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【ダイキン】2021年度 省エネ大賞で『machiマルチ』が「経済産業大臣賞」を受賞







一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2021年度省エネ大賞で、ダイキン工業株式会社の「リモートワークなどの小部屋に対応できる個別運転エアコン『machi マルチ』」が製品・ビジネスモデル部門における最高賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。また「脱炭素社会に向けた空調省エネ 情報提供・マネジメントサービス『EneFocus α』」が同部門の「資源エネルギー庁長官賞」を、「換気機能搭載 家庭用エアコン『うるさらX(Rシリーズ)※1』」が同部門の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。省エネ事例部門では「ショールームにおける換気の最適化と空調運用改善による省エネ」が「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しています。
省エネ大賞は、優れた省エネルギー活動や製品・ビジネスモデルを推進する国内の事業者を表彰し、省エネ意識の浸透に寄与するための賞です。表彰式および受賞案件の展示は2022年1月26日(水)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるENEX2022「第46回地球環境とエネルギーの調和展(1/26~1/28)」で行われます。


受賞製品・事例の概要


1.製品・ビジネスモデル部門 「経済産業大臣賞」受賞  「リモートワークなどの小部屋に対応できる個別運転エアコン『machi マルチ』」


コロナ禍を機に増加するオフィスや店舗の個室・小部屋に最適な業務用マルチエアコンです。10㎡以下のスペースで高い省エネ性を発揮できるよう、①高効率スイング圧縮機の搭載および圧縮機の低回転時にも安定した運転精度を維持するための制御性向上、②新設計の高効率ファン、③必要能力をリアルタイムで把握して冷媒温度を最適化するVRTsmart制御などの技術を搭載した室外機と、小部屋に適した1.6kWの室内機を開発しました。これにより、10m2程度の小部屋では、従来機と比べ約50%の消費電力低減※2に成功しました。あわせて、室外機は大幅なコンパクト化を実現し施工性も向上させています。


2.製品・ビジネスモデル部門 「資源エネルギー庁長官賞」受賞  「脱炭素社会に向けた空調省エネ 情報提供・マネジメントサービス『EneFocus α』」


オンラインによる空調の遠隔監視データをもとに、お客様に合わせた省エネ運用を継続的にご提案するサービスです。省エネと快適性に最適な空調運用の自動スケジューリング、快適性を維持しながらのデマンド制御を行います。機器更新時は「最適容量選定」により、既築ビルのZEBの達成もサポートできます。加えて、オンライン監視でフロンガスの漏えいも早期検知できるなど、環境にも配慮しました。省エネ運転を行うために必要なコントローラやソフトウェアはサブスクリプションで提供するため初期導入費用や工事費用はかからず、施設オーナーは契約1年目から省エネメリットを感じることができます。


3.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞  「換気機能搭載 家庭用エアコン『うるさらX(Rシリーズ)』」


冷暖房を行いながら給気・排気換気と湿度コントロールができるルームエアコンです。従来からの給気機能に加え排気機能が備わったことで室内の熱気排出が可能になり、夏場の冷房効果を高めることができます。また季節や暮らしに合わせて除湿量を細やかにコントロールする高効率の新除湿運転、上限電流を抑制する「パワーセレクト」機能などの搭載により省エネ性と快適性をさらに向上させました。


4.省エネ事例部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞  「ショールームにおける換気の最適化と空調運用改善による省エネ」 (タカラベルモント株式会社との協創)


タカラベルモントの大規模ショールーム「TB-SQUARE osaka」(大阪市中央区)において、エネルギー使用量増加の原因を分析し、お客様とともに省エネ改善に取り組んだ事例です。1日の来客者数の変化に着目し、CO2センサーと全熱交換器の連動による換気制御の最適化を行いました。また高機能コントローラを活用した空調機の運用改善とデマンド制御、オンライン監視データによる継続的な運用改善の提案など、複数の省エネ施策を組み合わせた結果、快適性を維持しながら空調消費電力量の31.6%削減と、ピーク電力の23.7%抑制を実現しました。管理工数の低減により、空調管理に携わる従業員の作業負担も軽減しています。


