三大都市圏 地価予測指数<商業地>・トピック調査
三大都市圏 地価予測指数<商業地>
三大都市圏 地価予測指数<住宅地>
また、今回は、国内経済に多大な影響を及ぼしている訪日外国人観光客の動向にスポットを当て、「インバウンド市場の現状と今後の課題」について変化・弊害・課題についてアンケートを実施。寄せられた多数の意見も併せて紹介しています。
調査結果詳細(さんゆう資料室)
https://ssri.sanyu-appraisal.com/SSRI/land_prices_questionnaire/28-9
※三友地価予測指数とは、当社と提携する不動産鑑定士へのアンケート結果をもとに、地価動向の見方について強気・弱気の程度を指数化し、5段階で評価したもので、毎年3月と9月に配信しています。
※さんゆう資料室は当社作成の各種レポートをご紹介しているサイトです。
■調査結果概要
<商業地:東京圏と大阪圏の上昇ピッチはさほど変わらず、名古屋圏では上昇ピッチが弱まる>
商業地指数の「現在」は、東京圏が68.7、大阪圏は74.9、名古屋圏は75.0となりました。前回との比較では、東京圏が70.7からやや下落、大阪圏も76.5からやや下落したのに対し、名古屋圏は69.4から上昇しています。また、「先行き」は東京圏が60.1、大阪圏は59.9、名古屋圏は57.5と、現在より慎重な見方が強まっています。
参考: https://www.atpress.ne.jp/releases/112249/img_112249_2.png
東京圏では、2020年に向けて訪日外国人観光客数は今後もかなりのペースで増加する見込みとなっており、ホテル市場では今後も当分は供給不足の状態が続きそうです。一方、中国政府による関税引上げの影響は大きく、中国人観光客を中心とした「爆買い」は鎮静化した模様です。銀座の百貨店からは中国本土の仕入業者が姿を消したとも言われますが、この影響で物販業者の出店意欲が減退し、今後は高度商業地を中心に店舗賃料の上昇にブレーキがかかる可能性があります。今回の調査結果には、「爆買い」バブルの終焉に伴う心理的なダメージが反映されているように感じます。
大阪圏では、報道とは裏腹に心斎橋では今も「爆買い」が続いています。これは、大阪圏での「爆買い」は高額品よりも化粧品や消耗品等の日用品を対象としており、総額的に関税引上げの影響が小さかったからと考えることができます。しかし、日用品に関しても円高の影響で販売量自体はピークを過ぎており、地価は今後、若干のタイムラグを置いて東京圏と同様の動きを示すものと思われます。
名古屋圏には、東京圏や大阪圏のような集客力の高いレジャー施設がありませんでしたが、来年4月には大型のテーマパークがオープンする予定です。これまで、インバウンドに関しては東京圏や大阪圏等に遅れを取ってきた感のある名古屋圏ですが、将来的なリニア効果も含めて今後の巻返しが期待されています。
地方圏では、札幌や福岡等の一部の主要都市を除けば、インバウンドを取り込めていない地域が多いのが実情です。しかし、最近の傾向としてインバウンドはモノからサービスへと消費の対象がシフトしつつあり、今後は体験型観光を充実させること等により、地方にもインバウンドを取り込むことが重要になってきます。
<住宅地:三大都市圏では上昇ピッチが鈍化するも、地方圏では上昇ピッチが強まる>
住宅地指数の「現在」は、東京圏が65.6、大阪圏は63.6、名古屋圏は70.0となりました。前回との比較では、東京圏が65.1からほぼ横ばい、大阪圏も64.5からほぼ横ばいであるのに対し、名古屋圏は72.2からやや下落しています。また、「先行き」は東京圏が53.9、大阪圏は51.5、名古屋圏は55.0と、現在より慎重な見方が強まっています。
参考: https://www.atpress.ne.jp/releases/112249/img_112249_3.png
消費税再増税が2019年に延期されたこともあり、住宅市場は全国的に落ち着いた動きを示しています。二極化や空き家の問題はありますが、過疎化が進む地方にとっては民泊という形でインバウンドが再生の糸口となる可能性があります。その意味でも、民泊に関してはガイドライン等の作成や事業者の支援育成等が急がれています。
■調査概要
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2016年8月4日~8月31日
調査対象者数:当社と提携する全国の不動産鑑定士145名
対象者内訳 :東京圏 32名 [東京・神奈川・埼玉・千葉]
大阪圏 33名 [大阪・京都・兵庫・奈良]
名古屋圏 10名 [愛知・三重]
その他の地方圏 70名 [上記以外]
指数算出方法:商業地、住宅地のいずれも各都道府県の主要都市における地価動向を先行的に表し易い高度利用地等の地域を前提として、上昇・やや上昇・横ばい・やや下降・下降の5段階で評価された地価動向の各回答者比率に100~0までを5段階に分けた係数を乗じてその和を求めた。地価動向の「現在」については過去6カ月間の推移、「先行き」については6カ月程先に向けた動向を示す。なお、本指数は地価動向の見方について強気・弱気の程度を指数化したものであり、各圏域の地価水準を表すものではない。50ポイントが強気・弱気の分かれ目となる。また、各圏域内のすべての地域で指数が示すとおりの同一の地価動向となる訳ではなく、それぞれの地域間で差異がある。
■会社概要
商号 : 株式会社三友システムアプレイザル
代表者 : 代表取締役社長 吉村 昌晴
所在地 : 〒102-0093
東京都千代田区平河町1丁目2番10号 平河町第一生命ビル4F
設立 : 1980(昭和55)年5月
事業内容: 不動産鑑定評価・不動産調査・建物現況検査(インスペクション)
動産評価・業務支援サービス
資本金 : 1億円
URL : http://www.sanyu-appraisal.co.jp/