
4連覇を目指す藤井聡太名人(竜王・王位・棋聖・棋王・王将=23)が糸谷哲郎八段(37)の挑戦を受ける、将棋の第84期名人戦7番勝負第1局が8日からの2日制で東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われる。両者がタイトル戦で激突するのは初めてだ。7日、2人は現地入り。対局場を検分した後、前夜祭に参加した。
藤井は先月、1勝3敗で迎えた王将戦7番勝負は第5局から3連勝、1勝2敗の棋王戦5番勝負第4局から連勝。1つも負けられない状態の「ダブルかど番」から5連勝して王将戦5連覇、棋王戦4連覇の「ダブル逆転防衛」を果たした。
「少しだけ春休みのような気分後、いよいよ名人戦が始まると思うと、身のが引き締まる気持ちです。未知との局面での対応力が問われるのが楽しみ。1手1手深く考えて良い将棋が指せるよう、明日から2日間集中していきたい」と決意を述べた。
対する糸谷は名人戦初登場。現在常務理事も務めている。3日にシンガポールで行われた第11期叡王戦5番勝負、伊藤匠叡王(王座)対斎藤慎太郎八段戦の開幕局には担当理事として現地に赴き、帰国した。慌ただしい日程を縫って盤に向かう。理事が名人戦に登場するのは、第44期に挑戦者となった大山康晴十五世名人(故人)以来40年ぶりとなる。
藤井名人への挑戦権を巡ってトップ棋士10人が総当たり戦を行う今期のA級順位戦は、6勝1敗で迎えた今年1月の8回戦で7戦全勝の永瀬拓矢九段との直接対決を制して追いついた。最終9回戦はともに負けて7勝2敗の同星となり、プレーオフの末に永瀬の2年連続挑戦を阻み、初の挑戦権を得た。
3年前には名人戦への挑戦権を争うトップ棋士10人総当たりのA級順位戦から1クラス下のB級1組への降級の経験した。「花は落ちてもまた咲く」と語り、A級復帰1期目で挑戦権を得た。「盤上に花を咲かせられるよう頑張っていきたいと思います」と語った。
松山ケンイチの主演で映画にもなった「聖の青春」のモデルで、かつて名人候補と呼ばれながら1998年に29歳で亡くなった村山聖九段の弟弟子。森信雄一門では、初めての名人戦挑戦者でもある。あと1勝で九段昇段となる糸谷が、まずは名人戦初勝利を狙う。
