色素幹細胞の分離培養写真
皮膚の模式図
開発した培養方法
色素幹細胞の含有率
今後、これまで困難であった色素異常の発症メカニズムの解明や創薬・基礎研究の進展に向けて本技術を応用してまいります。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/206485/LL_img_206485_1.jpg
色素幹細胞の分離培養写真
皮膚や毛髪の色に大きな影響を与える色素であるメラニンは、メラノサイトと呼ばれる細胞で作られます。色素異常が生じる原因の多くは、このメラニンの増加、あるいは減少によるもので、その機序として、メラノサイトによるメラニンの産生量の異常や、メラノサイト自身の増加ないし減少があります。近年の研究から、皮膚の中でメラノサイトを生み出している幹細胞である「色素幹細胞」の存在が明らかになり、より根本的な色素異常の研究対象として注目されています。
しかし、これまでヒトの皮膚から色素幹細胞を培養する技術は確立されていませんでした。今回、人工多能性幹細胞であるiPS細胞を培養する際に、iPS細胞の足場となる役割や栄養を与える役割を担う「フィーダー細胞」と呼ばれる細胞を応用するとこで、ヒトの皮膚から色素幹細胞を安定かつ効率的に培養することに成功しました。
この技術を利用することで、これまで困難であった色素異常の治療方法の開発のほか、美容分野ではシミの改善技術などへの応用が期待されます。なお、本研究の成果については、2020年3月12日~14日に横浜で開催される「第19回日本再生医療学会総会」にて発表いたします。
参考資料
1. 色素幹細胞とメラノサイトと色素異常
2. 新たに開発された色素幹細胞の培養方法
3. 従来の培養方法との比較
https://www.atpress.ne.jp/releases/206485/att_206485_2.pdf