受賞製品・事例の詳細


1.製品・ビジネスモデル部門 「経済産業大臣賞」受賞  「リモートワークなどの小部屋に対応できる個別運転エアコン『machi マルチ』」


リモートワークの浸透やソーシャルディスタンスの確保といった世の中の変化に伴い、オフィスや店舗での個室・小部屋ニーズが増加しています。しかし一般的な業務用空調はこうした小さな空間での使用を想定して設計されておらず、必要容量に対する空調能力が過大であるため、10㎡以下の小部屋で運転すると消費電力が大きくなってしまうという課題がありました。そこで、当社は「小部屋での省エネ性強化」「室外機のコンパクト化」「省工事と施工品質の安定化」をコンセプトとした、新しい『machiマルチ』シリーズを発売しました。


(1) 小部屋での省エネ


当社独自の高効率スイング圧縮機の搭載、圧縮機の低回転時にも安定した運転精度を維持するための制御性向上、必要能力をリアルタイムで把握して冷媒温度を最適化するVRTsmart制御、新設計の高効率ファン、専用設計した業界最小容量の室内機、といった省エネ施策の組み合わせにより、10㎡以下の小部屋での運転においては従来機と比べて約50%の消費電力量低減を達成しています。また小部屋に適した能力で安定した運転ができることから、室内温度の変動が抑制され、サーモON/OFFによる圧縮機の発停回数が30%低減※2しました。これにより省エネ性はもちろん快適性も大幅に向上しています。


画像 : https://newscast.jp/attachments/vnnTzR2a0bYDgxMJJeuZ.jpg


(2) 室外機のコンパクト化


ファンの徹底的な改良と、熱交換器の冷媒偏流抑制による高効率化で、室外機を大幅にコンパクト化することができました。業界最小かつ最軽量の室外機(製品高さ823mm、製品重量80kg)となり、生産搬入及び廃棄時など、製品のライフサイクル全体を通して環境負荷低減に貢献します。


画像 : https://newscast.jp/attachments/dTRVE5VMNdoNdiG5YftB.png


(3) 高品質で安心な施工をサポート


室内機と室外機をつなぐ連絡管の継手「ダイキンフレアレスジョイント」を新たに開発し、空調機メーカーで初めて標準搭載しました。冷媒配管を差し込み、レンチで締め付けるだけで作業のほとんどが完了するため、フレア加工を要する従来の配管施工より約14%施工時間を短縮できます。また「抜けない」「漏れない」構造で、作業者のミスや技量不足による冷媒ガス漏れのリスクも低減させます。


今後の取り組み


日本国内での普及のみならず、本商品をはじめとした省エネ製品のグローバル展開も視野に入れ、社会に貢献していきます。


2.製品・ビジネスモデル部門 「資源エネルギー庁長官賞」受賞  「脱炭素社会に向けた空調省エネ 情報提供・マネジメントサービス 『EneFocus α』」


ビル空調の使用にあたっては、電気使用量の削減やピーク電力の平準化、フロン排出抑制法に基づく点検といった環境負荷低減の取り組みが求められます。しかし施設オーナーやユーザーにとって、空調監視・制御装置の導入費用の捻出や、運用管理の徹底、点検作業にかかる工数は大きな負担になっていました。そこで当社は、省エネ運用の継続的な提案や、運用スケジュールの自動化、点検作業のサポートといった一連のサービスを、サブスクリプション方式で提供するビジネスモデルを作りました。


(1) サブスクリプション方式により初期費用をかけずに省エネ


省エネ運用を行うためには、高機能コントローラ、デマンド制御ソフトウェア等を新たに導入し、配線工事等を行う必要があります。これらをサブスクリプション方式で提供することで、資金不安を解消し、投資回収を気にすることなく、契約初年度から省エネ効果によるメリットを実感いただけます。


