ハードカーボンの拡大(×3000)写真
APB株式会社は、バイポーラ型リチウムイオン電池の権威である慶應義塾大学堀江教授と、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)*により、新型リチウムイオン電池の実用化を目指して2018年10月に設立されました。尚、新型リチウムイオン電池を共同開発してきた三洋化成工業株式会社が、2019年2月28日にAPB株式会社と資本業務提携を発表しています。
*KIIは慶應義塾大学と野村ホールディングスにより2015年に設立されたベンチャーキャピタル。
この新型電池には負極材料としてハードカーボン*が必要不可欠であり、JFEケミカルはハードカーボンの主要メーカーとして、APB株式会社から供給要請を受けておりましたが、APB株式会社の発展がハードカーボンの拡販につながるとの認識から、今回出資を行い、新型電池の開発、製造に関してもサポートしてまいります。
*ハードカーボンは、高温で熱処理しても黒鉛結晶構造が発達し難い炭素材料(難黒鉛化性炭素)であり、微小な空隙構造を有し、リチウムイオンを多く吸蔵することが可能です。JFEケミカルでは、独自技術によりコールタールを原料としたハードカーボンの量産化に成功しており、黒鉛負極と比較して耐久性と出力特性に優れ、ハイブリッドカーなどのエコカーに適した性能を有しています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/181304/LL_img_181304_1.jpg
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■新型リチウムイオン電池について
(三洋化成工業株式会社 プレスリリース2019年3月5日から引用)
(従来のリチウムイオン電池は、)集電箔に金属を用いていましたが、本新型電池は電極に樹脂を用いた、これまでにないリチウムイオン電池です。すべてを樹脂化することで、電極の厚膜化、セルの大型化を容易に行え、電気容量を従来型の約2倍以上にすることが可能です。また、新型LiBはバイポーラ型で積層による直列接続が可能なため、接続部品点数を減らせることによりシステム全体の小型化が可能です。形状の自由度が高く、従来にない新規需要への展開も期待されます。まずは電池容量を大きくしたいというニーズの強いビルやオフィス、発電所などの大型定置電源用途向けでの実用化を目指していきます。
■JFEケミカルの負極材事業
JFEケミカルは、95年より、JFEスチールの製鉄工程で副生するコールタール由来のピッチを原料にリチウムイオン電池向け各種負極材(人造黒鉛-球晶、天然黒鉛系、ハードカーボン)を量産・販売しています。
今回のハードカーボンに限らず、リチウムイオン電池の負極材事業において、下記の通り中国市場への進出等の施策を推進してまいります。
1. 最大市場である中国への進出(ニードルコークス系負極材)
中国宝武炭材料科技有限公司との合弁意向書の締結(3月15日発表)
2. 当社独自技術によるハードカーボン負極材の拡販(今回)
3. その他既存負極材(人造黒鉛-球晶、天然黒鉛系等)の更なる拡販
■APB株式会社の概要
慶應義塾大学 堀江教授と慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)の合弁で設立された新型LiBの技術系ベンチャー企業です。
代表取締役社長:堀江 英明
本社 :東京都港区三田一丁目4番28号
設立 :2018年10月29日
資本金 :非公開
会社目的 :LiBの研究開発・製造・販売、コンサルタント業務等
以上