今村聡氏
天野敦雄氏
小林弘幸氏
読売新聞社が展開している“未来貢献プロジェクト”は、明るい兆しが見えてきた今だからこそ、日本には数年先、数十年先の未来を見据えた様々な施策が必要と考え、政府や自治体、民間企業が行っている様々な取り組みを、新聞紙面、シンポジウム、各種イベントなどを通じて応援しているプロジェクトです。プロジェクトを通じて、この国の多くの人や組織が1つのチームとなり、「元気な日本」「豊かな日本」「安全な日本」「優しい日本」「美しい日本」そして、「世界に誇れる日本」を創り上げていくことを目指しています。
本フォーラムでは、なぜ今「未病」が注目を集めているのか、そして、全身の健康と「口内環境」、「腸内環境」の深いつながりについて考える機会を、各分野の第一人者による講演を通して理解を深めていただくことを目的としています。
専門家として、日本医師会副会長の今村聡先生、大阪大学大学院の天野敦雄先生、そして順天堂大学大学院の小林弘幸教授をお招きし、今村先生からは「健康寿命」、天野先生からは「口腔ケア」、小林教授からは「腸内環境」をテーマに、一般の方に分かりやすく講演いたしました。
【講演1】『もっと身体を見つめよう!「健康寿命」を延ばすために』
高齢化社会が進む日本において、日本の医療の現状や健康および医療保険における問題提起を行いつつ、生涯現役社会の実現のために何が必要であるのかを今村聡氏よりご講演いただきました。生涯現役社会の実現におけるポイントとして、自覚症状や検査所見の見えづらい“未病”の存在を解説いただき、予防すべき病気として、生活習慣に関わる癌や脳卒中が挙げられました。予防方法として、かかりつけ医を持ち、定期的に健康診断を受けるなど具体的な方法に来場者が興味深く聞いている姿が印象的でした。
今村 聡 氏(日本医師会副会長)
秋田大学医学部卒。三井記念病院、神奈川県立こども医療センター、浜松医科大学を経て、聡伸会今村医院理事長。
板橋区医師会、東京都医師会を経て、2006年日本医師会常任理事、2012年から現職。
【講演2】『健康には欠かせない!「口腔ケア」の大切さ』
国民医療費の約3割を占めるなど、日本人にとって国民病といえる「歯周病」は、生活習慣病と深く密接な関係があることが近年明らかになっています。本フォーラムでは、未病と呼ばれる全身の健康を害すきっかけの1つとして歯周病疾患への弊害や、それらを加速させる要因など、そしてどのようなメカニズムで歯周病を発生するのかを天野敦雄氏にご講演いただきました。来場者の方々は、歯周病によって発生する口臭や糖尿病といった様々な生活習慣病との関連性など、身近な症状と歯周病の関連性について、興味深く聞き入っていました。
天野 敦雄 氏(大阪大学大学院歯学研究科長・歯学部長)
専門は予防歯科学、口腔感染症の感染制御、病原細菌の細胞内輸送。1984年大阪大学歯学部卒業。
2000年大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座先端機器情報学分野教授。
2011年より予防歯科学分野教授。歯周病に関する研究に取り組んでいる。
【講演3】『もう一つのキーワード!「腸内環境」と健康』
腸内環境の健康を考えた場合、生まれて5ヵ月で決まってしまうと言われている細菌叢の中から、自分の持っている菌を最大限生かしていくことが重要であり、そのためには質の良い血液を細胞に行き届けることが必要です。また、腸内環境を整えるにあたり、悪玉菌を減らし、善玉菌を活性化させ、腸内環境のバランスを保つことがポイントであるという話に来場者の方々は驚きと納得する表情を浮かべていました。
小林弘幸氏のセル・エクササイズを来場者に行い、体験型の講演を実践いただきました。
小林 弘幸 氏(順天堂大学 医学部・大学院医学研究科教授)
日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経のバランスの重要性を唱え、文化人やトップアスリート等のコンディショニングやパフォーマンス向上を指導。著書、出演番組多数。
●イベント名:お口からはじめる全身の健康 未病フォーラム2016
●主催 :読売新聞社
●後援 :内閣府、厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、日本薬剤師会
●協賛 :株式会社ロッテ