新型コロナウイルスの影響について
「悩み」の項目別相談比率
職場の悩み
メンタル不調・病気の悩み
今年で14回目を迎えた「働く人の電話相談室」は、新型コロナウイルスの仕事と心への影響についても多くの相談が寄せられました。期間中に寄せられた延べ330名、527件(※相談者からの主訴を最大3つまで選択する方式として集計)の相談から、相談内容を集計し、結果をまとめましたのでご報告いたします。
新型コロナウイルスやテレワークの浸透がどう影響したかについて、「職場の悩み」「キャリアに関する悩み」が過半数を占め、経営環境、雇用関係等の変化により職場の人間関係や就業に関する相談件数が多くを占めた結果となりました。また相談相手となる対象者が知人や友人と答えた方の割合が昨年の2倍と、新型コロナウイルスの影響で人とのコミュニケーションのしにくい状況下では、身近な存在が大きいことを示しています。
<第14回「働く人の電話相談室」の結果 主なポイント>
・新型コロナウイルスの影響による職場、キャリアに関する悩みが過半数を占める
・コミュニケーションのしにくい環境下で相談相手は知人友人が倍増
・相談相手は知人や友人、上司など身近な存在が支えに
■新型コロナウイルスの影響による職場、キャリアに関する悩みが過半数を占める
今年は新型コロナウイルスの影響とテレワークの普及状況を鑑み、相談に関する内容のなかに新型コロナウイルスやテレワークがどう影響したのかについて、多くの相談や悩みの声が散見されました。寄せられた相談の22.0%が新型コロナウイルスの影響を受けたという声があった一方で、テレワークについては2%弱にとどまりました。
新型コロナウイルスの影響面で顕著だったのは「職場の悩み」(36.6%)、「キャリアに関する悩み」(24.4%)の2点で6割を占め、コロナ禍で雇用不安や解雇など働く人の環境変化が影響していると考えられます。また「職場の悩み」全体のなかでは「人間関係」が32.9%と昨年に引き続き最も高く、「キャリアの悩み」の項目では「就職・転職・退職」が52.0%と、昨年同様最も高い結果となっています。寄せられた相談には新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに閉じこもりがちになった、仕事が見つからない、減ったといった声が多く、新型コロナウイルスによる職場の経営・雇用環境の変化などが影響を及ぼしていると考えられます。
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新型コロナウイルスの影響について
相談全体の悩みの分類では昨年に続いて「職場の悩み」(32.3%)に次ぎ「メンタルの悩み」(17.3%)が多く、「うつ」「その他精神疾患」が高い割合を示し、「キャリアに関する悩み」(14.2%)のなかで「仕事の適正」「就職・転職・退職」が昨年に比べ割合が増しており、いずれも新型コロナウイルスの影響による経営環境、職場環境の変化が影響を与えていると推察されます。また「家族に関する悩み」(13.7%)の割合が昨年に比べ増加しており、その中でも「夫婦関係」「介護」は昨年より大幅に増加、ステイホームやテレワークが家庭環境に影を落としているともいえそうです。
<「悩み」の項目別相談比率>
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「悩み」の項目別相談比率
<「職場の悩み」の内訳と割合>
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職場の悩み
<「メンタル不調・病気の悩み」の内訳と割合>
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メンタル不調・病気の悩み
<「キャリアに関する悩み」の内訳割合と昨年比較>
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キャリアに関する悩み
<「家庭に関する悩み」の内訳割合>
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家庭に関する悩み
■相談相手は知人や友人、上司。身近な存在が支えに
昨年に比べ同僚や家族といった関係から、知人や友人、上司など身近な存在の相談相手の割合が大きくなっているのが特徴です。
<相談相手の内訳と割合>
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相談相手の内訳と割合
<相談者の属性と割合>
非正規社員割合が倍近くに増え、雇用関係の不安定さが反映していると推察されます。
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相談者の属性と割合
■40代から60代の相談割合が大きく増加
回答者は昨年と同様、女性が60.9%、男性が39.1%と女性が6割を占めています。年代別にみると50代、60代の伸びが顕著となっており、雇用不安や定年再雇用などが影響していると考えられます。
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男女比
<年代別相談者の割合>
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年代別相談者の割合
【2020年度「働く人の電話相談室」実施概要】
●実施日時:2020年9月10日(木)~12日(土)午前10時~午後10時
●実施場所:一般社団法人日本産業カウンセラー協会各支部19拠点
●実施方法:フリーダイヤルによる電話受付
●集計総数:延べ 330名、527件
●集計方法:
相談内容をA~Hまで8つのカテゴリーに分類、それぞれのカテゴリー内に最大11個の項目を設定し、相談者からの主訴を1つから最大3つまでを選択する方式として集計した。また、カテゴリーA『職場の悩み』のうち、(1)職場の人間関係、(2)セクハラ、(3)パワハラ、(4)その他のハラスメント、の4項目については、悩みの対象が誰なのか「1 男性」「2 女性」、相談者との関係性「1 上司(役員含め)」「2 部下」「3 同僚」「4 非正規社員」「5 その他・不明」と細分化し、項目の選択から悩みの内容を類推できるようにした。