山小屋の文化も日本独特のもの
北アルプスの眺めを楽しむ外国人旅行者
サイクリングの途中で江戸時代の名残を探す
安曇野市内のハイキング実地研修
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山小屋の文化も日本独特のもの
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北アルプスの眺めを楽しむ外国人旅行者
■背景
長野県のほぼ中央に近い場所に位置する安曇野市は、北アルプスという日本有数の山岳観光資源を持っています。その資源をインバウンド観光に生かすために、英語版ハイキングマップの作成などが行われ、このエリアを訪れる外国人から非常に高い評価を得ることができました。しかし、これまで行われてきたのは、ハード面を中心とした取り組みが中心でした。来ていただいた外国人旅行者により高い満足度を感じてもらうためには、ソフト面の充実が欠かせません。そこで、安曇野市は、ハイキング、および市街地観光において、世界水準のガイディングができる人材を養成する取り組みを始めました。これはアドベンチャートラベル(AT)に対応したものとしては、現在、日本国内で唯一の講座です。
人材育成は、すぐに成果が出るものではないため、じっくりと腰を据えて取り組む必要があります。2019年度からスタートしたこの取り組みは、今年度で3年目を迎えますが、今年からは、地域通訳案内士制度への適用が決定し、また一歩、安曇野市の人材育成に向けた取り組みが進化を遂げました。
■アドベンチャートラベル(AT)とは
「アクティビティ」、「自然」、「異文化体験」の3つの要素のうち2つ以上で構成される旅行形態です。その市場規模は欧米を中心に約50兆円とされ、年々世界的に拡大しています(新型コロナウイルス前)。長期滞在が多く、教育水準が高い富裕層の割合が大きい市場であり、一人当たりの平均支出額は訪日外国人平均の約2倍です。旅行にあたっては、より深く地域を知ろうとする知的好奇心を持ち、その土地ならではの体験に高い価値を認めるため、よりローカルな地域に対する旅行消費額の貢献度が高いことが特徴です。しかし、その満足度を高めるためには、ストーリーテリングや演出などにより、新しい発見や挑戦を通して得られる達成感のある旅を提供できるガイドの存在が欠かせません。
■アドベンチャートラベル(AT)に対応するガイドとは
ATトラベラーは日本以外の他の国でもガイドと一緒に様々なアクティビティを経験しています。これは日本のガイドにも海外と同水準のクオリティーを求めることを意味します。世界のAT市場を代表する団体である、Adventure Travel Trade Association(ATTA)が、ATガイドのあるべき姿として、Adventure Travel Guide Standard(ATGS)を示しています。日本におけるATガイドは、その基準に準拠することはもちろん、日本の文化や歴史、自然を世界の目線で理解し、そしてプログラム実施地域の特性にマッチしたプログラムが提供できるスキルも重要となります。
●スキル1:日本全体と当該地域のインバウンドを取り巻く環境、
アドベンチャーツーリズム(AT)について理解している。
●スキル2:活動内容にあったガイディング技術を身に付け、英語で
ガイディングを実施できる。また活動内容にあった救急法
(都市型救急法・野外救急法)を身に付け、英語で傷病者ケアを
実施できる。
●スキル3:ハザードの認識とリスク評価を行い、その評価に基づいた
リスク管理を行うことができる。
●スキル4:英語での円滑なコミュニケーションを通じ信頼関係に基づいた
クライアントケアが実施でき、また効果的なリーダーシップを
発揮しグループコントロールができる。
●スキル5:自然、文化や歴史に関係する地域の観光資源を掘り起こし、
英語で魅力的なインタープリテーションを実施できる。
●スキル6:自然環境また地域経済に対して持続可能な方法でガイディングを
実施できる。
●スキル7:地域の観光資源を素材に、魅力的なATツアーを造成し、海外の
旅行会社に英語で売り込むことができる。(=事業者目線での能力)
※2~6はATGSに示される5 competenciesに相当します。
■地域通訳案内士制度とは
外国語を用いて、旅行に関する案内を行うガイドの国家資格である「全国通訳案内士」に準ずるもので、定められた地域内において各自治体が独自に定める外国語ガイド資格です。改正通訳案内士法に基づいて実施されます。
■英語地域通訳案内士養成講座
講座名(1) :「Hiking Guideコース」
日付 :2021年5月~2021年1月
開催地 :安曇野市内施設及び観光地、北アルプス山岳エリア
講座 :全10回(22日間)
参加費 :10万円・税込み
講座名(2) :「City Guideコース」
日付 :2021年5月~2021年8月
開催地 :安曇野市内施設及び観光地
講座 :全5回(9日間)
参加費 :4万円・税込み
参加条件 :講座により、英語能力及び登山経験の証明が必要
参加申込〆切:2021年4月30日(講座(1)、(2)共)
■安曇野市海外プロモーション協議会 概要
名称 :安曇野市海外プロモーション協議会
代表者:小岩井 清志
目的 :農産物輸出と外国人旅行者誘致を連携させ、
地域経済の活性化を図ることで雇用の創出に取り組む
所在地:安曇野市豊科6000番地
設立日:平成28年7月14日
構成 :一般社団法人安曇野市観光協会、安曇野市商工会、あづみ農業協同組合、
安曇野市農業再生協議会
事務局:安曇野市(政策部政策経営課、商工観光部観光交流促進課、農林部農政課)