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子供の心を育てるには「言葉がけ」が大切 慶應義塾大学との共同プロジェクトで明らかに 親と子供、お人形の三項関係が心と言葉の発達に好影響



ごっこ遊びイメージ


皆川教授


メルちゃん


スイスイおえかき

パイロットインキ株式会社(本社:愛知県名古屋市昭和区、代表取締役社長:荒木 敏男)と、慶應義塾大学文学部 赤ちゃんラボ主宰 皆川 泰代教授が2017年より共同で行っている「人形遊びとこころの発達」に関する実験・調査の中で、お人形遊びが子供の心を育むことが分かり始めました。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/185805/LL_img_185805_1.jpg

ごっこ遊びイメージ



親から子供への言葉がけは、子供の心の発達やコミュニケーション能力の発達に繋がることは、既存の実験で実証されています。子供は自らが発した言葉や行動に大人が積極的に反応すると、嬉しい気持ちになります。その喜びが「もっと喋ってみよう」という意欲や、相手の気持ちを想像しようといった発達に繋がります。子供への声がけが苦手という方は、お人形を使ったごっこ遊びがおすすめです。親と子供が1対1の関係であるよりも、お人形が介在することにより「第三者となるお人形の気持ちを親が代弁する」ことが自然とできるため、より子供の心やコミュニケーション能力が育まれます。

抱き人形カテゴリーで売上1位を記録しているパイロットインキのロングセラー商品「メルちゃん」シリーズは、小さなお子様のごっこ遊びの相手として27年間愛されてきました。「メルちゃん」が長く愛される裏にはどういった効果があるのかについて、2017年度より慶應義塾大学文学部 赤ちゃんラボ主宰 皆川 泰代教授と共同プロジェクトとして実験・調査を行っています。

2017年度の研究では、心理学の知見を取り入れたお人形遊びをすることの効果を介入前後の比較で検証しました。2018年度の研究では、お人形を使ったごっこ遊びを日頃行っている群と、そうでない群に分けて実験を行いました結果、お人形を使ったごっこ遊びが「他者とコミュニケーションをとろうとする心」、「他者が自分とは違う考えを持つことを理解する心」、「相手を思いやる気持ち」を育むことが分かり始めました。

パイロットインキと皆川教授は、今回の結果を踏まえて、引き続き「人形遊びとこころの発達」に関する実験・調査を進めていきます。





【お人形遊びで育まれる3つの心】

■他者とコミュニケーションをとろうとする心

親がお人形を使って子どもに話しかけることで、子供も話したい気持ちになる。

言葉を上手く喋ることが出来ない時期でも、身振りや表情、視線で相手に自分の気持ちを伝えようとする。



■他者が自分とは違う考えを持つことを理解する心

1-2歳の子供は「自分の見たもの、知っているものは他者も同じ」と考えている。

お人形遊びの中で親がお人形の気持ちを代弁することで、自分と他者が違う気持ちであること、同じではないことを理解するようになる足掛かりとなる。



■相手を思いやる気持ち

お人形が考えていることを共有しようと、自然に気持ちを想像するようになる。

お人形の気持ちを想像、理解できるようになると、相手を思いやれる段階に繋がる。



なおこの研究結果については6月13日より東京ビッグサイトで開催される「東京おもちゃショー2019」、パイロットインキブース(西4ホール 4-2)にて一般公開いたします。





【慶應義塾大学 文学部 赤ちゃんラボ主宰 皆川 泰代教授よりコメント】

ごっこ遊びが発達に良いことは発達心理学でも指摘されていましたが、実験的に検討した研究は多くはありませんでした。お人形のごっこ遊びが心の発達に与える影響について科学的エビデンスを示すために、2017年に人形遊び介入前後を比較する縦断研究、2018年に人形遊びの頻度で群を比較する横断研究を大規模に行いました。何気なく遊んでいたお人形遊び、実は様々な可能性があることがわかってきました。

お人形に心があるように見立てることができることだけでもすごい能力ですが、その「他者」の心が自分の心と違ってどのような状態であるか想像する遊びは子どもの社会情緒的スキルを育てます。パパもママも余裕があるときはお子様とお人形で遊んでみてください。



皆川教授

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【パイロットインキ(株) 企画グループ リーダー 土井 菜摘子よりコメント】

メルちゃんは誕生から27年を迎えたロングセラー商品です。「めばえる やさしさ おもいやり」をキャッチコピーに、お子さまの優しい心を育むお人形として販売してきました。この「やさしさ」や「おもいやり」がメルちゃんで遊ぶことにより芽生えるということを、科学的に実証できないか考え、2017年より慶應義塾大学 皆川教授との共同プロジェクトで実験・調査を行っています。

メルちゃんユーザー様から、「メルちゃんと遊ぶようになってから妹に優しくなった」「メルちゃんと遊ぶようになってから、幼稚園で周囲への気遣いができるようになったと褒められた」といった声を頂くことがあるので、実際に研究結果として分かり始めたのは大変嬉しく思っています。

