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「UDF(ユニバーサルデザインフード)」生産量倍増◆前年対比は生産量241.5%・生産額150.3% ◆製品登録数は1,989アイテム ◆「介護食品」の認知率ほぼ5割(認知度定点調査結果)



UDF製品登録状況


生産量表


UDF生産量グラフ


UDF個数グラフ

今般、日本介護食品協議会(会長:森 佳光(キユーピー(株) 執行役員 広報・グループコミュニケーション室長)、会員企業数86社)は、会員企業を対象に令和元(2019)年(暦年)のUDF生産統計を集計しました。この結果、生産量58,387トン、生産額43,044百万円で前年対比はそれぞれ241.5%、150.3%と著しく増加しました。





■製品登録数は1,989アイテム

UDFの製品は、現在1,989品目が登録されています(前年同期から114品目減)。今回の発表数は調査開始以来の減少となりましたが、これは昨年度あらたに導入したUDF申請登録管理システムにより、各社の登録アイテムを精査した結果、終売品の整理がまとめて行われたことによるものです。





■「介護食品」の認知率ほぼ5割(認知度定点調査結果)

本会では、4月にインターネットを用いて、「介護食品」や「UDF(ユニバーサルデザインフード)」についての認知度調査(前回は平成30(2018)年4月。隔年調査)を実施しました。調査対象は一般消費者で、食事介護者の有無や年代別に集計を行いました。

この結果、介護食品が市販されていることを「知っている」との回答は全体で49.2%でした。年々高齢化率が高まる中、「介護食品」の存在はもはや国民2人に1人が知るところとなっています。



*本リリースの詳細については以降をご参照ください。

*本リリースについては協議会ホームページからもご覧いただけます。 https://www.udf.jp/





■「日本介護食品協議会」について ~介護食品の規格を統一~

我が国は、すでに「超高齢社会」となっていますが、以前より食品メーカーでは「介護」シーンでの利用を考慮した食品の開発や販売を行ってきました。しかし、当初の「介護食品」はメーカーによって製品の規格や表示方法が異なるため、利用者の不便が指摘されていました。

そこで、これら利用者の不便を解消するため、食品メーカーを中心に、素材や容器など多くの企業が集まり、『日本介護食品協議会』を設立(平成14(2002)年4月)し、介護食品の「食べやすさ」「使いやすさ」などについて「統一規格」を制定(平成15(2003)年6月)しました。協議会ではその規格に適合する製品をすべての人が食べやすいことから「UDF(ユニバーサルデザインフード)」とし、以降、次々とUDFロゴマークを表示した製品が誕生、現在もその数は増え続けています(令和2年(2020)年5月末現在1,989品目を登録)。

協議会では、「UDF(ユニバーサルデザインフード)」をすべての利用者に安心して使っていただくために、関連する情報の発信や普及啓発活動、自主規格の整備などを行い介護食品業界の健全な発展を目指すとともに、みなさまの食べる楽しみを通じてQOL(クオリティーオブライフ・生活の質)の向上に貢献していきたいと考えています。

*会員企業数は、令和2年(2020)年6月1日現在86社となっています。





■「UDF(ユニバーサルデザインフード)」とは

日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品です。その種類も様々で、レトルト食品や冷凍食品などの調理加工食品をはじめ、飲み物やお食事にとろみをつける「とろみ調整食品」などがあります。

UDF(ユニバーサルデザインフード)のパッケージには、必ずUDFマークが記載されています。これは日本介護食品協議会が制定した規格※に適合する製品だけについているマークです。お客さまが選びやすいよう、どのメーカーの製品にも「かたさ」や「粘度」の規格により分類された4つの区分については「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」を、とろみ調整食品については「とろみ調整」をUDFマークとともに表示しています。これらの表示を目安にご利用に適した製品を安心して選んでいただけます。

まずはパッケージのUDFマークをご覧下さい。

※協議会会員である食品メーカーはこの規格に基づき製品を製造・販売しています。

*UDF(ユニバーサルデザインフード)区分表等については以降をご参照下さい。





■【区分別】

まず、区分別集計の全体(市販用・業務用合計)では、「容易にかめる(区分1)」が生産量35,664トン、生産額16,026百万円で、前年対比各569.1%、301.9%、「歯ぐきでつぶせる(区分2)」が同6,294トン、4,631百万円、同219.2%、173.4%、「舌でつぶせる(区分3)」が同8,515トン、9,025百万円、同107.4%、108.8%、「かまなくてよい(区分4)」が同4,050トン、4,321百万円、同114.7%、117.7%、「とろみ調整食品」が3,864トン、9,040百万円、同108.0%、104.1%ででした。

「容易にかめる(区分1)」の急増については、市販用UDFに食パン製品などがあらたに登録されたこと、同様に急増した「歯ぐきでつぶせる(区分2)」では、業務用において従来介護食品としても活用実績のある製品がUDFを取得したことに起因しています。「かまなくてよい(区分4)」についても引き続き好調に推移していることから、在宅でのミキサーやペースト食の調理について、介護者の負担軽減の観点から引き続き積極的に活用されていることがうかがえます。同区分へは新製品も投入されるなど近年では製品提案が盛んとなっています。

