
4連覇を目指す藤井聡太名人(竜王・王位・棋聖・棋王・王将=23)が糸谷哲郎八段(37)の挑戦を受ける、将棋の第84期名人戦7番勝負第1局が8日午前9時からの2日制で東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で始まった。両者がタイトル戦で激突するのは初めてだ。第1局のため、先手後手を決める振り駒を行い、と金が3枚出て糸谷が先手、藤井が後手と決まった。
立会人の森内俊之九段(18世名人)が対局開始を告げると、糸谷がいきなり意表を突いた。盤上をじっと見つめると1筋の歩にスッと手を伸ばした。
対する藤井はいつものようにお茶を口に含む「初手お茶」。3、4回とうなずいて飛車先の歩を突いた。
3手目で1筋の位を取った糸谷は、早くも「糸谷ワールド」全開。今回の名人戦に際して「斬新」と揮毫(きごう)したが、その通りに将棋の定跡やAIにとらわれない指し手が早くも展開され始めた。
7日、同所で行われた前夜祭で藤井は「未知の局面での対応力が問われる」と話した。その意味を含めて「初心」と揮毫(きごう)した。まさに、初心に返って考えることを楽しみながら戦うことになる。
名人戦の持ち時間は各9時間。初日の封じ手は午後6時30分の時点で手番の側が行う。昼食休憩は両日とも正午から午後1時。2日目は午後5時から30分の夕食休憩がある。両日ともに午前10時と午後3時におやつが出される。決着は10日夜の見込み。
