図1.配属業務高度化の概念
図2.AIを活用した業務高度化の概念
■背景と主旨
近年、デジタル・ディスラプション(デジタル時代の創造的破壊)が企業の価値の創造から提供までの方法を急速に変化させており、デジタル・ディスラプションは業界・業種に関わらず急速に現実のものとなっています。特に、人事業務、財務会計業務等の内部事務業務に関しては、作業効率の向上、品質の向上を競争力の向上に結びつけるための不断の取組みが実施されているものの、大きな効果の創出に至っていないケースが散見されます。また、こうした状況の背景には、現場における働き方の改革が進んでいるものの、根本的に人材の可能性、能力を最大限に引き出すことに資するような取組みがなされていないことが要因として考えられます。
人材を一定のルールに基づいて分類し、あらかじめ設定した軸にそって評価を行う手法は活用されているものの、個人が持つ本来の多くの特徴から業務遂行に必要な資質を最大限引き出して競争力を向上させるような取組みに至っていないことが多いと考えられます。
KPMGコンサルティングでは、社員1人1人の特徴に着目し、仕事の特徴と突合することで最適な配属のマッチングを行い、企業による生産性向上ならびに働く喜びの追求が実現できるものと捉えています。こうした人と組織の特徴に着目をしたマッチングを実現するために、その組織らしさをデータとして蓄積することで人事業務の採用、配属、評価、昇進・昇格、異動に係る業務全般の支援を推進していくサービスを開発しました。
図1. 配属業務高度化の概念
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■人事業務の効率化・高度化支援の概要
従来、限られた要員配属担当者が手作業で、膨大な履歴書や自己PR、業務実績、技術報告書等の文章より技術員の特徴を分析し、配属先検討を行っており、多大な工数を要していました。実証実験環境提供企業においては、部署で必要とされる専門性も複雑化しており、個々の専門性を正しく把握した適切な配置は非常に難易度の高い作業となっていました。
KPMGコンサルティングは、この課題に対し、自然言語処理技術を実装した人工知能活用の実証検証を開始しました。
その結果、当該人工知能を活用することにより、従来と比較して、次年度以降では4割程度、将来的には8割超の業務効率化が可能であると試算しています。また、人間が分析することのできなかった情報まで全量分析することが可能となり、精度の高いレコメンドの実現に寄与することが可能となりました。
AIのレコメンドは、過去のデータや配属担当者の経験と照らし合わせて、最もマッチングの可能性が高い部署を示すものです。最終的な配属先は、配属担当者が1件1件を検証し決定しますが、配置業務の効率化、高度化に大きく寄与することを期待されています。
図2. AIを活用した業務高度化の概念
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※実証実験環境提供:トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー
■KPMGジャパンについて
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる7つのプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、またKPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人
■KPMGコンサルティングについて
KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファームです。戦略、BPR、人事・組織、PMO、アウトソーシング、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、ITなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクター等のインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。