ニンジンのエクストラバージンオリーブオイル漬け
しらすのエクストラバージンオリーブオイル漬け
佐藤 秀美先生
種類によって異なる栄養価例
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ニンジンのエクストラバージンオリーブオイル漬け
■夏から秋にかけて季節の変わり目は体調を崩しやすい
日本気象協会によると、2019年の関東甲信越の梅雨明けは7月29日頃で、昨年に比べて1か月も遅れました。また、梅雨明けが遅れたことで、7月の平均気温は24.1度と前年を4度以上も下回りましたが、8月になると急激に気温が高まっています。気温が高くなることで、エアコンを使用することが多くなり、外気との温度差(寒暖差)が大きくなります。急激な寒暖差は、知らず知らずのうちに体に負担を与えます。寒暖差によって自律神経のバランスが乱れ、ストレスを強く感じることが増えてしまい、体の免疫力が低下してしまいます。特に、秋は夏の間の疲労が溜まり、免疫力が低下し、「食欲不振」、「倦怠感」などの体の不調を感じることが多くなります。
今回は当ラボのメンバーである佐藤 秀美先生(学術博士・日本獣医生命科学大学客員教授)が秋バテ・秋風邪を予防する「エクストラバージンオリーブオイル活用術」をご紹介いたします。
■秋バテ・秋風邪予防には「エクストラバージンオリーブオイル」を活用した食事を、佐藤 秀美先生が解説!
(1) 疲れやすさ(秋バテ)を予防するには、いろんな種類の抗酸化物質を摂ることがオススメ
抗酸化物質には、いくつもの種類があります。代表的なものとして抗酸化ビタミンと呼ばれるβカロテン、ビタミンE、ビタミンC、そしてポリフェノールなどの機能性成分があります。抗酸化物質には水溶性、脂溶性があり、それぞれ働く場所が異なり、脂溶性のビタミンEやβカロテンは細胞膜の脂質部分で、水溶性のビタミンCは血液などの体液中で働きます。これらのビタミンは互いの抗酸化力を強めたり、持続させたりするなど、連携して体全体の抗酸化に作用します。全身の抗酸化のためには、いろいろな種類の抗酸化物質の摂取がオススメです。
(2) 秋風邪対策に大切なポイント「免疫力」
夏が終わると、秋バテとともに心配なのが「秋風邪」です。風邪の予防や早期回復に大切なことは、免疫力を高めることです。体内の最大免疫器官といわれる腸内の環境改善に役立つ水溶性食物繊維や、免疫系を強化するビタミンD、亜鉛、抗酸化物質などが豊富な食材を積極的に食べることが大切です。
(3) より栄養を摂るためにエクストラバージンオリーブオイルがオススメ
オリーブオイルにはβカロテン、ビタミンEなどの抗酸化物質が多く含まれています。特にオリーブの果実を丸ごとしぼり出しただけのエクストラバージンオリーブオイルなら、オリーブの実に含まれるβカロテンやオレオカンタール、オレウロペインなどの抗酸化物質もほとんど除去されずに溶け込んでいます。
[佐藤 秀美先生(さとう ひでみ)]
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学術博士(食物学)/日本獣医生命科学大学客員教授
横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。学術博士。専門は食物学。大学で教鞭をとる傍ら、栄養士免許を取得。研究者と主婦の目線で料理や栄養を研究。著書多数。
■秋バテ解消にオススメ!アレンジ自在の「ニンジンのエクストラバージンオリーブオイル漬け」
抗疲労に大いに役立つのが、納豆、トマト、エクストラバージンオリーブオイルを混ぜた「納豆トマト」や「ニンジンのエクストラバージンオリーブオイル漬け」です。抗酸化物質が豊富なエクストラバージンオリーブオイルを、抗酸化食材のトマトやニンジン、納豆と合わせることで、色々な種類を同時に摂ることができます。また、βカロテンやビタミンEといった脂溶性のビタミンは、エクストラバージンオリーブオイルと一緒に摂ることで吸収率が格段に高まるので、その相乗効果で秋バテ解消に役立ちます。
【ニンジンのエクストラバージンオリーブオイル漬け】
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〈材料〉
・ニンジン…1本
・干しぶどう…大さじ3
〈調味料〉
・エクストラバージンオリーブオイル…大さじ4
・酢…大さじ3
・はちみつ…小さじ2弱
・塩…小さじ1/2弱
・粒マスタード…小さじ1
〈作り方〉
1. ニンジンをスライサーで千切りにし、ジッパー付の袋に入れる
2. 1の中に全ての調味料を入れ、よくもむ。
3. 2に干しぶどうを入れて、かるく混ぜる。1時間ほど置けば、味がなじんで美味しく食べられる。
[Point!]