(2) 省エネの実現を継続的にサポート


空調機を遠隔監視し、①使用状況の見える化 ②運用改善の提案 ③運用の自動化 ④運用レポートの報告、という4つのサイクルを回すことで、お客様の継続的な省エネ活動をサポートします。①使用状況の見える化では、消費電力量を室内機ごとにランキング化し、運用改善が見込める室内機を割り出します。②運用改善の提案では、空調データとお客様への利用状況のヒアリングを基に最適な改善策を提案します。③運用の自動化では、ユーザーと協議して決定した運用スケジュールを高機能コントローラで設定し自動化します。④運用レポートの報告では、運用改善による省エネ効果をレポートとして提出するとともに、更なる省エネに向けた具体的な改善策を提案します。


画像 : https://newscast.jp/attachments/atcC8gzNCoPRayyT0oFg.png


(3) 豊富な省エネ手法とフロン排出抑制法サポート


運用の自動化に加えて、快適性を維持したデマンドピーク制御や、気象情報にあわせた自動省エネチューニングで消費電力の削減に貢献します。空調機更新の際には解析した空調運用データから実際の熱負荷に最適な必要容量を見定める「最適容量選定」により、既存建築物のZEB化のサポートも可能です。さらにオプションの「フロンサポート」では、空調運転時のフロン漏えいも早期に検知し、機器管理者へのメール通知や定期点検を実施することで、お客様がフロン排出抑制法を遵守できるようサポートします。


今後の取り組み


お客様とつながるサポート体制と環境ソリューションを広く提供して、「省エネ」「ZEB化」「フロン漏えい抑制」のニーズに応えるとともに、地球環境の負荷軽減に貢献します。


3.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞  「換気機能搭載 家庭用エアコン 『うるさらX(Rシリーズ)』」


コロナ禍で在宅時間が増える生活においては、シーズンを問わずこまめな換気が求められています。しかし換気時に外気が室内に入ってくると、急激に室内の温度や湿度が変化するため、快適性が損なわれるだけでなく電気代が高くなるという課題がありました。そこで当社は冷暖房しながら換気ができ、細やかな湿度コントロールやデマンドピーク制御もできる、新しい『うるさらX』を開発しました。


(1) 冷暖房しながら省エネ換気 『給排気換気』機能


従来の『うるさらX』は、室外機の上に搭載した加湿換気ユニットと専用の換気ホースを使って屋外の空気を室内に送り込む給気換気機能が特長でした。本商品では新たにお部屋の空気を外に出す排気換気機能を搭載しました。加湿換気ユニット内部にはダンパー構造を設けており、お客様の生活シーンに合わせて給気と排気を切り替えることが可能です。夏場は室内の温度が屋外より高い場合に排気換気を行い、熱気の排出後には自動で給気換気に切り替える機能も搭載しました。冷暖房しながら換気することで室温を維持できるため、快適性と省エネ性が両立できます。


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(2) 急激な温湿度の変化が起きてもしっかり除湿 リニアハイブリッド方式『さらら除湿』


季節や暮らしのシーンで変化する室内の熱負荷に合わせて、除湿量を繊細に調整できる業界初※3の新機能を搭載しました。気温の高い夏場には除湿量を大幅に増加させ、梅雨や春先、秋口には冷媒流量をこまやかにコントロールして肌寒さを感じさせることなくしっかり除湿することができます。除湿量を従来機の1.5倍※4にアップさせるとともに、運転効率も10%※5向上させました。


画像 : https://newscast.jp/attachments/TpJjBq9GUnpEsDHVu3bL.png


(3) 電力供給のひっ迫や蓄電池の普及に対応し消費電力を抑制する「パワーセレクト」機能を搭載


エアコンは運転起動時に最も多くの電力を消費します。本商品に搭載する「パワーセレクト」は起動時のピークを15%カットすることにより節電効果をもたらします。近年は、平常時のエネルギー使用量抑制や自立的なエネルギー供給が可能な「レジリエンス住宅」が注目されていますが、電流値の上限を設けて急激なエネルギー消費を抑制する「パワーセレクト」機能は、非常時の蓄電池電源での運転でも効果を発揮します。さらに電力消費に伴うCO2排出の抑制にも貢献します。


今後の取り組み


製品・サービスの環境性能を向上させ持続可能な社会に貢献するとともに、社会状況の変化や市場のニーズを汲んだ換気搭載商品を普及させ、快適性や安心感を世の中に提供していきます。