「とろみ調整食品」は、その汎用性の高さから在宅介護においても医師はじめ介護関連職種より利用を勧められるケースが多く、利用度は高くなっています。

市販用・業務用をあわせた全体から各区分の生産量構成比率(カッコは生産額)をみると、区分1から「とろみ調整食品」まで順に61.1%(37.2%)、10.8%(10.8%)、14.6%(21.0%)、6.9%(10.3%)、6.6%(21.0%)となっています。





■【タイプ別】

「乾燥タイプ」(とろみ調整食品や加水して成型する粉末製品を含む)が生産量3,899トン、生産額9,347百万円で、前年対比はそれぞれ108.1%、106.6%でした(全体からの構成比は生産量・生産額各6.7%・21.7%)。「冷凍タイプ」については、16,887トン、14,903百万円、同144.0%、128.0%(同28.9%・34.6%)、「常温タイプ」については、37,601トン、18,793百万円、同425.4%、228.7%となっています(同64.4%・43.7%)。

「常温タイプ」の急増については先述の「容易にかめる(区分1)」の増加に起因しています。「冷凍タイプ」についても大幅な増加となっていますが、これも先述の「歯ぐきでつぶせる(区分2)」の増加を反映しています。また、「冷凍タイプ」の大部分は施設や病院給食等で利用される業務用の比率が非常に高くなっています(冷凍タイプの99%以上が業務用)。

「常温タイプ」は、例年ではレトルト製品、カップゼリー製品が主な構成要素でしたが、今回の調査ではこれら以外の「その他」製品が増加したことから比率を高めました。「常温タイプ」のうち、レトルト製品については9.3%(生産量ベース)を占めますが、市販用が9割を超えています。非レトルトの常温品にはパン製品やカップゼリー製品が含まれますが85.4%が市販用となっています。一方、カップゼリー製品については多くが業務用に仕向けられています。なお、「常温タイプ」には近年徐々に増加しているチルド流通帯の製品も含めて集計しています。





■【販売先別】

まず、市販用、業務用について各全体の生産量と販売額をみると、常温品が中心の市販用においては生産量34,488トン、生産額19,732百万円で、前年対比はそれぞれ554.5%、209.5%、施設や病院の給食等に利用される業務用は23,899トン、23,312百万円で同133.1%、121.3%でした。市販用・業務用比率をみると59.1%(前回25.7%)、40.9%(同74.3%)と、前回までの傾向は一気に逆転しました。これは先述のパン製品の増加に起因します。

販売先別の各区分構成比率(生産量ベース)をみると、市販用は「容易にかめる(区分1)」~「とろみ調整食品」の順に82.3%、2.5%、3.3%、5.9%、6.0%でした。業務用では、同様に30.4%、22.7%、30.8%、8.5%、8.5%でした。

市販用のうちレトルト製品をみると、前年対比は108.5%(生産量ベース)と順調に推移しています。レトルト製品の区分別前年対比みると(生産量ベース)、「容易にかめる(区分1)」が89.5%と減少しましたが、「歯ぐきでつぶせる(区分2)」が106.2%、「舌でつぶせる(区分3)」が113.1%、「かまなくてよい(区分4)」が116.5%であり、「かまなくてよい(区分4)」の伸びが最も高くなっていました。市販用は主な販売先としてドラッグストア、総合スーパー、通販での取り扱いが多くなっています。

業務用では冷凍品が7割以上を占めていますが、こちらは前年対比144.2%(生産量ベース)と大幅に増加しました。冷凍品の区分別前年対比みると(生産量ベース)、「容易にかめる(区分1)」が129.6%、「歯ぐきでつぶせる(区分2)」が237.8%、「舌でつぶせる(区分3)」が108.1%、「かまなくてよい(区分4)」が118.7%であり、「歯ぐきでつぶせる(区分2)」の伸びが最も高かったが、「容易にかめる(区分1)」についても大きく増加しました。近年では病院・施設での給食において「容易にかめる(区分1)」、「歯ぐきでつぶせる(区分2)」の活用頻度が高まっています。

UDFを含む介護用加工食品の市場は、施設や病院での給食を主体に成長してきましたが、今後の高齢者行政が在宅介護を推進する方向性を示している中、生活者の介護食品に対するニーズや認知率の高まりもあり、今後市販向け製品の投入がさらに高まっていくものと思われます。





■製品登録数は1,989アイテム

UDF(ユニバーサルデザインフード)の製品は、現在1,989品目が登録されています(前年同期から114品目減)。今回発表の数値は調査開始以来の減少となりましたが、これは昨年度あらたに導入したUDF申請登録管理システムにより各社の登録アイテムを精査した結果、終売品の整理がまとめて行われたことによります。

協議会加盟企業数は増加の一途であり、利用者の期待に応えるべく各社それぞれの技術を用いて「おいしさ」「食べやすさ」を追求した多くの製品を提供しています。今後、UDF登録製品は再度増加をたどることが見込まれます。



【UDF製品登録状況】

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/214217/LL_img_214217_1.png

UDF製品登録状況



■「介護食品」の認知率ほぼ5割(認知度定点調査結果)

