TruAgeスキャナー
対象患者
不妊原因別に対象患者を分けて平均AGE値を比較
「高AGE群」、低い患者を「低AGE群」に分類
AGEs(終末糖化産物、以下 AGE)は、タンパク質と糖が反応してできた「老化原因物質」と考えられています。今回の研究では、配偶子や受精卵を体外で取り扱う高度不妊治療であるART(生殖補助医療)を受ける女性患者を対象とし、体内のAGE値を測定することで研究調査しました。
■研究結果 要旨
1.不妊症患者のAGE値は相対的に高いか?
女性に不妊原因がない例と比較し、不妊原因「子宮筋腫」群と「胚質不良」群のAGE値が高値を示しました。
2.低AGE群、高AGE群での各ホルモン値の比較
AGEが高値を示す群では、AMH(アンチミューラリアンホルモン:発育過程にある卵胞から分泌されるホルモン)値が低値を示しました。
3.AGE値とIVF-ET(体外受精-胚移植)治療成績の比較
AGE値が低値を示す群では、受精率や胚発育に差は無かったものの、非妊娠例では妊娠例と比較して有意にAGE値が高値を示しました。
以上の結果より、AGEの蓄積と不妊ならびにARTの治療成績の悪化には相関があることが明らかとなると同時に、AGEの測定は卵巣機能や不妊原因の診断を行う上での有用な指標であり、バイオマーカーとして利用できることが示唆されました。
本研究の詳細につきましては下記をご参照ください。
■調査・測定方法
HORACグランフロント大阪クリニックのART治療を受ける女性患者148名を対象とし、TruAgeスキャナーと呼ばれるAGE測定器を用いて、皮膚に蓄積したAGE値を測定。右前腕内部を3回測定し平均値を決定。
《TruAgeスキャナー》
https://www.atpress.ne.jp/releases/115657/img_115657_1.jpg
DiagnOptisテクノロジー社(オランダ)で開発されたAGE測定器。AGEは自家蛍光する物質が含まれていることから、皮膚自家蛍光値(皮膚に光をあてることによる蛍光値)によってAGEの量を計測するしくみとなっています。
<研究概要>
タイトル:終末糖化産物(AGEs)の蓄積はARTの治療成績に影響する
研究者 :西原 卓志(1)、勇 史行(2)、太田 邦明(3)、
井上 朋子(1)、森本 義晴(1)
(1)HORACグランフロント大阪クリニック
(2)モリンダ ワールドワイド インク 日本支店
(3)那須赤十字病院 産婦人科
・対象患者背景
対象数 :HORACグランフロント大阪クリニック
女性患者148症例148周期
年齢 :39.1±4.7歳
不妊原因:子宮筋腫、胚質不良、子宮内膜症、不育症、
着床障害、原因なし(男性不妊)
※内訳下図参照
https://www.atpress.ne.jp/releases/115657/img_115657_2.jpg
<研究結果詳細>
1.不妊症患者のAGE値は相対的に高いか?
不妊原因別に対象患者を分けて平均AGE値を比較した結果、「子宮筋腫」群と「胚質不良」群のAGE値が「原因無し」群(男性不妊)と比較し、有意に高値を示しました。
・不妊原因別に対象患者を分けて平均AGE値を比較
https://www.atpress.ne.jp/releases/115657/img_115657_3.jpg
2.低AGE群、高AGE群での各ホルモン値の比較
全患者AGE平均値より値が高い患者を「高AGE群」、低い患者を「低AGE群」に分類。
・「高AGE群」、低い患者を「低AGE群」に分類
https://www.atpress.ne.jp/releases/115657/img_115657_4.jpg
・高AGE群・低AGE群各ホルモン値の比較結果
https://www.atpress.ne.jp/releases/115657/img_115657_5.jpg
「高AGE群」と「低AGE群」で各ホルモン値を比較した結果、(1)FSH値、(2)DHEA-S値、(3)テストステロン値、(4)プロラクチン値それぞれとAGE値の間には有意な相関は見られなかったものの、(5)AMH値を比較した結果、39歳以下の群では、高AGE群で有意にAMH値が低値を示しました。
3.AGE値とIVF-ET(体外受精-胚移植)治療成績の比較
「高AGE群」と「低AGE群」に分けて受精率、良好胚率、胚盤胞率、良好胚盤胞率を比較した結果、それぞれの値とAGE値の間に有意な相関は見られなかったものの、患者を妊娠例と非妊娠例に分けてAGE値を比較した結果、非妊娠例では妊娠例と比較して有意にAGE値が高値を示しました。
・AGE値とIVF-ET(体外受精-胚移植)治療成績の比較
https://www.atpress.ne.jp/releases/115657/img_115657_6.jpg
<モリンダ ワールドワイド インクについて>
モリンダ ワールドワイド インクは、モリンダ インクの製造する製品の輸出入・販売業務を行っています。モリンダ インク(本社:米国ユタ州アメリカンフォーク、1996年創業)は、「ノニ(学名:モリンダ・シトリフォリア)」の健康への恵みを世界に初めて紹介した研究主導型企業です。世界中の人々がより健康で生き生きとした生活を送れるよう、ノニをはじめとする有用植物を世界中から厳選し、健康・美容関連製品の研究・開発・製造を行っています。詳細は http://morinda.com をご覧ください。