を比較分析したレポートを発表



図1:日本におけるBEVの浸透


図2:BEVの充電に許容できる時間


図3:BEVの普及に向けた政府介入の必要性


図4:車のオンライン販売

KPMGジャパン(東京都千代田区、チェアマン:森 俊哉)は、「KPMGグローバル自動車業界調査2021」(「グローバル・オートモーティブ・エグゼクティブ・サーベイ2021」、以下 GAES 2021)および、日本における消費者調査を比較分析したレポートを発表しました。
本レポートでは、KPMGが世界の自動車業界のエグゼクティブを対象に実施したグローバル調査に加え、KPMGジャパンが日本国内の消費者を対象に実施した調査を比較し、自動車業界の展望を多角的に検証しています。

グローバル調査は31ヵ国1,118人のエグゼクティブを対象としており、「パワートレインの未来」、「消費行動のデジタル化」、「新たなテクノロジー」、「サプライチェーンの課題」という、自動車業界を揺るがす4つの領域に関して、エグゼクティブの見解を分析しています。
また日本における消費者調査は、自動車を保有する5,260名を対象としており、グローバルのエグゼクティブの見解との比較を取り入れ、詳細を考察しています。


●グローバルのエグゼクティブの52%は、今後日本の新車販売の約半数をバッテリー電気自動車が占めると予想する一方、バッテリー電気自動車を購入したいと回答した日本の消費者は、わずか11%
●外出時に充電する場合に許容できる所要時間に関し、「30分以内」と回答したグローバルのエグゼクティブは77%である一方、日本ではエグゼクティブが84%、消費者が81%と、より短時間での充電を求める傾向
●今後バッテリー電気自動車は、政府介入がなくても普及すると回答したグローバルのエグゼクティブは77%、日本のエグゼクティブは60%である一方、日本の消費者はわずか23%
●グローバルのエグゼクティブの78%は、今後新車販売の大半はオンラインになると予想する一方、オンラインで購入したいと回答した日本の消費者は、わずか22%


《「KPMGグローバル自動車業界調査2021」主なポイント》
1. BEVの市場シェア
グローバルのエグゼクティブは、2030年までに日本(52%)、中国(52%)、米国(52%)、西欧(49%)において新車販売台数のおよそ半数をバッテリー電気自動車(BEV)が占めると予想しています。一方で日本の消費者は、5年以内に車を購入する場合、「エンジン車」を選ぶとの回答が50%、「ハイブリッド車(HEV)」が33%、バッテリー電気自動車(BEV)はわずか11%にとどまる結果となりました。日本のBEV市場シェアに関して、グローバルのエグゼクティブの見通し(52%)と日本の消費者の見解(11%)に、大きな乖離があることが分かりました。BEV以外を選択した回答者からは、BEVを選択しない理由として、「充電インフラ」(54%)、「購入価格」(51%)、「航続距離」(34%)、「乗りたい車がない」(29%)など、さまざまな要因が挙げられました。
日本市場においてBEVの浸透を加速するためには、自動車メーカーがBEVモデルの投入に注力するだけでなく、メーカー自らが充電インフラの拡充に乗り出すなど、消費者のペインポイントに応える施策を積極的に講じることが必要だと考えられます。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/298973/LL_img_298973_1.jpg
図1:日本におけるBEVの浸透

2. BEVの充電性能
消費者が外出時に充電する際に許容できる所要時間(80%以上まで充電する場合)に関して、グローバルのエグゼクティブの77%が「30分以内」と回答しており、日本のエグゼクティブに限定すると、84%が「30分以内」と回答しています。同様に日本の消費者調査でも、81%が「30分以内」と回答しており、日本のエグゼクティブおよび日本の消費者は、グローバルのエグゼクティブより短時間での充電を求める傾向にあることが分かりました。日本でBEVが普及するためには、従来のエンジン車が短時間で給油できていたのと同等の利便性を備えた、急速充電インフラの整備が重要になると考えられます。
具体的な取り組みとして、市街地における充電スタンドの整備に加え、高速道路SA/PAにおける設置率の向上、充電渋滞の解消、マンション等における充電ソリューションの開発などが挙げられます。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/298973/LL_img_298973_2.jpg
図2:BEVの充電に許容できる時間

