ロボコムー東大松尾研 AIキャベツ定量ピッキング
学習回収と把持量の相関図
システム構築には2018年開催のロボット競技世界大会「WRC2018」ものづくり競技カテゴリーで、参加チーム中唯一課題を完遂した株式会社オフィスエフエイ・コム(本社:栃木県小山市、代表取締役:飯野 英城)が協力しました。シンプルなロボットハンドと組み合わせたこの開発成果は、今後もバージョンアップを継続、早期の実用化を目指し、2019年7月4日から開催の展示会「FOOMA JAPAN 2019」でも披露を予定しています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/182752/LL_img_182752_1.jpg
ロボコムー東大松尾研 AIキャベツ定量ピッキング
【AIを活用したロボットによる定量ピッキングの様子】
動画公開URL: https://youtu.be/dTRDPh7PFo4
■定量ピッキングシステム共同開発の背景
現在、日本国内では深刻な人材不足に陥っており、食品工場においては特に深刻です。農林水産省の資料※2によると「食料品、飲料、たばこ・飼料製造業」では、全製造業と比較しても欠員率が2倍以上高いとされており、人材不足を起因とした機会損失をいかに防ぐかが、業界共通の課題となっております。しかしながら、食品工場における作業は機械化が難しい内容が多く、特に千切りキャベツに代表される細かい素材の場合、定量ピッキングには熟練の技が必要とされ、ロボットによる代替が望まれていました。
今回、AI技術を持つ松尾研と、ロボティクス技術を持つロボコムが相互の技術を統合し、最適なロボットハンド及び、学習ロジック・アルゴリズム・センシング方法などの開発を行うことで、この課題解決に成功しました。
■システムの特長
【シンプルな構造】
ロボットハンドは3Dプリンタによって製造。把持するワークや量にあわせ、最適なハンドを1個から短納期で制作できます。センシングを含めたシステム構成も極力シンプルにすることにより、導入費用の削減とメンテナンス工数の削減を実現しました。
【短時間で学習可能なアルゴリズム】
機械学習の一種である「強化学習」という技術を用い、ロボットハンドの制御を自ら学習します。試行錯誤を繰り返すうちに目標となるグラム数に近い値を掴めるようになります。
~学習回数と把持量の相関(把持量はロボットハンドに搭載したロードセルで計測)~
https://www.atpress.ne.jp/releases/182752/img_182752_2.jpg
【東京大学松尾研究室 松尾 豊教授コメント】
今回の発表は、一見簡単そうに見えてもロボットで実現するのが難しかった作業が、AI技術の進展により、少しずつ機械化・自動化できるようになる一例を示しています。食品分野は大きな可能性のある分野のひとつであり、今後も人手不足という大きな社会課題の解決に向け、AI技術の産業活用を進めていきたいと考えています。
■展示会出展内容
展示会名:2019国際食品工業展(FOOMA JAPAN 2019)
会期 :2019年7月9日(火)~12日(金) 午前10時~午後5時
会場 :東京ビッグサイト 南展示棟2ホール(南2G-21)
FAプロダクツブース(ロボコム、オフィスエフエイ・コム他 共同出展)
■会社概要
商号 : ロボコム株式会社
代表者: 代表取締役 天野 眞也
所在地: 〒105-0004 東京都港区新橋5-35-10 新橋アネックス2F
URL : http://robotcom.jp/
日本唯一のロボット構想設計専門会社。「エンジニアファーストによる 最高のものづくり 最高のエンジニアリング」で製造業の上流から下流までをワンストップでサポートし、製造業のスループット向上に貢献します。
※1:当社調べ
※2:農林水産省食料産業局、【平成30年度】第1回食品産業戦略会議「食品製造業における労働力不足克服のためのビジョン検討について」