新牛舎外観
●“相次ぐ酪農家廃業への危機感”~新牛舎設立の経緯~
「株式会社秋葉乳業」は、観光牧場「成田ゆめ牧場」を運営する「株式会社秋葉牧場」より酪農・乳製品製造部門を独立させた新会社であり、併せて株式会社秋葉牧場ホールディングスを形成します。株式会社秋葉牧場は、明治20年に酪農家として創業し、130年以上酪農を主軸に事業運営を行っております。千葉県は酪農発祥の地でありながら、後継者不足による相次ぐ廃業により現在酪農家は500件未満まで衰退しております。昔は身近であった酪農や牛が遠い存在になっている現状に危機感を覚えた当牧場は、酪農を主軸に置いた6次産業事業を拡大することで、“次世代の酪農家モデルケース”として道を切り開きたいという強い想いを持ちました。
酪農・乳製品製造に力を入れるため「秋葉牧場」から酪農・製造部門を「秋葉乳業」として分社化。2022年9月までに牛の搾乳頭数を現在の約60頭から220頭まで増加させるため新牛舎を設立いたしました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/289677/LL_img_289677_1.jpg
新牛舎外観
●新牛舎の特徴
(1) 個別管理から群管理へ
1頭ずつ繋ぎで飼育する個別管理から、パドック(広場)にて放牧飼育する群管理へと変更。現在、ヨーロッパをはじめ動物福祉の観点から繋ぎ飼育に問題意識が持たれています。群管理にすることで自由採食ができ、牛のストレス軽減が期待できます。また老齢個体が自然と淘汰されることで、牛の世代交代による生産効率向上も見込みます。
(2) ミルカー搾乳からパーラー搾乳へ
スタッフがミルカーという機械を使用し1頭ずつ行っていた搾乳を、牛自らが搾乳室に入って機械を装着し同時に複数頭の搾乳ができるパーラー方式に変更。今まで60頭2時間ほどかかっていた搾乳時間が、同じ2時間で200頭以上の搾乳が可能となります。
(3) ストレス環境の改善
・屋根の高さを高くした換気性向上による感染症対策
・屋根からの散水設備導入による夏場の暑熱対策
・目に優しいライトを使用し、牛へのストレス軽減
等、感染症や暑さに弱い牛たちの健康を第一に考えたハード面の工夫を行いました。
これらの飼養環境改善やエサの工夫により、搾乳量を1日1頭平均30kg→38kgまで目指します。
●今後の事業展開
2022年9月までに搾乳頭数を220頭まで増加させ、最終目標は300頭を目指します。乳製品の安定製造が可能となれば、将来的に東南アジアへの乳製品輸出も視野に入れております。
旧牛舎に関しては、観光牧場「成田ゆめ牧場」の観光用施設として順次リニューアルいたします。生産だけでなく、観光としてお客様に酪農を伝える場として乳搾り教室会場の拡大等を予定しております。
頭数に比例する牛糞増加については新機材を導入することで、高品質な肥料として商品化も見据えております。
牛糞肥料は土中の繊維分や有機物が増える栄養価の高い肥料であり、「次の緑を作る」SDGsの取り組みとなります。
●今後のスケジュール
2021年12月20日(月) 正式稼働
2021年12月21日(火)~23日(木) 牛移動
2021年12月24日(金) 竣工式
株式会社秋葉牧場は、2022年をもって創業135周年を迎えます。節目の年に経営基盤である「酪農」を再構築し、酪農の明るい未来のため先陣を切ってまいります。
【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】
株式会社秋葉牧場
TEL :0476-96-1001
所在地:千葉県成田市名木730-3