3. BEVの普及に向けた政府の介入
BEVは政府が介入しなくても今後10年で広く普及する、と回答したグローバルのエグゼクティブは77%にのぼり、日本のエグゼクティブに限定すると60%という結果になりました。一方、日本の消費者の回答はわずか23%にとどまるという正反対の結果となりました。日本のBEV普及における課題として、充電インフラの不足、BEVに対して高価なイメージがある、BEVのラインナップが少ない、などが挙げられます。日本でBEVを推進するためには、自動車メーカー各社の企業努力に加えて、BEV購入時の補助金を始めとする、政府による後押しが不可欠であると考えられます。また、欧米に比して遅れている充電インフラの整備に対する政府支援の拡大も急務であるといえます。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/298973/LL_img_298973_3.jpg
図3:BEVの普及に向けた政府介入の必要性

4. 自動車購入のオンライン化
グローバルのエグゼクティブの78%が、2030年までに新車販売の大半はオンラインになると回答しており、日本のエグゼクティブに限定すると77%で、グローバルと同様の結果となりました。一方で、日本の消費者調査の結果、オンラインで車を購入したいとの回答はわずか22%で、グローバルや日本のエグゼクティブの見通しと、大きな隔たりがあることが分かりました。昨今のデジタル化の潮流のなかで、自動車販売やアフターサービスを巡る顧客体験は確実に変化しています。消費者の行動変化にはまだ時間がかかる可能性があるものの、今後サービスの利便性や合理性が向上し、消費者の経験値が上がることで、嗜好が変化していくものと考えられます。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/298973/LL_img_298973_4.jpg
図4:車のオンライン販売

5. 自動運転の実用化
今後10年間、自動運転によるライドシェアや配送サービスが市場に参入する可能性について、グローバルのエグゼクティブは、2030年までに米国(65%)、中国(64%)、日本(60%)、西欧(55%)の主要都市で利用できるようになると予測しています。
日本では2025年に向けて自動運転の実用化が進められていますが、そのような取り組みを「知っている」と回答した消費者はわずか29%という結果になりました。背景として、日本における自動運転は、ごくわずかな範囲での実証実験の段階にあることが挙げられます。米国や中国のように、一般の消費者が自動運転車に乗ることが可能な場を設ける、自動運転を用いたラストワンマイルの物品配送を体験できる場を作るなど、自動運転に対する消費者の認知度を高める取り組みが必要であると考えられます。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/298973/LL_img_298973_5.jpg
図5:日本における自動運転実用化に対する認知度

レポートの全文については、こちらをご参照ください。
https://assets.kpmg/content/dam/kpmg/jp/pdf/2022/jp-global-automotive-executive-survey-2021.pdf


《調査方法》
■グローバル調査
<名称>
KPMGグローバル自動車業界調査2021
(グローバル・オートモーティブ・エグゼクティブ・サーベイ2021、GAES 2021)
<調査期間>
2021年8月
<調査対象>
世界31ヵ国の自動車業界および周辺業界のエグゼクティブ 1,118人
※CEO372人、経営幹部325名、事業部門・部署責任者、マネージャー252人を含む
※調査対象の24%が自動車メーカー、13%がティア1サプライヤー、11%がトラックメーカー
<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<対象地域>
中国(26%)、米国(25%)、ヨーロッパ(25%)、日本、韓国、インド、カナダ、ラテンアメリカ、サウジアラビア、南アフリカ
<対象企業>
2020年の年間売上が、100億ドル以上の企業が27%、10億ドルから100億ドルの企業が35%、10億ドル未満の企業が38%

※グローバル調査に関するプレスリリースはこちら
https://home.kpmg/jp/ja/home/media/press-releases/2021/12/global-automotive-executive-survey-2021.html


■日本の消費者調査
<名称>
KPMGグローバル自動車業界調査2021
(グローバル・オートモーティブ・エグゼクティブ・サーベイ2021、GAES 2021)
日本における消費者調査
<調査期間>
2022年1月
<調査対象>
自動車を保有する18歳から64歳までの消費者 5,260名
総務省統計局「日本の統計2021」における地域別の15歳から64歳までの消費者の人口構成比をもとに無作為に1万分の1サンプルを抽出し、各地域における自動車普及率を勘案して、5,260名のサンプルを抽出
<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<対象地域>
日本国内


《KPMGジャパンについて》
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる8つのプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、またKPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。

日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社KPMG Ignition Tokyo
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