本会では、介護食品やUDF(ユニバーサルデザインフード)の認知度調査を隔年で行っており、調査年の今年は4月に実施しました(前回は平成30(2018)年4月)。調査対象はインターネットアンケートに参加した一般消費者で、食事介護者の有無や年代別に集計を行いました。



この結果、介護食品が市販されていることを「知っている」との回答は全体で49.2%と前回の49.9%とほぼ同数でした。このうち「家族に食事介護者がいる世帯」を見ると、55.8%が「知っている」と回答(前回60.9%)。「介護者がいない世帯」についても47.6%が認知していました(同47.5%)。年々高齢化率が高まる中、「介護食品」の存在はもはや国民2人に1人が知るところとなっています。「ユニバーサルデザインフードを知っている」については、全体で13.2%と前回に比較して増加しました(前回12.3%)。これは「食事介護者あり世帯」を見ると24.9%でした(前回25.7%)。ドラッグストアやスーパー(大規模店中心)での製品の取り扱いが増えるなど販売環境の整備が進む中、UDFの認知が徐々に上がっていることがうかがえます。

また、年代別集計を見ると、介護食品が市販されていることを「知っている」について50代、60代以上が各54.0%、59.5%でした。30代についても50.0%の認知がありました。「ユニバーサルデザインフードの認知率」については、20~30代が各24.0%、15.5%と若年世代で高くなっていました。60代以上でも10.0%でした。

さらに、「低栄養」についての認知率では、「よく知っている」11.1%、「名前だけ知っている」28.4%、「初めて聞いた」60.5%でした。「食事介護者あり世帯」では順に、22.8%、34.5%、42.6%と、内容への理解が高いことが分かります。年代別の認知度では、「よく知っている」は20代が13.5%、「名前だけ知っている」は60代以上が37.0%、「初めて聞いた」は40代が64.0%とそれぞれ最も高く、これは前回調査と同様の傾向でした。





■調査方法等

(1)調査方法:インターネットアンケート

(2)調査対象:インターネット調査会社(ネオマーケティング社)に登録している

全国の一般モニター会員1,000人(20歳代~60歳代以上・男女各100名)

(3)対象地域:全国

(4)調査期間:令和2(2020)年4月





■問 あなたは介護食品が市販されているのをご存知ですか

「知っている」と回答があった割合



<全体>

49.2%(前回49.9%)



<食事介護者の有無による集計>

・食事介護が必要な方がいる世帯 55.8%(前回60.9%)

・食事介護が必要な方がいない世帯 47.6%(同47.5%)



<年代別集計>

・20代38.5%(前回46.0%)、30代50.0%(同41.5%)、40代44.0%(同47.0%)、50代54.0%(同54.5%)、60代59.5%(同60.5%)





■問 あなたはユニバーサルデザインフードをご存知ですか

「知っている」と回答があった割合



<全体>

13.2%(前回12.3%)



<食事介護者の有無による集計>

・食事介護が必要な方がいる世帯 24.9%(前回25.7%)

・食事介護が必要な方がいない世帯 10.3%(同9.4%)



<年代別集計>

・20代24.0%(前回18.0%)、30代15.5%(同13.5%)、40代8.0%(同9.5%)、50代8.5%(同11.5%)、60代以上10.0%(同9.0%)





■問 あなたは低栄養についてご存知ですか

「よく知っている」および「名前だけ知っている」と回答があった割合(以下、順に)



<全体>

11.1%(前回12.5%)、28.4%(同32.3%)



<食事介護者の有無による集計>

・食事介護が必要な方がいる世帯 22.8%(前回25.7%)、34.5%(同35.2%)

・食事介護が必要な方がいない世帯 8.2%(前回9.6%)、26.9%(同31.7%)



<年代別集計>

・20代13.5%(前回14.5%)、24.5%(同31.5%)、30代13.0%(同11.5%)、24.0%(同23.5%)、40代8.5%(同12.5%)、27.5%(同28.5%)、50代9.0%(同12.5%)、29.0%(同36.5%)、60代以上11.5%(同11.5%)、37.0%(同41.5%)



画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/214217/LL_img_214217_2.jpg

生産量表



画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/214217/LL_img_214217_3.jpg

UDF生産量グラフ



画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/214217/LL_img_214217_4.jpg

UDF個数グラフ





■参考資料

日本介護食品協議会会員企業は、食べやすさに配慮した食品を以下のように区分し、ユニバーサルデザインフード・ロゴマークとともにパッケージに表示しています。



●UDF(ユニバーサルデザインフード)区分表



画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/214217/LL_img_214217_5.jpg

区分表(UDFマークかたさ)



●とろみ調整食品のとろみの目安表示例



画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/214217/LL_img_214217_6.jpg

とろみの目安



●7月11日は「UDF(ユニバーサルデザインフード)の日」

7月11日は、2003年にユニバーサルデザインフード(UDF)の名称とロゴマークが商標登録を受けた日です。

本会では、この日を記念して2017年に「UDF(ユニバーサルデザインフード)日」といたしました。

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