セルロースナノファイバーのポリ乳酸複合樹脂
セルロースナノファイバーのフェニルグリコール分散体
セルロースナノファイバー複合樹脂のダンベル試験片
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/153674/LL_img_153674_1.jpg
セルロースナノファイバーのポリ乳酸複合樹脂
URL: https://www.gsalliance.co.jp/
樹脂としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、生分解性芳香族脂肪族ポリエステル樹脂などです。このような多数の熱可塑性樹脂にCNFを複合化して、実際に機械的強度を向上させる体制を整えたのは産業的には世界初(*)です。
*ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)以外の樹脂においては世界初
セルロースナノファイバー(CNF)は、鋼鉄の5分の1の軽さでありながら、その5倍以上の強度を有するアスペクト比の高い幅4~20nmのナノ繊維です。熱膨張係数はガラス繊維並みに小さく、弾性率はガラス繊維より高く硬くて丈夫という優れた特性を有しています。CNFは植物由来であることから環境負荷が小さくリサイクル性に優れた材料であり、かつ地球上にあるほとんどの木質バイオマス資源を原料にできるので資源的にも非常に豊富な材料であり、次世代の産業資材あるいはグリーンナノ材料として注目されています。しかしながら、CNFは親水性で水分を多く含んだ状態にあるため、水分を除去し、疎水性である樹脂に均一に分散させることが非常に難しい材料でもあるため、製品化に向けた応用開発が進みにくい状況にありました。
GSアライアンス株式会社は冨士色素株式会社のグループ会社であり、長年のナノ微粒子分散技術を応用してCNFを各種樹脂中に凝集させること無く均一に分散させる技術を確立しました。各種樹脂へのCNF濃度は最大33.3%で現在更なる高濃度品も検討中です。例えば、PEの引張強度は約10.5N / mm2ですが、33.3%のCNFを複合化することにより引張強度は約24N / mm2となります。このような特性を生かし航空機、自動車業界などから必要とされている材料樹脂の軽量化、高強度化を目指します。特にポリ乳酸などの生分解性樹脂などを同じく生分解性素材であるCNFを混合することにより引張強度を向上させたことは非常に有意義なことです。
現在までガラス繊維などを用いてポリ乳酸の機械的強度を向上させることは可能でしたが、ガラス繊維などは生分解性素材ではなく環境汚染の原因となりえます。今回の技術により、近年深刻な問題となっている海洋のマイクロプラスチックなどの環境問題を解決する1つの糸口となる可能性もあります。またポリ乳酸の弱点である低い耐熱性をCNFを混合することにより改善することも可能です。
過去にグループ会社である冨士色素株式会社ではCNF複合樹脂を作ることはできていましたが、今回、確実に機械的強度を向上させた数々の複合樹脂を作ることが可能となり、同時にGSアライアンス株式会社の名前で供給することにしました。
GSアライアンス株式会社ではCNF複合樹脂の他にもCNFの水、各種有機溶剤の分散体、化学処理セルロースもあります。これらの商品もユーザーへ供給し、複合樹脂、複合材料、化粧品、膜、フィルター、増粘剤、添加剤、触媒担体、セパレーター、バイオ医学材料などとしても使用検討を進めていただいております。
■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野向けの先端材料の研究開発と製造販売
URL : https://www.gsalliance.co.jp/