ロジスティクス × ブロックチェーン
AGVの活用
ドローンの活用
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/132639/LL_img_132639_1.png
ロジスティクス × ブロックチェーン
【開発の背景】
物流センターにおける在庫管理は、日々大きく変動する在庫情報を正確に把握しきれていない実体が存在しています。システム入力・処理間違い、又は、ヒューマンエラー等により、実際の在庫と、システム上の在庫データに食い違いが生じることが多々あります。その為、棚卸しを実施する度に、在庫差異が明らかとなり、大手企業の場合、数億円規模の不良資産として損失を計上するケースや、また、在庫差異が生じたことで、販売機会ロスにつながったりしています。
そこで、株式会社PALとソラミツ株式会社は、いつでも正確な在庫情報を取得し、そして、日々の在庫情報を荷主様等へ連携可能なブロックチェーンシステムの開発に取り組んでいます。
システム構成は、(1)正確な在庫情報を自動で取得するシステム、そして、(2)ブロックチェーンを活用しリアルタイムで在庫情報を連携するシステム構成となっています。
【システムの特徴】
(1)正確な在庫情報を自動で取得するシステム
在庫情報の取得は、RFIDを用いた位置特定ソリューションを応用します。高精度な位置特定を実現する先端通信技術を活用し、移動しながらRFIDタグのデータ読み取りが可能な仕組みとなっています。
・RFIDICタグ電磁波によるデータ通信技術
・読み取りリーダーが、ICタグの位置情報を読み取る
棚と荷物へICタグを貼り付け、AGVやドローンにリーダーを搭載して、自動運転中にタグを検出します。そのデータを解析し、実在庫のデータを作成・特定する仕組みとなっており、ほぼ100の在庫精度が出ています。在庫情報が毎日更新されることで実在庫が日々認証されるため、在庫棚卸が不要となり、棚卸しにかかるコストがゼロとなります。
・AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)
(2)ブロックチェーンを活用しリアルタイムで在庫情報を連携するシステム
正確な在庫情報は、ブロックチェーンを活用し、荷主や3PL事業者へリアルタイムで連携可能となります。また、在庫情報のみならず、出荷情報や、配送データ等もシームレスに連携されます。
【ブロックチェーンとは】
ブロックチェーン分散型台帳技術は、仮想通貨Bitcoinに代表される分散型アプリケーションの基盤となる技術であり、ブロックチェーンにより仮想通貨やデジタルアセットの生成や送受信などをネットワーク上で安全に実行可能となります。ネットワーク上で実行された取引は、ネットワークに参加するすべての人がアクセス可能な共有台帳に記録され、データを高度に冗長化でき、かつ、セキュアで強固なシステム構築が可能となります。
ブロックチェーンは、ソラミツ株式会社が提供する「Hyperledger Iroha以下、いろは」を活用し、リアルタイム連携可能なシステムインフラの構築に取り組みます。
「いろは」サイト: http://iroha.tech
開発者向けサイト: https://github.com/hyperledger/iroha
【「いろは」とは】
「いろは」は、Hyperledgerプロジェクトにおいて、世界で3番目に採択されたブロックチェーン・フレームワークです。デジタル化されたデータアセットを簡単に管理でき、IoTデバイスに組み込みやすい点、また、非常に高いレスポンスやパフォーマンスを実現するアプリケーション構築が可能である点が特徴となっています。その為、「いろは」を活用することで、在庫情報管理のみならず、デジタル決済、契約管理、サプライチェーン・マネジメントなど様々なユースケースへの対応が可能となります。
<メリット>
在庫情報のデータ連携をブロックチェーンを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
●正確な在庫情報を日々確認することが可能となる。
●ブロックチェーンの分散技術によって情報の改ざんリスクが少ないため高い信用性を担保することが可能となる。
●在庫移動や所有権の移転情報が、瞬時に連携される。
●所有権移転に伴う決済をデジタル通貨でも行えるようになるため決済が瞬時、簡素化される。
【今後の展望】
物流センターは、これ迄アナログで管理され、データ連携が困難な状況にありましたが、この度開発に取り組むブロックチェーンの活用により、在庫情報をリアルタイムで特定・連携することが可能となり、また、新たな決済・資金調達手段の提供へと発展が可能となっていき、様々なサービスをサプライチェーンに関わる全ての方々へ還元していくことを目指しています。
【株式会社PALについて】
株式会社PALは、「モノの流れの生産性を向上させ、企業と人と街の成長を支える」ことをミッションに掲げ、物流セクターの生産性を高め続けていくことを目指し、テクノロジーを活用したソリューション開発に取り組んでいます。今回のロジスティクス領域におけるブロックチェーンを活用したソリューション開発は、在庫データをリアルタイムで連携することにとどまらず、物流在庫の証明サービスや、暗号通貨による資金調達であるICOビジネスヘの展開等も視野にいれ取り組んでいます。
PALは、RaaS(読み方:ラース)「Robot as a Service」を事業コンセプトに、物流センターへ先端テクノロジーを持ち込み、センターの生産性向上に向けたサービス提供を行っています。物流センターの機械化・省人化がますます推し進められていく中、当社にて最適なソリューションの開発・導入に取り組んでいます。
「PALで、物流をもっと面白く」
会社名 : 株式会社PAL
代表者 : 辻 有吾
所在地 : 大阪市西区新町1-4-26 ニッケ四ツ橋ビル2F
設立 : 2000年12月
社員数 : 90人
URL : http://www.pal-style.co.jp/
事業内容: RaaS事業、ロジソリューション事業、人材ソリューション事業
【ソラミツ株式会社について】
ブロックチェーンのスタートアップ企業であり、ブロックチェーン技術を活用したFintechやデジタル・アイデンティティ・プラットフォームの構築などを進めています。また、ソラミツは分散型台帳プラットフォームHyperledger Irohaの初期開発者であり、複数社の開発パートナーと共に開発を行っています。なお、Hyperledger Irohaは、2017年4月に、カンボジア国立銀行の新決済インフラ基盤として採用されており、ソラミツとカンボジア国立銀行は現在、共同で開発を進めています。
会社名 : ソラミツ株式会社
代表者 : 岡田 隆/武宮 誠
所在地 : 東京都千代田区二番町14番地 日本テレビ麹町ビル西館4F
設立 : 2016年2月
URL : http://soramitsu.co.jp
事業内容: Fintechやデジタル・アイデンティティ・プラットフォームの構築
「Hyperledger Irohaいろは」オープンソースの開発・提供