ロゴ
本文サンプル1
本文サンプル2
本文サンプル3
現在、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるっており、社会全体が不安な日々を過ごしています。はたして最先端の科学や医学は、この感染症をどう克服するのか……。その成果に期待を寄せられているのが、まさに遺伝子研究の最前線です。本書で登場する研究のすべてが、新型ウイルスへの対抗策と密接に関連していると言っても過言ではありません。
本書は、最先端の研究が明らかにした私たちの命を支えるDNAの世界、その精密なはたらきや未来を生き抜く力につながるしくみを鮮やかに描き出す、大迫力のビジュアルブックです。生命科学に興味を持つ全ての方に、その知的好奇心を満たす書籍であると確信しています。以下に概要をご説明します。
■【あとがき】より番組制作ディレクター白川 裕之のコメント
2020年1月、『NHKスペシャルシリーズ人体II「遺伝子」』の書籍化の編集作業中に、予期せぬ事態が世界中を襲った。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)だ。中国の武漢市で感染症が拡大した当初から、私自身もNHKスペシャルで緊急報告の番組制作を開始し、それを皮切りとして今なお新型コロナウイルス関連の特集番組の取材に取り組んでいる。その中で、痛感していることが一つある。それは、本書に描かれている、最新のゲノム解析が拓く新たな生物学の世界を知ることが、この未知の新型ウイルスと向き合う上できわめて重要であるということだ。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/226532/LL_img_226532_1.jpg
ロゴ
■書籍概要
第1集Part1で描出されているのは、近年のゲノム解析技術の飛躍的進歩について。象徴的なのは、ゲノム情報からその持ち主の顔を浮かび上がらせる研究です。従来の遺伝子解析からは、瞳の色や肌の色、髪質など断片的な情報しか分かりませんでした。しかしヒトの膨大なゲノム情報のすべてを読み込み解析することで、顔立ちを精緻に再現する技術が生まれようとしています。
さらにPart2では、私たちのゲノムに秘められた驚異の能力と多様性について、Part3ではゲノムのわずかな違いが、どのようなしくみで多様な体質の変化を引き起こすのか、Part4では私たちの誰もがおよそ70個の新たな突然変異を生まれもつことの意味と、生物多様性の医学応用など“トレジャーDNA”の意義をさまざまな角度から論じています。
第2集では遺伝子研究の中でも最も新しく、ホットな分野の一つである「エピジェネティクス」を取り上げています。「(遺伝的な意味で)私たちは自分の運命を変えられるのか?」親から受け継ぎ、生まれもった遺伝子こそがさまざまな能力や性格、体質や病気のなりやすさなどを決めるものです。「生まれもった遺伝子は死ぬまで不変」ゆえに「運命を決めるもの」とされてきました。しかし実は遺伝子には、その働きをまるでスイッチのように変えるしくみ、いわば“運命を変えるしくみ”があることが分かってきました。先祖から受け継いできた「変わらないもの」と、環境の変化や一人一人の努力によって「変わるもの」。どちらも自分の体の中にあるという、神秘と希望を感じる1冊です。
名称 :NHKスペシャル人体II遺伝子
編 :NHKスペシャル「人体」取材班
刊行日:2020年9月15日
価格 :本体2,800円+税[ISBN 978-4-260-04244-4]
内容 :▼第1集 あなたの中の宝物“トレジャーDNA”
DNAには長らく役割が不明で“ジャンクDNA”とさえ言われた領域があった。
しかし、最新科学がそこに光を当てた。ゴミの山と思われた場所から、
いま次々と「トレジャー」が発見されている。
▼第2集 “DNAスイッチ”が運命を変える
人は、生まれ(遺伝子)と育ち(環境)どちらが重要か?答えの鍵は
“DNAスイッチ”とも呼べるしくみ、「エピジェネティクス」にあった。