実証イメージ図
今後、横河電機とNTT西日本グループは、産業用IoTを活用した、石油・石油化学・化学・LNGなどのプロセスプラントにおける新たな価値創りをめざします。
※1 LoRaWAN(TM):世界500社以上のIoT関連企業・ユーザーが参画するLoRa Allianceが策定、普及推進するIoT 向け通信規格のひとつです。LoRaWAN(TM)の名称は、Semtech Corporationの商標です。
1.背景
あらゆるモノをインターネットなどのネットワークに接続するIoTは、企業のビジネスモデルや産業構造の在り方まで大きく変える可能性があります。プラントでも、産業用IoTの活用による、新たな価値の創造が期待されています。
横河電機は、産業用IoTの実現に向けて、コンプレッサー、ポンプ、モーターといったプラントにある設備の状態を、オンラインで遠隔監視するために必要なセンサと、収集したデータの分析や機械学習処理などを行うクラウドサービスの開発に取り組んでいます。
NTT西日本グループでは、2016年6月より「LPWA※2ネットワークを活用したフィールドトライアル」※3を開始し、様々な分野のパートナーとLPWAネットワークの活用シーン創出に取り組んでおります。
このたび両社は、産業用IoTを活用したプラントにおける新たな価値創りをめざして、横河電機が有する無線センサ技術とNTT西日本グル―プが有するLPWA技術を生かし、本実証試験を実施することになりました。
※2 LPWA(Low Power Wide Area):IoT/M2Mに適した、省電力・長距離の通信を実現する省電力広域無線通信の呼称。
LoRaWAN(TM)はLPWAの一種。
※3 NTT西日本のニュースリリース(2016年6月29日付)IoT向けLPWAネットワークのフィールドトライアルの実施について( http://www.ntt-west.co.jp/news/1606/160629a.html )
2. 概要
国内のプラントにある、コンプレッサー、ポンプ、モーターといった回転機などの設備に、横河電機が産業用IoT向けに開発した小型無線センサ「Sushi Sensor(R)」を設置し、NTT西日本グループのLoRaWAN(TM)ネットワークに接続して設備の状態を容易に監視する仕組みを構築します。「Sushi Sensor(R)」は、設備の状態を把握するために有効な振動や温度のデータを収集します。
これらのデータをオンライン監視することで設備異常の早期発見や故障予知などのプラント保全に活かすことができます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/143927/LL_img_143927_1.jpg
実証イメージ図
[検証項目]
・プラント環境内での無線センサの設置およびLoRaWAN(TM)ネットワーク基地局の設置に関する方法
・プラント設備状態(回転機等の振動・温度データ)の収集手法
・設備状態の監視システムに求められる機能・サービス及び運用方法
[主な役割]
■横河電機
・小型無線センサ「Sushi Sensor(R)」とクラウド環境を用いた、設備状態の監視システム構築
■NTT西日本グループ
<西日本電信電話株式会社>
・プラント環境内におけるLoRaWAN(TM)ネットワークの電波強度の検証
・LoRaWAN(TM)に関わる技術・ノウハウの提供
<株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト>
・LoRaWAN(TM)ネットワークの構築・提供
3. 産業用IoTにより今後、期待される新たな価値
プラントの回転機には、経験を積んだ運転員による数時間に一度の巡回点検と、数カ月に一度の定期点検が行われています。無線センサとLoRaWAN(TM)ネットワークを活用することで、今後、オンライン監視およびデータ蓄積が可能となり、以下の効果が期待されます。
(1) 運転員の経験と勘に依存しない適切な保守作業の実施
(2) 設備異常(予期しないシャットダウン等)の早期発見によるプラント稼働率の向上
(3) 収集データ分析による故障の早期回復
本実証試験を通じて、今後、石油・石油化学・化学・LNGなどのプロセスプラントで、産業用IoTを活用した新たな価値創りをめざします。
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