代表弁護士 井上 昌哉
交通事故で重い障害が残った場合、将来の労働で得られるはずだった「逸失利益」が支払われますが、その賠償方法について争われた裁判で、最高裁第1小法廷(小池 裕裁判長)は令和2年7月9日、被害者が求めれば定期的な支払いも認められる、定期払いの期間中に被害者が亡くなったとしても、加害者側の賠償義務が続くとの初判断を示しました。
これまで実務上は一括払いが原則でしたが、定期払いが認められたことで、被害者の状況に応じて、より適切に賠償が得られるようになります。
しまかぜ法律事務所では、交通事故について情報提供するとともに、ご遺族や交通事故の被害に遭った方が適正な賠償額で解決ができるよう全面的にサポートしてまいります。
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代表弁護士 井上 昌哉
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■一括払いの主な特徴
・最初にまとまった金額を受け取ることができる
・将来の経済リスクに影響されない
・障害が重くなっても増額することができない
・利息が控除されるため受け取れる金額が少なくなる
■定期払いの主な特徴
・利息が控除されないので受け取れる金額が大きくなる
・障害が重くなったら増額を申し立てることができる
・定期払いの期間中に被害者が亡くなったとしても、加害者側の賠償義務が続く
・将来、支払いが滞る可能性がある
・保険会社とのやりとりが長期間続く
■一括払いと定期払いの受取金額の違い
一括払いと定期払いの大きな違いが、利息が控除されるかどうかです。
具体的に受取金額にどのくらい違いがあるのか計算してみます。
<例>
平均賃金:500万
労働能力:100%喪失
症状固定:35歳(労働能力喪失期間32年間)
過失相殺:なし
◎一括払いの場合
一括払いの場合、5年後、10年後に受け取るはずのお金を先に受け取ることになり、先に受け取ることができたお金は、利息がつきます。
利息は、民法で定まっている年利5%(令和2年4月1日以降に発生した事故の場合3%)で計算され、控除されます。
この利息を考慮した逸失利益を算定する際に利用する係数を「ライプニッツ係数」といい、逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間によるライプニッツ係数で算定されます。
32年間のライプニッツ係数は15.8027ですので、500万円×100/100×15.8027=7901万3500円 (令和2年4月1日以降に発生した事故の場合、32年間のライプニッツ係数は20.3888ですので、500万円×100/100×20.3888=1億0194万4000円)
◎定期払いの場合
500万円×32年間=1億6000万円
このように、定期払いの方が受け取れる金額が大幅に増えます。
逸失利益は、一般的に、賠償項目でもっとも高額となりますので、適正な算定方法で算出することが非常に重要となります。
一括払い、定期払いそれぞれ長所、短所がありますので、依頼者のご意向を伺いながら、適正な賠償額で事故の解決ができる交通事故専門の弁護士にご相談いただくことが大切です。
■事務所概要
事務所名: しまかぜ法律事務所
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