
4連覇を目指す藤井聡太名人(竜王・王位・棋聖・棋王・王将=23)が糸谷哲郎八段(37)の挑戦を受ける、将棋の第84期名人戦7番勝負第1局が8日午前9時からの2日制で東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で始まった。両者がタイトル戦で激突するのは初めてだ。先手後手を決める振り駒は、と金が3枚出て糸谷が先手、藤井が後手。
藤井は先月、1勝3敗で迎えた王将戦7番勝負は第5局から3連勝、1勝2敗の棋王戦5番勝負第4局から連勝。1つも負けられない状態の「ダブルかど番」から5連勝して王将戦5連覇、棋王戦4連覇の「ダブル逆転防衛」を果たした。少しだけの春休みの後、すっかり恒例となった当地での名人戦開幕局に「気持ちが引き締まる」と話した。
糸谷とは過去10戦して9勝1敗。戦うごとに違った戦型となった。定跡や研究手順に関係なく、何をやってくるか分からない「力戦型」の棋士を相手に対応力が問われる。
藤井は昨年の竜王戦7番勝負の開幕局でも「対応力」という言葉を使った。この時は一昨年に続いて佐々木勇気八段の挑戦を受けた。24年の竜王戦では佐々木に4勝2敗。完敗の将棋があったり、指し手に苦しめられながら拾った白星もあったことから、局面での対応を課題に挙げていた。今回は、より深い読みや構想力が試される。それが証拠に初手から端の1筋の歩を伸ばして早くも位(くらい)を取った(中段まで歩を進めてくるという意味)糸谷の指し手に対し、20分以上も考えている。
