静的QRコード(左)と動的QRコード(右)
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静的QRコード(左)と動的QRコード(右)
■静的QRコードの乱立で、QRコード決済本来の利便性が損なわれる恐れも
2018年は「キャッシュレス化元年」とも言われ、これまで諸外国に比べて立ち遅れていたキャッシュレス化の動きが、日本でも急速に進みつつあります。
中でもクレジットカードや電子マネーに比べて初期費用や決済手数料が低く抑えられるQRコード決済は、大手はもちろん中小規模の商店などでも導入が進み、QRコード決済サービスを提供する事業者の新規参入も相次いでいます。事業者が増え、QRコード決済可能な店舗や施設が増えること自体は大変好ましいことですが、一方でQRコードの種類が増えることによる弊害が懸念されています。
そもそもQRコードには、大きく分けて「静的QRコード」と「動的QRコード」の2つがあり、それぞれ次のような違いがあります。
・静的QRコード:印刷したQRコードをお客様が自身のスマートフォン等で読み取る
・動的QRコード:お客様のスマホ画面や店舗タブレットに表示されるQRコードを読み取る
現在、日本で多く採用されているのは、静的QRコードです。しかし、QRコードは事業者によって異なるため、店側はQRコード決済サービスを導入する度に、そのサービスの静的QRコードを設置しなくてはならなくなります。例えば10の決済サービスを導入した場合、店頭に10種類の静的QRコードを設置せざるを得ない状況になってしまうのです。これは店舗にとって大きな負担になります。また、多数のQRコードの中からお客様の希望するQRコードを探し出すのに手間取ってしまい、接客サービスの質や効率の低下につながる恐れがあります。当然QRコードの読み取り間違いが起こるリスクも容易に想定できます。
■日本政府主導の「QRコード規格統一」だけでは充分とは言えない、動的QRコードの活用を
こういった懸念を受け、日本では政府主導でQRコードの規格統一に乗り出すことが報じられています
が、実は、国ごとの規格統一だけでは、対策として決して充分とは言えません。例えば、仮に国連加盟国すべての国々の統一QRコードに静的QRコードで対応しようとした場合、店舗では200近い種類の静的QRコードを設置しなくてはならないことになります。2020年に開催される東京オリンピックを控え、ますます増え続ける訪日外国人観光客に、静的QRコードのみで対応するのは、難しい状況と言わざるを得ません。
こういった静的QRコードの課題を解決するのが、動的QRコードです。動的QRコードの場合、支払いの都度、お客様のスマホや店舗のタブレット上に表示されるQRコードを読み取ることで決済が完了します。
したがって、店側はQRコードの表示・読み取りが可能な端末が1台あれば、複数のQRコード決済サービスに対応することが可能に。店側は効率的な接客・精算を行うことができ、お客様側もスムーズにサービスを利用することができるようになります。
以上の理由から、日本キャッシュレス化協会では、QRコード決済のさらなる普及と利便性向上のため、さらには日本のキャッシュレス化推進のため、関係する決済サービス事業者の皆様に「静的QRコード」の増加抑制を呼びかけるとともに、「動的QRコード」の積極的な活用を推奨いたします。
■一般社団法人日本キャッシュレス化協会について
所在地 : 〒104-0061 東京都中央区銀座1-14-5 銀座ウィング南3F
TEL : 03-6328-2636
URL : http://cashless-japan.org
代表 : 代表理事 小禄 邦彦
設立 : 2017年11月
活動内容: 日本のキャッシュレス化を推進する企業や団体への支援等
顧問他 : 高木 純(専務理事、NIPPON Platform株式会社 代表取締役社長)
鶴保 庸介(参議院議員、参議院資源エネルギーに関する調査会会長/
自民党観光立国調査会事務局長/元内閣府特命担当大臣)