抱き人形のトップシェアブランドとして、これからもお子様の心を育む商品づくりをしていきたいと思っています



メルちゃん

https://www.atpress.ne.jp/releases/185805/img_185805_3.jpg





≪パイロットインキ株式会社について≫

当社では、事業持株会社であるパイロットコーポレーションの筆記具用インキ開発の技術から生み出された、温度の変化で色が変わるインキ「メタモインキ」を応用し、未就学児童向けの知育玩具をはじめとする様々な玩具の企画開発を行っております。主な商品に「スイスイおえかき」シリーズ、抱き人形「メルちゃん」シリーズがあります。いずれもロングセラー商品で「スイスイおえかき」シリーズは2019年で発売20年目、「メルちゃん」は発売27年目を迎えました。これからも玩具を通じ、子供たちに感受性と創造性をのばすための夢と驚きを提供し続けます。





“やさしさ”や“おもいやり”を育む人形メルちゃん

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スイスイおえかき

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≪会社概要≫

社名 :パイロットインキ株式会社

設立 :1950年4月3日(昭和25年)

資本金 :2億2千万円

代表取締役社長:荒木 敏男

本社所在地 :〒466-8588 愛知県名古屋市昭和区緑町3-17

東京営業所 :〒111-0042 東京都台東区寿3-14-11 蔵前チヨダビル4F

事業内容 :水性及び油性マーキングペン、水性ボールペン他筆記具の製造、

バストイ、知育玩具、ドール等の製造、仕入れ、

販売及びそれに付随する業務





[資料編]



【調査方法】

2.5-3.5歳のお人形遊びの経験が多い(週1時間以上)100名(以下 Highと表記)と、経験の少ない100名(以下 Lowと表記)を対象に認知能力を測る質問紙調査を行う。また、各郡100名のうち25名のコア群をランダムに抽出し、昨年行った3つの実験(利他行動、心の理論、共同注意)に加えて、2つの実験(お人形遊び課題、NIRS脳機能計測)を実施。



■調査項目(1) 「利他行動:なぐさめ課題」

実験者が子どもの目の前で「ゴホゴホとせき込む」「手を挟む」「肘をぶつける」行動をとった場合に、なぐさめてくれたり、手を撫でたりしてくれるかを調査。

なぐさめ行動はHigh群が統計的に有意な傾向にあり、特に手挟みの課題ではHigh群が高い結果となった。これは、お人形遊びが多い子供はなぐさめ行動(一部)が多くなると言える。



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■調査項目(2) 共同注意課題※

母子で遊んでいる場面で仕掛けぬいぐるみが出てきた時に、子供が「見て!」や、「かわいいよ」など対象を母親に教え、その気持ちを視線などで共有するかを観察しました。

お人形遊びが多いHighで共同注意の生起が有意的に多いことが分かった。これは、コミュニケーションの意欲や共感性が高いことがわかる。



※乳児は大人の行動(例:指さし、視線)の意図をある程度理解し、注意対象に対する態度(例:かわいい)を共有しますが、ここでは逆に対象を指差し等で大人に教えて対象に対する態度を共有するかを見る、始発的共同注意を検討しました。



https://www.atpress.ne.jp/releases/185805/img_185805_6.jpg



■調査項目(3) お人形遊び課題

お人形を使ってごっこ遊びを母子で10分間行う。そこで生起する母子の発話(感情、要求)や行動をコーディングする。

お人形の代弁、お人形向け発話(Doll-Directed Speech:DDS)ともに、High群が多かった。また、母子別でみると、人形の代弁はHigh群母に多く、人形向け発話はHigh群子供に多い傾向にあることも分かった。この結果から、母親がお人形の見立てが上手くできており、上手にお人形役をこなしていることが分かる。自分とは違うお人形の感情や欲求を表現できていることを示している。また、子供は自分や母親ではないお人形の感情や欲求を理解することで、自分と他者の感情や欲求が違うことを理解するきっかけとなる。



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■調査項目(4) NIRS脳機能計測

共感性の反応を引き出す実験。援助行動を見る条件、いじわる行動を見る条件など、2つの条件である8つのエピソードのビデオを見ながら前頭前野を計測。



High群は全般的に援助行動場面に対しては慣れているような冷静な脳活動を示す一方で、いじわる行動を見た時には意外性を示すような大きな脳反応が見られました。Low群は逆の傾向が見られました。グラフに示すのは人の社会的行動をモニタリングする機能を担う上側頭回の反応ですが、上述したような反応が見られています。High群はモノを他者のために拾ったり、取ってあげたりするような援助行動が日常的なのかもしれません。



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本年度も引き続き、「お人形遊び(ごっこ遊び)が、子供の「言葉」「認知能力」「社会性」の発達とどのように関わっているのかについて、共同プロジェクトとして実験や調査を実施していく予定です。

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