ダイキン工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 兼 CEO:十河政則、以下「ダイキン工業」)とフェアリーデバイセズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:藤野真人、以下「フェアリーデバイセズ」)は、両社が取り組む空調の現場に適した『Connected Worker Solution ※1(コネクテッドワーカーソリューション、以下「CWS」)』の開発・改善や空調の現場業務への実装に関わる技術領域において、グローバルな知財ポートフォリオの構築・拡充の取り組みを開始します。
※1 「CWS(Connected Worker Solution )」は、現場の作業員がデジタルデバイスを装着し、いつでもインターネットに繋がることによって、現場作業のリアルタイム遠隔支援、熟練工スキルのデジタル化による技能伝承、業務の効率化を支援するためのサービス。(詳細: https://fairydevices.jp/cws )
これまでの両社の取り組み
フェアリーデバイセズはこれまで、働く人のコネクテッドワーカー化を通じた現場業務のデジタルトランスフォーメーション(以下、「現場DX」)を実現するため、スマートウェアラブルデバイス『THINKLET®(シンクレット)』及びそのプラットフォームを開発し、改良を進めてきました。また、ダイキン工業は、世界のエアコン台数が2050年までに現在の約3倍に増加する※2と言われる中、空調機の設置やメンテナンスなどの現場業務における工事品質の向上や人手不足への対応にグローバル規模で取り組んできました。2019年11月に連携を開始した両社は、フェアリーデバイセズが持つ『THINKLET®』とダイキン工業が開発した現場作業支援アプリケーションを組み合わせて空調現場に適した『CWS』を開発し、空調業界における現場DXを積極的に進めています。現在では、日本及び世界13ヵ国において空調メンテナンス業務の効率化や、海外エンジニアへの技能伝承、現場データ蓄積による業務高度化などの様々な効果を創出しています。
※2 IEA(国際エネルギー機関)が2018年に発表したレポート「The Future of Cooling」による。
取り組みの概要
現場DXのデファクトスタンダードを構築するとともにグローバルへの展開を加速させるうえで、豊富な特許群の保有とそれを活用した知財戦略が重要になっています。今回の取り組みは、フェアリーデバイセズが持つAIやDXに関する技術や経験と、ダイキン工業が世界の空調現場で長年培ってきた技術とノウハウを組み合わせて開発した空調現場向け『CWS』の技術領域における多彩な特許の取得を基礎とするものです。保有する特許をもとに知財ポートフォリオを構築し、グローバルで特許数を増やしながら拡充していくことで、関連する技術領域における先行者優位性を確保しつつグローバルでの現場DXの加速を目指します。さらに、知財ポートフォリオを他企業とのオープンイノベーションに活用することで、2社だけでは実現できない現場DXの高度化にも挑戦します。
両社はこれまでに、フェアリーデバイセズが着想・具現化した『CWS』に関する基本特許に加え、空調現場における現場DXのプラットフォーム・アプリケーションに関して、既に複数の特許を共同で出願しています。今後、グローバルの空調現場に向けて『CWS』の展開を加速していく中で、地域ごとの作業者の熟練度や作業環境の違いに応じた運用方法や固有機能が求められます。これらの現場ニーズに対応するたびに得られる新たな技術や経験を特許群に加えながら知財ポートフォリオの拡充を進めていきます。さらに将来的には、本知財ポートフォリオを構成する特許を両社以外の複数の協創パートナー企業間でシェアできる仕組みを構築することで『CWS』を様々な業界に普及させ、多様な事業領域における現場DXの高度化を推進します。
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フェアリーデバイセズ顧問 増島雅和のコメント
大企業がスタートアップの国際的な知財ポートフォリオの構築をオープンイノベーションの枠組みにおいて支援・共同で取り組むのは国内では類を見ない事例です。高度な知財戦略の立案と実行がグローバルな成長のカギとなっている先進的ITの事業領域において、この取り組みは我が国における先端的な事例であり、我が国の知財に纏わるオープンイノベーションの在り方に一石を投じるものといえます。これを機に同様の取組みが広がっていくことを強く期待しています。
ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター長 米田裕二のコメント
今後も新興国を中心に拡大を続ける空調市場において熟練人材の不足が一層懸念されています。フェアリーデバイセズと取組んでいる「コネクテッドワーカーソリューション」は、人材不足の解決と同時に、世界の多種多様な現場で発揮される熟練のノウハウをデータとして蓄積・共有することができ、現場課題の解決と現場力強化の両立を狙える事業成長の根幹となるプロジェクトです。本枠組みにより、類まれな先端技術を持つフェアリーデバイセズと様々な現場を持つ当社が強固かつオープンな協力関係を結び、技術力と現場課題を掛け合わせた知的財産権の強化をよりスピーディに行えるようになります。日本の強みである製造業の現場力をより速く強く世界展開し、空調産業として活発化させ、人々の働く環境や生活環境をより豊かにしたいと思います。
フェアリーデバイセズ株式会社について URL: https://www.fairydevices.jp/
フェアリーデバイセズ株式会社は、「使う人の心を温かくする一助となる技術開発」を目指し、VUI※3・VPA※4関連技術や音声認識/音声翻訳関連技術とクラウド基盤、それらの性能を活かすエッジデバイスの開発を通して、音声技術を中心とした機械学習技術の実業務現場への適用を推進して参りました。さらに、現場の人から生まれる各種のデータ解析や、それらに関わる最先端の応用研究を実装した業務ソリューションを、デバイスからクラウドまで一気通貫で提供することによって、様々な業界のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。
※3 VUI:Voice User Interface
※4 VPA:Voice Personal Assistant
ダイキン工業株式会社について URL: https://www.daikin.co.jp/
ダイキン工業は、海外売上高比率が7割を超え、グループ全従業員の8割以上が海外で働いているグローバルメーカーです。1924年の創業以来、空調事業、フッ素化学事業を主力に成長を続け、世界中に100以上の生産拠点を持ち、160を超える国と地域で事業を展開しています。世界の文化や価値観から生まれるニーズに応え、人と空間を健康で快適にする製品・サービスを提供しています。
※本プレスリリースに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。