4.省エネ事例部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「ショールームにおける換気の最適化と空調運用改善による省エネ」 (タカラベルモント株式会社との協創)


理美容総合ショールーム「TB-SQUARE osaka」は「美の情報発信基地」として、2016年にオープンしました。地上6階建てで解放感のある大空間には、理美容に関する教育スタジオや、300名規模のイベントホール、最新のサロンメニュー体験設備や製品展示スペースがあり、国内外から多くの理美容関係者が集います。しかしタカラベルモントが所有する同規模のビルと比較してエネルギー使用量が多いという課題があったため、原因の分析と対策の依頼を受けた当社が現地調査を行い、下記の省エネ施策を提案、お客様とともに改善に取り組みました。その結果、ショールームとしての快適性を維持しながら、年間で31.6%の空調消費電力量の削減と23.7%のピーク電力抑制を達成しました。


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(1) CO2センサー導入による最適な換気制御の実現


外気の導入による熱負荷は空調負荷の約1/3を占めており、過剰な換気は消費エネルギーの増大につながります。「TB-SQUARE osaka」ではオープン当初より、排気時に放出する空調エネルギーの回収が行える全熱交換器を導入し、空調負荷の軽減に取り組んできましたが、当社が行った現地調査では、ショールームへの来客者数が日によって大きく変動するにもかかわらず、全熱交換器が一律に運用されていることが判明しました。そこでCO2センサーを新たに導入して人の混み具合を検知し、全熱交換器との連動制御を行いました。来客者数に応じて換気量が最適化されたことで大幅な省エネを実現できました。


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(2) 高機能コントローラ導入による空調機の運用改善・デマンド制御


ショールームでは多くの方の来場を想定し快適性を優先した空調運転を行っていたため、設定温度を過剰にしていたり、人の不在時にも長時間の運転を行っていた可能性がありました。しかし専任の管理者もおらず、実態に合わせた空調機の手動管理は困難な状況でした。そこで高機能コントローラ『intelligent Touch Manager』の導入により、施設内における空調機の一括管理と、使用状況のヒアリングに基づいた空調スケジュール運用の自動化を実施、これにより空調機の効率的な運転だけでなく、管理に携わる従業員の作業工数の削減も実現しています。あわせて同コントローラを活用した空調のデマンド制御も行い、ピーク電力の抑制も達成しました。
また空調機は当社の遠隔監視システムを用いて、運転データの蓄積・分析を行っています。これらのデータを活用することで、運転実績に基づいた提案が可能となり、継続的に運用改善を実施することができます。


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今後の取り組み


本事例のように来客者数の変動による空調負荷の想定が難しい場所において、CO2センサーと全熱交換器の連動制御や、高機能コントローラでの空調機の運用改善・デマンド制御といった省エネ施策を、より一層展開することを目指してまいります。


※1 受賞対象機種は『うるさらX(Rシリーズ)』の2.2kW~8.0kW機種。
※2 想定条件:
・負荷条件/10m2小部屋1部屋、冷房JIS標準条件、設定温度25℃
・想定システム/(従来機)室内機 FXYKP22CB×8台接続、1台運転 室外機 RXTP160DA ×1台
  (新機種)室内機 FXYKP16CS×8台接続、1台運転 室外機 RXTP160F ×1台
※3 2021年9月6日発表。家庭用エアコンで熱交換器の冷却・加熱どちらにおいても冷媒流量をリニアに制御する技術。
※4 一般財団法人日本冷凍空調工業会基準。室内温度24℃、室内湿度60%、外気温度24℃、外気湿度80%の恒温室にて除湿運転した場合(設定しつど「連続」)。従来方式とリニアハイブリッド方式との最大除湿量を比較。
従来方式/ 2021年モデルAN40YRP、900ml/h、消費電力400W、吹き出し温度24℃。
リニアハイブリッド方式/ 2022年モデルAN40ZRP、1500ml/h、消費電力600W、吹き出し24℃。
※5 一般財団法人日本冷凍空調工業会基準。室内温度24℃、室内湿度60%、外気温度24℃、外気湿度80%の恒温室にて除湿運転した場合。2021年モデルAN40YRPと2022年モデルAN40ZRPとの比較において。

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