自民党が、東京都の小池百合子知事の言動に神経をとがらせている。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長に対し、事実上の引導を渡したのは小池氏。その派手な立ち回りが、過去に何度も翻弄(ほんろう)されてきた同党には、7月の都議選や秋までの衆院選をにらんだ「布石」と映るためだ。  「今ここで4者会談しても、あまりポジティブな発信にはならない。私が出席することはない」。森氏を会長辞任に向かわせるきっかけとなったのは、小池氏による10日の発言だ。実際、森氏は周囲に「小池氏が許せなかった」と漏らし、辞任理由の一つだったと認めている。  4者会談は国際オリンピック委員会(IOC)、組織委、政府、都のトップ級協議。森氏の女性蔑視発言を受け、10日時点で開催予定はいったん白紙に戻っていたが、小池氏は記者団を前に自らこの話題を持ち出し、不参加を宣言した。これに、自民党関係者は「小池氏自身のアピール狙いだ」といら立ちを隠さない。  自民党はこれまで、繰り返し「小池劇場」に煮え湯を飲まされてきた。2016年の都知事選では、党都連の運営を「ブラックボックス」と批判され、推薦候補が敗北。17年の都議選でも、小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会」に惨敗した。続く衆院選では一時、政権維持が危ぶまれる状況に追い込まれた。  小池氏は最近、自民党の二階俊博幹事長と頻繁に会談。同党も昨年の都知事選で、小池氏の対抗馬擁立を見送るなど、双方の再接近もささやかれていた。  ただ、1月の東京都千代田区長選で、小池氏が応援した都民ファの推薦候補が、与党の推薦候補に勝利。自民党内では「小池氏は再び野心が出てきた」(都連関係者)との見方が広がりつつある。  関係者によると、都民ファは最近、国民民主党と水面下で接触。国民側も「都議選や衆院選で小池氏との連携はあり得る」(中堅)と前向きだ。菅義偉首相は安倍政権の官房長官時代から、小池氏と確執が続いていることもあり、自民党は「小池氏は何をしてくるか分からない」(閣僚経験者)と身構えている。 【時事通信社】

情報提供元:時事通信社
記事名:「自民「小池政局」に警戒=森氏引導で存在感―衆院選・都議選に布石?