「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数
【研究レポート】マウスの口腔内フローラの変化
今回は、日本大学 松戸歯学部 助教、博士(歯学)で口腔免疫が専門の小林良喜先生に独自インタビューを実施。小林先生が発表した納豆菌によるマウスの口腔内フローラの変化についての研究レポートを紹介します。
▼7月コラム【歯周病を予防して健康な毎日を】
http://www.natto-science.jp/column14.html
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/187466/LL_img_187466_1.jpg
「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数
◆30代以上の3人に2人が「歯周病」の時代 6年間で130万人患者数が増加
近年、歯周炎の兆候が認められる方を合わせると日本人の30代以上のおよそ3人に2人が歯周病とされています。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患です。
厚生労働省が3年に1度行っている「患者調査」によると、2011年から2017年の直近6年間でなんと130万人以上も歯肉炎や歯周疾患の患者は増加。その内訳をみると、男性よりも女性の割合が多いことが分かります。
歯周病は口の中だけの病気だと思われがちですが、実は全身の健康にも影響を及ぼすことが最近の研究でわかっています。全身の健康を守るためにも、口腔内フローラ、つまり、お口の免疫機能も整えていくことが大切と考えられています。
◆口腔内フローラ研究で発見! 納豆菌による歯周病予防効果の可能性
口腔内フローラを整える食材のひとつに「発酵食品」があります。「納豆」は免疫力を高める有力な食材として注目されており、その納豆を作る納豆菌の中でも「S-903 納豆菌」は、歯周病のもとになる細菌を減らしてくれる可能性が報告されました。
小林先生によると、「S-903 納豆菌でつくられた納豆」および「S-903 納豆菌」を摂ったマウスは、摂っていない(生理食塩水だけ摂った)マウスに比べて、重度の歯周病のもとになる口腔内細菌(ジンジバリス菌を含む)、歯周病のもとになる口腔内細菌(プレボテラ菌を含む)の両方を減少させ歯周病を予防する可能性が確認されました。
【研究レポート】マウスの口腔内フローラの変化
https://www.atpress.ne.jp/releases/187466/img_187466_2.jpg
今回の「S-903 納豆菌コラム」では、研究レポートと併せて、この時期オススメの納豆レシピも紹介しています。
◆小林 良喜先生
日本大学 松戸歯学部 助教、博士(歯学)
2002年日本大学松戸歯学部臨床研修医修了。米国アラバマ大学バーミングハム校免疫ワクチンセンター(ポスドク)を経て2011年4月に帰国し現職。主な研究内容は、粘膜免疫学を背景とした口腔免疫機構の解明。発酵食品などの摂取により腸管を起点とした全身恒常性の維持・向上を口腔領域にて検討。唾液による全身健康状態を把握するシステムの開発、など。