・冷蔵庫で1週間ほど保存できるので、常備菜としても便利
・トマトやブロッコリーと一緒のサラダにすれば、オリーブオイル効果でトマトやブロッコリーのβカロテンやビタミンEの吸収率もアップ
■免疫力アップにオススメ!いろんな料理に合わせられる「しらすのエクストラバージンオリーブオイル漬け」
免疫力を強化するビタミンDが豊富な食材の代表格はしらすです。トマトやブロッコリーなどの野菜にかけたり、パスタに絡めたり、おいしく食べながら、免疫力を高めることができます。
【しらすのエクストラバージンオリーブオイル漬け】
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〈材料〉
・しらす…150g
・酢…大さじ1
・ニンニク(すりおろし)…大さじ1/2
・エクストラバージンオリーブオイル…適量
〈作り方〉
1. しらすを耐熱容器に入れて酢をふりかけて良く混ぜる。
2. 1の容器にラップをふんわりかけて、電子レンジで加熱。
目安時間:700wで約1分間
3. しらすを冷ましてから保存容器に入れ、おろしにんにくを加えて混ぜる。
4. しらすがちょうど隠れる程度までエクストラバージンオリーブオイルで注ぐ。
[Point!]
・しらすに酢をかけることで、魚臭さが減り、カルシウムの吸収力はアップ
・しらすに酢を混ぜて電子レンジ加熱すると、低pHと加熱の効果で、簡単に殺菌
・しらすは鮮度が落ちやすい食材ですが、オイル漬けにすれば冷蔵庫で10日間ほど保存可能
■より栄養を摂るための食材の選び方。同じトマトでも栄養価は驚くほど違う!
トマトやレタスなどサラダに欠かせない定番野菜には、いろいろな種類があります。切らずに済むからミニトマト、今日は特売だったからサニーレタス、というような選び方をしているのではないでしょうか。実は、同じ食材でもその種類によって栄養価は大きく異なります。例えば、レタスの場合、βカロテン含量はよくある玉型のレタスよりもリーフレタスの方が約10倍多いのです。トマトの場合も、赤味の強いものほどリコピン含量が多くなります。選び方一つで、栄養素等の摂取量に大きな差がつきます。
秋バテ・秋風邪予防には、栄養素等の種類だけでなく、含まれる量にも目を向けて、食材を選びたいものですね。
種類によって異なる栄養価例
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出典:食品成分データベース(文部科学省)
コラムはこちらから http://oliveoil-lab.jp/column/index9.html
〈監修〉
佐藤 秀美先生(さとうひでみ)
学術博士(食物学)/日本獣医生命科学大学客員教授
横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。学術博士。専門は食物学。大学で教鞭をとる傍ら、栄養士免許を取得。研究者と主婦の目線で料理や栄養を研究。著書多数。
<オリーブオイル健康ラボとは>
「オリーブオイル健康ラボ」は、日本人の健康長寿のために日本の食卓に合うエクストラバージンオリーブオイルの取り入れ方を発信していくことを目的に、各分野の専門家の協力のもと、「日本人の健康・美容によい効果」と、「日常の食卓への美味しい取り入れ方」を追及し、情報を発信しています。
オリーブオイル健康ラボ HP: http://oliveoil-lab.jp/